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流刑の神々,精霊物語 (岩波文庫 赤 418-6)


流刑の神々,精霊物語 (岩波文庫 赤 418-6)

 ドイツの有名な詩人、ハインリヒ・ハイネの著作です。
 とはいえ、本書は、詩集ではありません。エッセイです。薄い本ですので、すぐに読めます(^^)

 キリスト教が浸透する以前のヨーロッパで信仰されていた、神々や、妖精について、語られています。
 その語り口は、追われ、消えてゆく存在に対して、哀惜の念が込められています。ハイネ自身はキリスト教徒だったそうですが、にもかかわらず、「異端」の存在に対して、同情的です。

 これは、やはり、ハイネが、優れた詩人だったからでしょう。彼の鋭敏な感性は、古来の神々や妖精を、「異端」や「迷信」という言葉で片付けるのは、おかしいとしたのだと思います。

 本書には、ギリシア神話の神々や、ゲルマン神話の神々、巨人、こびと、空気の精、水の精といったものが、登場します。
 ヨーロッパの神話や伝説を知りたい方は、ぜひ、本書を読むべきですね。キリスト教に染まる以前の、原初のヨーロッパが、行間から立ち上がってきます。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

精霊物語
流刑の神々

訳者注
解説



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