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そのサッカーを疑え!

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2020年11月の記事一覧

「ウイング天国ニッポン」を象徴するJリーガー2人。三笘薫もいいけれど、坂元達裕もかなりいい

「ウイング天国ニッポン」を象徴するJリーガー2人。三笘薫もいいけれど、坂元達裕もかなりいい

 Jリーグを史上最速で制した川崎フロンターレ。以前のこの欄でも述べたが、特筆すべきは鬼木監督のメンバー交代枠(5人)をフルに使った采配だ。4人止まりだったのは現在までのところ2試合だけ。サブとレギュラーの境界をあえて曖昧にし、多くの選手が出場時間を分け合いながら優勝した。MVP(最優秀選手)の名前は実際、パッと出てこない。チームスポーツの理想を見るような圧勝劇だった。

 とはいえ、今季新たに加わ

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Jリーグが、セ・パ両リーグの顔ぶれが変わらないプロ野球界から真似したいこと

Jリーグが、セ・パ両リーグの顔ぶれが変わらないプロ野球界から真似したいこと

 川崎フロンターレが2年ぶりの優勝を飾った日、プロ野球は日本シリーズの4戦目を迎えていた。サッカー業界の人はこの日に、3連勝で迎えたソフトバンクに日本一の座に就かれては、そちらに話題をさらわれてしまうとばかり、巨人に一矢を報いることを最大限、期待したと思う。

 ソフトバンクはその願いも空しく巨人に完勝。4年連続日本一に輝いた。巨人に対しては、昨年の日本シリーズでも4戦4勝だったので、2年で8戦8

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日本のストロングポイントを打ち消す、非プレッシングな森保采配

日本のストロングポイントを打ち消す、非プレッシングな森保采配

 オーストリアのグラーツで行われる国際親善試合対メキシコ戦(現地時間11月17日)を数時間後に控えた段階で、この原稿を書いているが、4日前のパナマ戦(11月13日)の残像は依然として、脳裏に焼きついたままだ。ピッチに描かれたその好ましくないデザインを払拭できずにいる。

 好ましくないデザインとは、特に前半、日本の最終ライン付近に描かれた相手との、人数の関係だ。相手FWより+1人ではなく、+2人以

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リバプールの南野拓実。勇気ある撤退という選択肢

リバプールの南野拓実。勇気ある撤退という選択肢

 パナマ戦(11月13日)とメキシコ戦(11月17日)に臨む日本代表。所属チームが招集を拒んだ堂安律(ビーレフェルト)に代わって、追加招集した奥川雅也(ザルツブルグ)も、所属チーム内に新型コロナ感染者が出たことで、合流を見合わせることになった。

 したがって、今回のメンバーの中に新顔は1人も入らないことになった。奥川にしても追加招集なので、森保監督は最初から新顔を誰も選ぶつもりがなかったことにな

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