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映画「流浪の月」感想

「愛」でもない、「友情」でもない・・
深い心の絆で結ばれた二人。

それは二人にしか分からない、理解されない、
悲しく切なく・・そして、
とても尊い、尊すぎる物語だなぁっと思いました!

150分という長編映画でありますが、
作品の世界に一気に引き込まれ、
あっという間に過ぎ去ります!!!

李相日監督作はすべて素晴らしいですが、
今作も映像・音楽・役者など魅力的な要素が目白押しです!!!!


上映時間:150分
制作国 :日本
公開日 :2022年5月13日
ジャンル:ドラマ・サスペンス

あらすじ・解説

雨の公園で、10歳の少女・家内更紗がびしょ濡れになっているのを目にした19歳の大学生・佐伯文。更紗に傘を差し出した文は、引き取られている伯母の家に帰りたくないという彼女の気持ちを知り、自分の部屋に入れる。そのまま更紗は文のもとで2か月を過ごし、そのことで文は誘拐犯として逮捕されてしまう。被害女児、加害者というらく印を押された更紗と文は、15年後に思わぬ再会を果たす。

解説: 「2020年本屋大賞」で大賞を受賞した凪良ゆうの小説を原作にしたドラマ。10歳の少女を自分の部屋に入れたために誘拐罪で逮捕された男が、15年後に成長した彼女と再会する。メガホンを取るのは『ブルーハーツが聴こえる』などの李相日。『一度死んでみた』などの広瀬すず、『空白』などの松坂桃李らが出演する。

引用:シネマトゥデイ

みどころ・ポイントについて


「わたしの何を知っているの?」

このセリフは主人公の家内更紗(広瀬すず)が
恋人の中瀬亮(横浜流星)に向かって言うセリフです。

主人公の更紗は、
幼い頃に誘拐された可哀想な女の子というイメージを
成長した現代でも、
世間や周りの人からずっと思われ続けられます。

恋人の亮からも
そんな更紗の生い立ちを同情したり、
可哀想な女性っというカテゴライズに括り付け
「更紗らしくないよ」っと彼女の言動を否定

そこで更紗が返した言葉が、
「わたしの何を知っているの?」

ほんとにウンザリ!
(自分に置き換えたら辛すぎる・・泣)
実際は違うのに‥。

だけどテレビの報道であったり、
インターネットなどでは
「誘拐されて洗脳された可哀想な小学生」っと
いう風に世間からイメージを植え付けれています。

デジタルタトゥーって言葉がありますが、
インターネットでの書き込みや動画などは
一生残る負の烙印であり、恐ろしい身近な存在です。

加害者だけでなく、実名報道された被害者も同じく
いつまでも偏見が付きまといます。

その事に対して一石を投じる作品でもあり、
映画だけではなく、そんな世の中が怖いなぁっと思いました。


松坂桃李の役者魂に震える!!

今作は松坂桃李さん以外にも
広瀬すずさん、横浜流星さんなど
本当に素晴らしい演技をされる役者さんに
魅了しました!!

家族がバラバラになり、性的虐待を受けて
心に影を落とした役を見事に演じられる広瀬すずさん

母親見捨てられた過去によるトラウマで、
恋人への異常な執着から、暴走していく恋人役の横浜流星さん

本当に子供の頃の広瀬すずなのでは?っと思った
子役なのに、表情や仕草にオーラを感じる白鳥玉季さん

皆さん、本当に素晴らしい!!
(ちょい役の柄本明さん、多部未華子さんも!)

だが、最も目を奪われたのは、
松坂桃李さん演じる佐伯文

役作りのために顎がどんだけ鋭角なんだよっ!笑っと
思うほどの痩せっぷり、、
10キロ?20キロ?どんだけ減量したのか・・

原作の「流浪の月」は後から読みましたが、
まさにイメージぴったりでした。

黒く沈んだ瞳、身体の中が透けて見えそうなほどの白い肌、
佇まいや仕草にいたるまで、、
「あ、文だ!」っと分かるくらいの役作り!!!!
※原作を読んで改めて鑑賞した時のこと。

いままでの役者「松坂桃李」っというイメージが
180度変わりました・・。


映像美と音楽に引き込まれる!!

今作は普通の邦画にはない映像美に
「なんて美しいんだぁ・・」っと心が奪われます!

それもそのはず、
『パラサイト 半地下の家族』などを手掛けた
韓国映画界のレジェンドのホン・ギョンピョさんが
映像監督として担当。

色彩や陰影であったり、被写界深度など含めて
素晴らしい映像に作品の魅力が更に高まります!

また、劇中で流れる音楽は
まるで環境音のような自然に入り方から
ドラマチックに作品を盛り上げてくれます。

原 摩利彦さんという国内気鋭の音楽家らしいですね。

映像・音楽においても妥協のない作品作りを展開する
李相日監督の映画を今後も注目して追いかけたいと思います!!



以上となります。
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では、また次回!


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