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もし=LOVEの「僕らの制服クリスマス」が古典和歌だったら

10人組の女性アイドルグループ、「=LOVE(イコールラブ)」をご存知でしょうか。

さっしーこと指原莉乃がプロデュースしていることから、「名前は知ってる!」という方も多いかもしれませんね。

口パクではなく生歌でのパフォーマンスにこだわっている点も、人気の理由のひとつになっているようです。

とりわけ私の心に刺さった曲が、2ndシングル「僕らの制服クリスマス」。

今回はこの可愛らしいクリスマスソングを和歌にしてみました!


“幸せ絶頂のクリスマス”は人生に3度ある

イントロからAメロ、Bメロ、サビまで、まさに“アイドルソングの王道”を感じさせる曲調。

さらにみんな大好き「クリスマス」をテーマにされては、気に入らざるを得ませんでした。笑


私は、“幸せ絶頂のクリスマス”は人生に3度あると考えています。

1度目は幼少期。
サンタさんがプレゼントを届けに来てくれると思うと、胸が高鳴ったものです。

2度目は大好きな恋人ができたとき。
街のイルミネーションに照らされ、二人並んで歩けばもう幸せそのものでしょう。

3度目は自分に子供ができたとき。
可愛いわが子の寝顔を見ながら、プレゼントを贈る喜びを噛み締めるのです。


この曲はまさに典型的な2度目のピーク、恋人たちの幸せなクリスマスを歌ったものではないでしょうか。

しかしこれだけ飽きさせることなく、何度も人を楽しませてくれる「クリスマス」。

経済効果も大きく、すごいイベントだとつくづく思いますね…!


温かい食事に負けない「幸せ」

特に次の箇所が、“2度目のピーク”ならではのフレーズだと思います。

コンビニケーキ 冷めたチキン
完璧ではないけど
これがきっと「幸せ」
僕らの制服クリスマス

=LOVE「僕らの制服クリスマス」より

家族でワイワイ食卓を囲み、出来たての温かい料理を楽しむ。

そんな“完璧さ”は無いけれど、家族で過ごすクリスマスにも負けない「幸せ」が確かにそこにある。

たとえチキンが冷めていても、恋する2人の心はほくほく温かいのです。

今回はこの印象的なフレーズを和歌にしてみることに!


妬みたくなるほどの美しい瞬間

ここまでクリスマスについて熱く語ってきましたが、平安時代の日本にクリスマスというイベントはありません。

もちろんコンビニケーキなんてものが無いのは言うまでもありませんね…!

とは言え、冬の凍えるような寒さや、恋人たちの心踊るようなときめきは、昔も変わらずあったはず。

ここで、“寒い日のデート”にまつわる古典和歌を紹介します。

手枕の 隙間の風も 寒かりき 身はならはしの ものにぞありける(よみ人知らず)

「拾遺和歌集」より

昔は腕枕をしてもらっても寒かったのに、今は独りでも平気。体って慣れるものよね!

…と、ほんのり自虐っぽさも感じるサバサバした一首です。笑

この作者、強がってはいるものの、恋人とイチャイチャしていた頃の自分を妬む気持ちもありそうですね。


人は、ともすれば過去を美化したがる生き物。

そんな中、現在進行形で美しい時間を過ごしていると実感できる経験は、とても貴重ではないでしょうか。

制服デートを楽しんでいる恋人たちも、いつかこの日を振り返り、ちゃっかり自分を妬む日が来るのかもしれませんね…!



冷ゆる床 はかなき宿に 風吹けど
心行きたり 恋ひの燃ゆれば


※解説は冒頭のインスタ参照


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