ドゥームズデイ・ブック〈下〉
本書は、上下二巻の下巻のほうです。物語は、むろん、上巻から読まなければ、意味が通じません。
本作の主人公のキヴリンは、二十一世紀の英国の大学で、歴史学を学ぶ学生です。この時代には、時間旅行が実用されており、彼女は、それを利用して、十四世紀の英国へやってきました。中世ヨーロッパ社会について、学ぶためです。
着いた早々、キヴリンは、重病にかかります。下巻では、何とか、その病気から立ち直りましたが、新たな脅威が、彼女に迫っていました。
二十一世紀から迎えが来る日時に、正確な待ち合わせ場所にいなければならないのです。けれども、彼女は、病気のために、その場所を覚えていませんでした。
キヴリンは、何としても、その場所を探しださなければなりません。でなければ、二十一世紀に帰れませんから。
それには、自分を最初に発見してくれた人を見つけて、その人から、正確な場所を訊きださなければなりません。
とはいえ、中世のヨーロッパで、若い女性が、一人でできることには、限りがあります。彼女は、待ち合わせ場所を探すどころか、女子修道院に押し込められるかも知れない事態になります。
いっぽう、二十一世紀のほうでも、大変な事態が加速していました。
致命的なインフルエンザが流行し、収まる気配がありません。キヴリンを戻せるタイムマシンの技師も、インフルエンザで倒れてしまっています。タイムマシンがある大学自体が、インフルエンザのために、隔離されています。
この状態で、キヴリンは、無事に帰ってこられるのでしょうか?
と、下巻では、ハラハラドキドキが、盛り上がります。
上巻は、やや冗長な感じがするものの、下巻までたどり着けば、一気に読めると思います。
上巻に仕組まれた伏線が、下巻では、見事につながってゆきます(^^)
中世ヨーロッパに興味がある方に、お勧めします。
下巻では、後半へ行くにしたがって、当時の悲惨な状況が、明らかになります(^^;
でも、読後感は、そんなに悪くありませんでした。
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