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猫と魔術と神話事典


猫と魔術と神話事典

 猫に関する神秘的な言い伝えを、「これでもか」と集めた本です。まさに、事典ですね。
 でも、学術的な、堅苦しい本ではありません。普通の人が、楽しく読める本だと思います。

 時代的にも、地域的にも、幅広い範囲を扱っています。
 ヨーロッパ、エジプト、西アジアの話が多いです。著者が、イギリスの方だからでしょう。
 中国や日本などの東アジアや、シャム(タイ)やビルマ(ミャンマー)などの東南アジアの話も、取り上げられています。日本の化け猫騒動の話まで、載っています。

 ただし、原著が世に出たのは、一九三〇年です。二〇一三年現在では、なんと、八〇年以上も前の本なのですね。
 それゆえに、「これは、何かの間違いではないか」と思われる記述も、散見されます。日本に関する記述ですと、間違いがわかります(^^;

 とはいえ、猫の文化史としては、本書は貴重なものです。
 猫が好きな方、魔術に関心がある方には、本書は、お勧めです(^^)

 どこの地域でも、猫は、多かれ少なかれ、神秘性を持つ動物と見なされていたようです。
 だから、『猫と魔術と神話事典』なんですね。イメージの共通性が、興味深いです。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

猫のマジカルワールド
はじめに

1章 バステト
2章 セクメト
3章 シストルム
4章 猫と蛇
5章 猫とイシスの謎
6章 カルデアおよびエジプトの魔術信仰における猫
7章 フレイアと猫
8章 キリストと猫
9章 聖母マリアと猫
10章 5月の子猫
11章 穀物の猫
12章 猫と魔女集会(サバト)
13章 猫になった魔女
14章 魔女の猫と跳ね返り
15章 秘密の宗派と猫信仰
16章 生贄としての猫
17章 猫と転生
18章 寺院の猫
19章 動き出す猫の図像
20章 死者の都(ネクロポリス)の猫
21章 天国の猫
22章 幽霊の猫
23章 悪霊の猫
24章 吸血鬼の猫
25章 霊の猫、使い魔の猫
26章 死を予兆する猫
27章 猫の千里眼
28章 猫とテレパシー
29章 男根象徴としての猫
30章 お守り、魔除けの猫
31章 猫とネズミの象徴学
32章 紋章の猫
33章 猫の9つの命
34章 猫の名称
35章 マンクスの伝説

結び
索引



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