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環境ホルモンで不妊になる⁉キッチンの中で私たちにできること【食の安全】

なかなか子供ができない…。

不妊に関する悩みは、年々増加していると言われています。

統計では、

✅不妊に悩んだことのあるカップル:3組に1組
何らかの不妊治療・検査を受けたことがあるカップル:5.5組に1組

NPO法人Fineホームページ
https://j-fine.jp/infertility/about.html

いらっしゃるのだそう。

このように、「いつか子どもが欲しい!」と考えている人にとって、不妊は他人事の悩みではなくなってきました…。



さて、以前に「妊娠するのに欠かせない3つの栄養素」という記事で

「栄養不足が不妊の1つの原因になる」

ということを書かせていただきました!

■ 妊娠するために欠かせない3つの栄養素(⇓)


「ある栄養素が不足していると、妊娠率が低下する」といった報告もあり、特定の栄養素の不足と不妊について、わかってきていることもあります。(※詳細は上記の記事をご覧ください^^)


しかし、栄養不足だけが不妊の原因ではありません。

あまりメディアなどでは取り上げられないけど、私たちの身近にある、あるものによって、不妊が起こっているかもしれないのです。

ある種の化学物質(食べ物にも関係する!)の暴露により、

✅精子数の減少・精子濃度の低下
✅勃起障害の増加
✅流産の増加
✅無月経や多嚢胞性卵巣症候群の増加

つまり、不妊!!

が発生しているかもしれないのです!!


そのことを私たちに教えてくれるのは、

生殖危機~化学物質がヒトの生殖能力を奪う~

という本です(⇓)

著者は、米国マウントサイナイ・アイカーン医科大学の環境医学・公衆衛生学の教授であるシャナ・H・スワン教授です。

2022年1月に発売された最近の本であり、米国では話題沸騰中!の本です。



今回は、この本に書かれていることをベースにして

✅不妊の原因となる化学物質について
✅私たちにできること

について解説していきます。



生殖能力低下(不妊)の現状

この本の冒頭に、とても衝撃的な事実が書かれています。

「精子数の時間的傾向:統計的レビューおよびメタ回帰分析」によると、

先進国の男性の精子の数が、過去40年で約「50%」低下している

Human Reproduction Update, Volume 23, Issue 6, November-December 2017, Pages 646–659.

ということがわかったのです。


「40年で50%も低下したなら、あと40年たったらどうなるんだろう?」

と思いますよね…💦

実際、

この減少が同じペースで続くなら、2050年には多くのカップルが子供を作るために、生殖補助医療、凍結受精卵、さらには研究室内で他の細胞から作りだされる卵子や精子などの技術に頼らなくてはならなくなる

「生殖危機」より

と、筆者は述べています。


さらに…!

男性の生殖能力(精子数の減少率、テストステロン値の低下率、精巣がんの増加率、勃起障害の有病率など)が、年「約1%」の割合で悪化している

というデータもあるのだそう…😲


「年1%」って、かなり怖い数字です…
50年たったら「50%」の低下ということになるんですから…。


本の冒頭には、男性側の不妊についての話が多いですが、

流産、多嚢胞性卵巣症候群(※1)、子宮内膜症(※2)の診断数が増加している

ということもわかっており、

男女問わず「生殖能力の低下」が、ここ数十年の間に明らかに存在している

のです。

※1)多嚢胞性性卵巣症候群とは…卵胞の成⻑が途中で止まり、たくさんの⼩さな卵胞が卵巣内にとどまってしまう病気

※2)子宮内膜症とは…子宮内膜という組織が、子宮の外で増えてしまう病気

どちらも、不妊に繋がりやすい疾患です。



内分泌かく乱物質とは?

筆者いわく、このような「生殖能力の低下」の原因の1つに、

内分泌かく乱物質(環境ホルモン)

