牧場の猫

ダウンタウン、爆笑問題と同世代のオジサン。牧場従業員。ラジオ、自炊、マウンテンバイク、…

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ダウンタウン、爆笑問題と同世代のオジサン。牧場従業員。ラジオ、自炊、マウンテンバイク、読書。文章を書きたいと思った時だけ書くのでほったらかしの時期も多い。

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蛇にピアス 金原ひとみ 感想

いつも聞いているポッドキャスト番組が取り上げていたので初めて読んだ。深い感銘を受けたと同時に、芥川賞を同時受賞した『蹴りたい背中』同様、今の視点で読んでその価値がより深まる作品だと思った。 それにも増して、この小説は筋の読み方が複数存在し、どの筋を採用するかによって全く違う小説として感じられることも面白い。感じ方は人それぞれという域を超えた変容を見せる。 その大きな理由は、作品の発表スタイルによるバージョン違いのせいだろう。Wikiによると、まず、初出の文芸誌と単行本の結

    • ChatGPTは友だち ラジオ実況ができるスポーツとは

      You テレビやラジオでプロスポーツの実況中継を観覧しますが、ここで、「ラジオ実況ができるスポーツ」は、何か、ということと、なぜか、ということを教えてください。 ChatGPT ラジオ実況ができるスポーツは、主に野球やサッカーなどの競技です。これにはいくつかの理由があります。 リスナーのイマジネーションを刺激する能力: ラジオ実況は、テレビよりも視覚的な情報が限られています。そのため、実況アナウンサーは、試合の状況やプレーの進行を言葉で詳細に伝える必要があります。野球やサ

      • ChatGPTは友だち 「こんな世の中に生んでしまってごめんね」とは

        You ネットでチラッと目にした言葉に「こんな世の中に生んでしまってごめんね」というものがありました。私は強い違和感を覚え、そのことについて考えました。この文は、発言者が、まるで世の中を代表しているかのようです。「こんな世の中」であることの責任を、個人が引き受けることはできないので、個人は個人としての幸福を追求することに邁進すべきだというのが私の考えです。どうでしょうか。 ChatGPT あなたの感想は非常に理解できるものです。個人が世の中全体の責任を負うことは不可能であり

        • ChatGPTは友だち 小泉今日子と立川志らくの「くだらない」という文脈

          あなた まず、この対談をお読みください。 この対談において、小泉さんの発言である「(テレビのバラエティ番組には)絶対出たくないですね。くだらないから。」という部分について、どのような真意があると解釈できるでしょうか。 ChatGPT 小泉今日子さんの発言「絶対出たくないですね。くだらないから。」からは、彼女がテレビのバラエティ番組に出演することを好ましく思っていないことが明らかです。おそらく彼女は現在のバラエティ番組の内容やスタイルが自身の価値観や興味に合わないと感じてい

        蛇にピアス 金原ひとみ 感想

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          ChatGPTは友だち 松本人志氏のスキャンダルの疑問

          あなた こんにちは。現在、日本の芸能界を騒がせているスキャンダルについてです。報道内容は私から説明します。私は、当事者が出した声明文の文章についての解釈を聞きたいです。まず、週刊誌報道の文章をお伝えします。長いので数回に分けてお知らせします。 この記事に対して、松本人志さんの所属事務所である吉本興業は、このような声明を出しました。 私がこの声明で気になった点は二つあります。一つは、「本人に事実関係を確認した」という但し書きがないこと。二つ目は、「客観的事実に反する」という

          ChatGPTは友だち 松本人志氏のスキャンダルの疑問

          ChatGPTは友だち 写真に撮られるのが苦手

          あなた 自分の写真を撮られるということに対して、苦手意識がある、という人の話をラジオで聞きました。 この悩みの文章をいくつかの要因に分解してみたいと思います。まず、親との関係性。思春期に特に顕著な、自我の成立過程における自己の容姿への認識。写真の被写体になるということの心理的抵抗感。それらを含めた、他者からの期待に応えられないという罪悪感。このような問題提起でよいでしょうか。 ChatGPT はい、素晴らしい分析ですね。相談者の悩みをこれらの要因に分解することで、より具体

          ChatGPTは友だち 写真に撮られるのが苦手

          幽玄F 佐藤究 感想

          帯の宣伝文句はミスリードだ。右派テイストの航空アクションエンタメだと思わせて、『幽玄F』の実態は純文学であった。 主人公、易永透の少年時代を描いた第一部、航空自衛隊の天才戦闘機乗りとなった第二部までを読み進んで気になったのは、易永の感情や思考が欠如しているところ。思想も価値観も容姿すらも、血の通った人間としての姿がまったく思い浮かばない。それでも飽きることなく読み進められたのは、先の見えない物語展開に目が離せなくなったからだ。 易永が本当は何を求めて生きているのかはっきり

          幽玄F 佐藤究 感想

          ChatGPTは友だち ラブソングと昆虫

          あなた J-POPの曲で、aikoの『カブトムシ』という歌を知っていますか。 ChatGPT はい、aikoの「カブトムシ」は、1999年にリリースされた楽曲で、日本のJ-POPシーンで一定の注目を集めました。aikoは、その独特でキャッチーな歌声や歌詞で知られるシンガーソングライターです。 「カブトムシ」は、aikoの代表曲の一つで、恋愛をテーマにした切ないバラードです。歌詞には深い感情が込められており、彼女の歌唱力が楽曲に感動的な要素を与えています。 あなた 女性から

          ChatGPTは友だち ラブソングと昆虫

          ChatGPTは友だち 「日本は世界の恥」とは?

