ロシア・プーチン大統領の宣戦布告演説の全文を読む
前々からチェックしてはいましたが、いざ実際に戦争になることを予想していた専門家は少なかったようで、揚げ足取りからいろいろ言われますね。
ミスくらい誰でもしますし、専門家は予想をするのが仕事ではないので(笑)
予想させるのはそれを求めている人がいるからなんだよな~と思いながらこれを書いている今日この頃です。
本来はクレムリン(ロシア大統領府)のリンクを貼りたかったのですが、Anonymousという国際ハッカー集団によって現在、見ることができませんので、他で全文を探してきました。
「ハッカーってすげぇ」と子供のような感想を持ちながら、それほどまでに今回の戦争が国際的な意味を持たざるを得ないものであることを痛感します。
今回のロシアの行動は戦後国際秩序への挑戦であり、許されるものではありません。私のTwitterのTLにはいませんが、一部の人は「プーチンは光の戦士~」と言っているそうです。ブロックを推奨します。
今回はプーチン大統領の演説から今回の行動を起こした原因を探っていきたいと思います。
・合理的ではない判断
プーチン大統領が戦争をしないだろうと一部の専門家が考えていた理由は合理的ではないからだというものです。
戦争を起こしたときの国際社会の反応や軍の被害などを考えると戦争はデメリットの方が大きいので行動しないと言っていました。
ですが、今回のプーチン大統領は合理性を無視し、ロシアが受ける被害もある程度予想したうえで戦争に踏み切りました。一部の識者はプーチン大統領が狂ったとも言います。
ですが、その予兆は戦争前の交渉の段階からあったように思われます。フランスのマクロン大統領はプーチン大統領との会談後のインタビューで「これまでとは違う」と発言しています。
対面で数回しかあっていないフランス大統領ですらわかる変化がプーチン大統領に表れています。それはなぜでしょう。
・ウクライナ・ナショナリズムへの恐怖?
演説で主張されている中で気になるのは歴史観です。ロシアとウクライナは一心同体であると言います。
これは若干当てはまる部分があるのは事実ですが、私の知る限りロシアの下のウクライナというよりは、ウクライナの下のロシアというのが正しいように感じます。
ロシア・ウクライナ・ベラルーシは同じ「ノヴゴロド国」という国家をルーツに持ちます。ノヴゴロド国の一部としてキエフ公国が誕生、キエフ公はビザンツ皇帝の親族と結婚し、ギリシア(東方)正教の一員にもなります。
キエフが中心だったわけですが、モンゴル帝国の登場によってこれは変わり、中心がモスクワに移されます。そしてモスクワを中心にモンゴル帝国の支配から脱却するのです。
ウクライナの歴史的アイデンティティをモスクワが持っていき、そして発展させてロシアとしたというのが事実であると思うのですが、ロシアは「力の論理」でウクライナよりもロシアの方がその後影響力を持っていたということから正当性を主張しているように感じます。
演説の中で現在のウクライナの領土はソ連時代に定めたものといいますが、ウクライナは元々、ロシア革命の中で独立してウクライナ人民共和国を建国しましたがソ連に併合された経緯があります。
ウクライナの中にはずっとウクライナ・ナショナリズムがあり、それを叩き潰してきたのがロシアであり、ソ連です。
ウクライナに恩を着せてきたように見える文面がいくつもありますが、これはあまりにも一方的な見方のように思えます。
全体的にウクライナについての演説の内容は女々しいラブレターのようです。すげぇ簡単に紹介すると
元々、一緒だったじゃん。ロシアはウクライナことを思ってきたし、困ったら助けてきたよ。でも、そういうことを最近忘れてNATOとかアメリカと仲良くなろうとするのはおかしいと思う。ロシアとウクライナの共有してきた歴史を思い出して欲しい。
続けて
ウクライナがこんなことをしてしまうのはきっと国内にいるネオナチ(多分、ナショナリストのことを指している)のせいだね。アメリカにも騙されているに違いない。ロシアが目を覚まさせてあげるね。
といった感じです。「末期のヤンデレ?」と思いたくなるような内容です。
ですが、ここで感じたのはウクライナの中で独自に出てきたナショナリズムに危機感を感じていることです。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、クリミア半島に関する国際的なフォーラムを行ってきた経緯があります。
この行動がロシアには挑発に見えたのでしょうし、ロシアから離れて自立していくウクライナを見てられなくなったということでしょう。
ですが、ウクライナ人の反ロシア感情はロシアによるクリミア併合以降さらに強まっていると言えます。
その結果として現在のウクライナ軍の奮闘があるように感じます。当初の想定よりもロシア軍の侵略は進んでいません。ここにプーチン大統領の誤算があるように感じます。
・終わりに
プーチン大統領が狂ったという話も可能性としてはあるのかもしれませんが、元々冷徹で戦略性の高かった人だったがゆえに他の目的があるのではないかと感じてしまいます。
情報が常に錯綜しているようですが、ゼレンスキー大統領は方々で講和を探っています。
一方でロシアは講和を蹴られたと主張しながら、一定の成果を上げるまでは引き下がれない状況になってきているように感じます。
反戦デモが世界中で起きていますが、ロシア国内のデモはプーチン大統領の打倒にはつながらないように感じます。独裁政権が崩壊するときにはいつも必ず軍が味方にいる方が勝ちますので。
ですがやることに意義があります。主張することが大事です。特にロシア国内ではなく、海外の住民が動き、政治に働きかけ対ロシア対応を自国政府に迫るのが大切です。
ちなみ岸田政権はまだ、ロシアと経済協力をする大臣ポストを残しています。終わってますね。これにこそ圧力をかけるべきだと思います。
あとは小麦の値段とガソリンの値段も上がりそうですので、トリガー条項については当然実行してもらわなければいけません。
ウクライナの戦争は許されることではありません。ですから、私は今こそ日本の九条主義者や平和主義者が積極的にロシアを非難してくれることを望みます。
また自分関係ないではなく、できることをやることは大事です。Twitterでも意思表示はできます。楽天の三木谷社長は高額の寄付を行いウクライナへの支援を表明しました。
本当に戦争の災禍を被らないためにはだからこその準備が必要です。強い国に攻撃する国家は少ないです。
平時の時に準備を行い、有事を引き起こさない努力を最後までし続け、それでも有事になったら徹底する。
これが大事なことだと思います。自分たちの中でウクライナに対してできることを探して行うのは大事なことです。ここに政治思想、イデオロギーの違いが関係ないように思います。
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