の存在があると指摘します。

内分泌かく乱物質とは、

生物個体の内分泌系に変化を起こさせ、その個体、またはその子孫に健康障害を誘発する外因性物質

世界保健機関/国際化学物質安全性計画(WHO/IPCS)の見解

と定義されています。


簡単に言うと、

(女性ホルモンや男性ホルモンのような)ホルモンの受容体と結合することで、本来のホルモンの働きを阻害したり、働きを狂わせたりする化学物質

のこと💡

動物実験や野生の動物において、生殖器の異常や雄の雌性化、生殖能力の低下などが認められており、環境ホルモンのしわざであることが、わかっています。

人においても、環境ホルモンの影響により、男性的な機能や女性的な機能が阻害されたり、おかしくなったりするのではないかと、研究が進められています。



注意すべき環境ホルモン【ワースト3】

この本には、とくに注意すべき環境ホルモンについて、いくつか取り上げられていたので、ご紹介させていただきます。

■ 注意すべき環境ホルモン

①フタル酸エステル
②ビスフェノールA(BPA)
③農薬



①フタル酸エステル

フタル酸エステルは、男性ホルモンである「テストステロン」の産生量を低下させる可能性があると言われています。

それによって、精子数が減少したり、男性の不妊が増加しているのではないかとのこと。

また、男性ばかりではなく、女性の卵巣にとっても悪材料なのが、フタル酸エステル。

フタル酸エステルの暴露量(人体に取り込む量)の多さは、無月経多嚢胞性卵巣症候群との関連が認められています。


フタル酸エステルは、プラスチック容器の可塑剤(ある材料に柔軟性を与えたり、加工をしやすくするために添加する物質)、マニキュアのひび割れ防止、ヘアスプレーのつまり防止、香料の長時間持続剤などに使われています。

■ フタル酸エステルが含まれているもの

✅プラスチック容器
✅医療用チューブや医療機器
✅床の敷物や壁装材
✅パーソナルケア商品(ヘアスプレー、整髪用ジェルやムース、せっけん、シャンプー、マニキュア、硬水)
✅デオドラント・芳香剤


とくに「香料」と書かれているものは、フタル酸エステルが含まれている可能性が高いと筆者は述べています。



②ビスフェノールA(BPA)

BPAは、女性ホルモンである「エストロゲン」と同じような作用があり、その効力は、なんと天然の女性ホルモンの「5倍」の強さがあるとも言われています。

✅血中のBPA濃度が高い女性は、妊娠しにくい

✅血中のBPA濃度が最高度の女性では、妊娠第一期中の流産リスクが「83%」高い

というデータもあり、とくに女性の生殖能力に与える影響が大きいのがBPAです。


■ BPAが含まれているもの

✅金属装置の保護用コーティング
✅缶詰の内側のコーティング
✅接着剤
✅電子機器
✅感熱レシート紙

以前の「毎日食べて大丈夫?さば缶のデメリットと注意点5選」という記事にも書きましたが、缶詰の内側のコーティングは注意が必要です。(⇓)

缶詰を食べるときは、汁を捨てるのがオススメです。

■ 毎日食べて大丈夫?さば缶のデメリットと注意点5選



③農薬

農薬は、食品に使用するものだけでなく、除草剤、殺虫剤、防カビ剤も含みます。

男性ホルモン・女性ホルモン両方ともに悪影響を及ぼし、ホルモンの産生や利用、作用を妨げます。

2015年のスペインでの研究によると、

不妊クリニックで男性の尿中に含まれる農薬の代謝物の濃度を調べたところ、ある4種類の農薬の代謝物の濃度が高いほど、精子濃度が低く、総精子数が少なかった

ということが判明しています。


また、女性においても

✅2種類の農薬(CB-153とDDTの代謝物)の血中濃度が高い女性ほど、流産リスクが高い

有機塩素系殺虫剤への暴露量が多い女性ほど、妊娠するまでの期間が長くなる可能性が高い

ということも示されています。



このように、私たちの身の周りには様々な環境ホルモンが存在しています。

全部を避けるなんて、到底ムリ!!

と私も思いますが…

それでも、少し努力をするだけでも、リスクをかなり低下させることはできます!

この本にも書かれていた対策方法を、いくつかご紹介していきます。



私たちにできること【キッチンの中】

キッチンの中は、一般的な日常生活の中で、一番、環境ホルモンの暴露が多いところです。

そんなキッチンの中で、少しでも環境ホルモンを減らすためにできることが5つあります。

①農薬を避ける
②水を浄水する
③プラスチック容器をやめる
④フライパンの買い替え
⑤加工食品を避ける

この5つです。

①農薬を避ける

農薬を避けるために、オーガニック(有機栽培)の野菜や果物がオススメです。

カリフォルニア大学バークレー校の研究によると、「有機栽培の食物を1週間食べただけで、体内の13種類の農薬の代謝物を大幅に減らせる」とのこと。

とはいえ、毎回毎回オーガニックを買うのは、ちょっと家計的に厳しいですよね…。

そんな方に、やっていただきたいのが

よく洗う:水に溶ける農薬を低減できる
皮をむく:皮に農薬が溜まりやすいので、皮をむく

ということです。

愛知県衛生研究所の調査(※2)では、

■ 玄米の残留農薬について
・米とぎで「約91%」が除去できる
・炊飯することで「約95%」が除去できる

※2)愛知県衛生研究所 米(玄米)に残留する農薬の調理による減少について

ということがわかっています。

他の野菜や果物に関しても、筆者は「しっかり洗うことで、残留化学物質のほとんどを取り除くことができる」としています。


それでも不安な方は、野菜や果物の皮をむくと、なおgoodですね^^✨


②水を浄水する

水道水には、多くの化学物質や農薬が入り込んでいる可能性があります。

浄水器をつけていない人は、絶対につけて!