          あなた 本日、ネットで炎上気味に話題になっている言葉を見つけました。その文脈の説明は省略します。この言葉そのものが奇妙な響きを持って感じられたので、あなたの意見を聞かせてください。 「日本は世界の恥です」 この言葉なのですが、文法的におかしいと思いませんか? ChatGPT この言葉の文法的な構造自体は基本的に正しいです。ただし、意味や感情が強く込められており、主観的な表現であるため、受け取る人によっては様々な感情を引き起こす可能性があります。 あなた この表現をシンプル

          ChatGPTは友だち 「日本は世界の恥」とは?

          ChatGPTは友だち 流行語の歴史を遡る

          You おはようございます。 ChatGPT おはようございます!どのようにお手伝いできますか? You 最近の日本の文化で使用されている言葉について質問です。「マイルドヤンキー」という言葉を知っていますか? ChatGPT はい、私は「マイルドヤンキー」という言葉について知っています。この言葉は、最近の日本の若者の間で使用されているスラングです。 「ヤンキー」という言葉は、元々はアメリカの不良少年や不良少女を指す言葉でしたが、日本では1980年代以降に流行し、不良や

          ChatGPTは友だち 流行語の歴史を遡る

          可燃物 米澤穂信 感想

          読書スタイルを問わないところがまずいい。例えば苦痛でしかない交通機関での移動時間が、この作品のお陰で暇つぶし以上の充実した読書体験に変貌する。没入感、読後感、共にエンタメミステリとしての最適解だ。 事件概要が簡潔に示される出だしは週刊誌の犯罪ルポ記事のようで、登場人物の名前も珍しく、これが括弧付きの(仮名)感を醸し出していて妙にリアルだ。題材となる事件もシンプルなようでいて意外と複雑で、いつの間にか謎が深まっていく。実録文体で描写される「事件」がまずは主役となる。 もう一

          可燃物 米澤穂信 感想

          マリエ 千早茜 感想

          題材といい、描写といい、すぐにドラマ化できそうな上質の職人芸を堪能した。 冬の朝の室内から屋外へと移動した主人公、まりえが、森崎という男性と連れ立って役所へ向かう、二人して離婚届を提出する、というアクションから徐々に状況が見えてくる。会話と動作で状況を説明する映像的な表現だが、それにしても手際がいい。 離婚の理由とされた事情というのもおもしろい。 ここにこの作品の個性が表れている。森崎の側から切り出した離婚の理由が、まりえにも理解し難い複雑な感情であること。そして、その

          マリエ 千早茜 感想

          夏物語 川上未映子 感想

          主人公の夏子の一人語りで、彼女が小説家ということもあって、私小説的なエッセイのようにも読める。大きなテーマは生殖医療ではあるが、私はちょっと別の見かたをして楽しんだ。 夏子が書いた小説は、このように描写される。 文芸編集者の仙川は、その後、この小説はテーマではなく、文章の良さ、リズムに強い個性がある、と続ける。 この小説は別の登場人物にも読まれていく。 同業作家の遊佐からも絶賛され、その後、AIDを出自とする当事者の会で出会う逢沢も、大変気に入った様子だった。 それ

          夏物語 川上未映子 感想

          地球星人 村田沙耶香 感想

          私たちはものを考えるとき、頭の中で言語を使う。言葉を思い浮かべ、文章を組み立てては壊しながら、自分の考えを作り上げていく。このときに使う言葉を内的言語といい、このように考えることを言語的思考という。 一方で非言語的思考というものもあり、喜怒哀楽のような感情や、その時の気分、脳裏に浮かぶビジュアルなイメージ、経験からくる直感力といったものがそれにあたる。 私が本を読むときには、このようなレイヤー構造を規定して言語的思考を行なっている。 (読者=私(作者=作品(物語(登場人

          地球星人 村田沙耶香 感想

          伊藤くんA to E 柚木麻子 感想

          過去の直木賞の候補作を探っていく中で、気になった作者を見つけたので、試しにこの作品を読んでみた。初出は2013年。またしても、今、読むことで理解が深まるという、先鋭的な小説であった。だから、選評にはまるで納得できないのである。 伝わってないなぁ。 あまり興味を惹かなかった様子。 この二氏は、この作品の構造からくる欠陥を指摘しているが、私はそうは思わない。その辺りから感想を書いてみたい。 この小説は5話からなる連作短編の形を取っていて、登場人物は各話を跨って登場する。そ

          伊藤くんA to E 柚木麻子 感想

          透明な夜の香り/赤い月の香り 千早茜 感想

          『しろがねの葉』の次にこの本を手に取り、二作を続けて読んだ。ストーリーも文体も気に入ったが、魅せられたのは主人公の小川朔の人物像だ。常人離れした嗅覚の持ち主が、その能力だけを発揮して問題を解決する話ではなく、むしろ知れば知るほど彼の心の内面が謎を帯びてくる。 小川朔は、匂いを通じて相手の人物の健康状態や感情の起伏を読み取れる。それだけではなく、彼は、匂いがもたらす情報の意味に解釈を加えて、その人物の行動をも言い当ててしまう。そのように、極めて優れた嗅覚を持つのみならず、頭脳

          透明な夜の香り/赤い月の香り 千早茜 感想