水道水の問題については、こちらをご覧ください(⇓)
■ 水道水は危険⁉水道をとりまく健康問題と浄水器の選び方


③プラスチック容器をやめる

プラスチック容器に入った食品や飲み物は、容器から環境ホルモンが移行する可能性があると言われています。

とくに最悪なのが…

プラスチック容器を電子レンジで加熱すること!

すべてのプラスチック容器をやめることができなくても、せめて加熱だけはしないでください。

私自身、電子レンジで加熱はしていませんでしたが、便利なプラスチック容器を使うことがありました。
この本を読んで、さっそくプラスチック容器をすべて捨て、ニトリで「ガラス容器」を買いました^^


④フライパンの買い替え

テフロン加工のフライパンや、有機フッ素加工のフライパンを使っていませんか?

これらのフライパンは、焦げつきにくいし、洗いやすいし、便利ですよね。

使ってはいけないというわけではないのですが、注意が必要です。

このような器具を強火で熱すると、環境ホルモンが調理中の食品にしみだす可能性があります。

なので、テフロン加工やフッ素加工のフライパンを使う場合は

✅弱火~中火以上に温度を上げない
✅表面がはがれ落ちたり、傷ついたら早めに買い替える

ということを意識してください👍

鉄鍋ステンレススチールの調理器具がおすすめです。


⑤加工食品を避ける

加工食品の包装や缶詰のコーティングに、内分泌かく乱物質(環境ホルモン)が使用されている可能性が高いです。

できるだけ加工食品を避け、生鮮食品(生の野菜や果物、お肉、お魚)を選んで、自宅で調理しましょう!



まとめ

今回は「生殖危機~化学物質がヒトの生殖能力を奪う~」という本をベースにして、環境ホルモンの脅威と私たちができる対策について、解説しましtあ。


■ 生殖能力低下(不妊)の現状

・先進国の男性の精子の数が、過去40年で約「50%」低下している

・男性の生殖能力(精子数の減少率、テストステロン値の低下率、精巣がんの増加率、勃起障害の有病率など)が、年「約1%」の割合で悪化

・流産、多嚢胞性卵巣症候群(※1)、子宮内膜症(※2)の診断数が増加している

👉男女問わず「生殖能力の低下」が、ここ数十年の間に明らかに存在している

■ 内分泌かく乱物質とは?

(女性ホルモンや男性ホルモンのような)ホルモンの受容体と結合することで、本来のホルモンの働きを阻害したり、働きを狂わせたりする化学物質

■ 注意すべき環境ホルモン【ワースト3】

①フタル酸エステル

「テストステロン」の産生量を低下させる可能性がある→精子数が減少や男性の不妊化
・フタル酸エステルの暴露量(人体に取り込む量)の多さは、無月経多嚢胞性卵巣症候群との関連あり

■ フタル酸エステルが含まれているもの

✅プラスチック容器
✅医療用チューブや医療機器
✅床の敷物や壁装材
✅パーソナルケア商品(ヘアスプレー、整髪用ジェルやムース、せっけん、シャンプー、マニキュア、硬水)
✅デオドラント・芳香剤

②ビスフェノールA(BPA)

・血中のBPA濃度が高い女性は、妊娠しにくい

・血中のBPA濃度が最高度の女性では、妊娠第一期中の流産リスクが「83%」高い

■ BPAが含まれているもの

✅金属装置の保護用コーティング
✅缶詰の内側のコーティング
✅接着剤
✅電子機器
✅感熱レシート紙

③農薬

男性ホルモン・女性ホルモン両方ともに悪影響を及ぼし、ホルモンの産生や利用、作用を妨げる

■私たちにできること【キッチンの中】

①農薬を避ける
 
✅オーガニック(有機栽培)の野菜や果物を選ぶ
 
✅よく洗う:水に溶ける農薬を低減できる
 ✅皮をむく:皮に農薬が溜まりやすいので、皮をむく

②水を浄水する
 →浄水器は必須!

③プラスチック容器をやめる
 →プラスチック容器を電子レンジで加熱するのだけは、ダメ絶対!

④フライパンの買い替え
 
・テフロン加工やフッ素加工のフライパンを使う場合は、
 ✅弱火~中火以上に温度を上げない
 ✅表面がはがれ落ちたり、傷ついたら早めに買い替える
 ・鉄鍋やステンレススチールの調理器具がおすすめ!

⑤加工食品を避ける


「食品(キッチンの中)以外で、環境ホルモンを減らす方法」など、今回ご紹介しきれなかった多くの情報が、この本には書かれています。

気になる方は、本を読んでみてください^^🍀(⇓)


皆様の健康を願って。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。


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