おとなり

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本サイト( http://t.co/ntf2u66MeF )よりも乱暴なことを書きます。だいたい百合についてです。書影画像は断りが無い限りは版元ドットコム( https://www.hanmoto.com/ )からです。Amazaonアソシエイトメンバー。

最近の記事

中国百合漫画『Soulmate』を読むべき10の理由(byスペインの翻訳出版会社)

※筆者注。「バイヘ」は「百合」の中国語読みです。なので、「リアルなガールズラブ/バイヘを探している人」は「リアルなガールズラブ/百合を探している人」だと思われます。  この『Soulmate』は以下のように前にブログに書きました。  そのうえで、このスペインの翻訳出版会社のPR文は納得しかありません。  この漫画は、10代の学生時代と20代の社会人時代を同時並行して描くことでレズビアンの半生を追える内容になっており、級友や家族との関係も描くことでかなりリアルに感じられる

    • 『作りたい女と食べたい女』、用語間違いのヴィーガン回でもうめちゃくちゃ

       一体どれだけやらかせば気が済むのかよくわからない『作りたい女と食べたい女』(以下、『つくたべ』)ですが、第50話という節目でサブキャラクター同士だけでヴィーガンレストランに行く回となりました。 「ペスカタリアンはフレキシタリアンともいう」なるトンデモ記述 この漫画では「ペスカタリアン」と「フレキシタリアン」はだいたい同じもの扱いしておりますが、各解説サイトを見ると以下のように記述されています。 ペスカタリアンとは フレキシタリアンとは どうして「ともいう」扱いした?

      • 何故か廃れないジャンル名「百合」の謎

         「BL」は初めから「BL」というジャンル名で存在していたわけではなく、いろいろと通り名を経て「BL」というところに落ち着いております。  「百合」にしても、「GL」という「百合」に取って代わる名称が普及したので、近い内に消えていくのではないかと私は予想していました。  が、廃れるどころか、「百合」は今や世界中で使われているジャンル名であり、まだまだ当分消える気配がありません。一体これはどういうことなのでしょうか?(というか、あっちじゃ「やおい」まで現役なんかい。) ・

        • テレビアニメ『歌舞伎町シャーロック』の思い出

           お、おーぅ…。こんなアニメあったなあということで思い出話。  確か何一つ褒めるところがなかった記憶しかないのですが、ちょっと見返してみたら、やっぱりいいところがありませんでした。テレビアニメでお馴染みの人気声優多めの出演陣なので、そこのところは良い部分でしたが、逆にそれ以外に良い部分が思い浮かびません。いっそのこと盛大に作画崩壊してくれたほうがネタになって良かったまでありますが、Production I.Gという業界内では大きめのところのアニメ会社による製作なので作画はそ

        中国百合漫画『Soulmate』を読むべき10の理由(byスペインの翻訳出版会社)

          『 響け! ユーフォニアム』は“百合”の占有物ではない。キャラ攻撃に走るのは断固反対する。(ついでに京アニ盲信を考える)

           これらは2022年のものですが、いくら男性キャラクターが気に入らなくても、誕生日を祝う投稿にまでnobody wanted thisだのshitだのsadだの、直接つけるのは常軌を逸しています。私はこのような行為に断固反対します。作品批評自体は尊重されるべきですが、キャラクターヘイトになったらそれは違うだろうと。 【参考となる投稿】 ――そもそも京アニ自体、信頼できるのか? アニメ制作会社「京都アニメーション」(以下、「京アニ」)の代表作であり、なおかつ出世作のように目

          『 響け! ユーフォニアム』は“百合”の占有物ではない。キャラ攻撃に走るのは断固反対する。(ついでに京アニ盲信を考える)

          テレビドラマ版『シンデレラ・コンプレックス』感想

          ※本記事ではテレビドラマ『シンデレラ・コンプレックス』および、原作版について、ネタバレ配慮なく書いていきます。そういうのを読みたくない方はご注意ください。  各話22~24分、全7話。2024年2月~4月にテレビ放送されました。  原作の『シンデレラ・コンプレックス』と言えば、荒唐無稽でツッコミどころ満載な漫画であり、それを地上波テレビドラマにするなんて一体どうなってしまうのかと思いましたが、意外と原作に忠実な内容でした。由良の整形や下腹部のタトゥーといった実写では再現不

          テレビドラマ版『シンデレラ・コンプレックス』感想

          『作りたい女と食べたい女』で学ぶ「無料の接待」問題

           ジェンダー問題を扱っていると話題になった『作りたい女と食べたい女』(以下、『つくたべ』)。そのなかで「無料の接待」がどう描かれたのか見てみると共に、「無料の接待」問題を改めて考えてみます。 『つくたべ』作中の「無料の接待」1.会社の飲み会  第45話にて別の部署の女性たちとの飲み会に参加した野本ユキ。しかし、会話に加われず、話に興味を持たつわけでもなくで、つまらなさそうな雰囲気を露骨に出しています。  そんな野本ユキに話が振られます。客観的に観察すると、会話に入れない

          『作りたい女と食べたい女』で学ぶ「無料の接待」問題

          読者を裏切り続ける『作りたい女と食べたい女』に #さよならつくたべ と別れを告げよう

           2024年3月29日、第49話が公開されました。以前より批判と失望の声が繰り返し上がっていた『作りたい女と食べたい女』(以下、『つくたべ』)の問題点は改善されるどころか深みにハマる一方です。特に5巻以降が顕著です。 後期『つくたべ』の問題点・改善されない絵の劣化  よく見ると4巻のあたりから既にその兆候はありましたが、第5巻収録分からは絵の劣化があまりにひどいです。 ・体調不良説を自ら吹き飛ばす政治活動  3つめのフラッグを抱えているキャラクターは過去作のメインキャ

          読者を裏切り続ける『作りたい女と食べたい女』に #さよならつくたべ と別れを告げよう

          “正しい「百合」”論の雑感と、女性同性愛者明言について

           最初「~~~~な記事がありまして…」みたいな感じで元記事がどれかをボカそうかと考えたのですが、元記事がどれなのかちょっと探せばすぐわかるのにそういうことをやると返って感じが悪くなるので、本記事ではあえて元記事を明示します。(元記事の筆者が商業作家の著名人である点も考慮に入れました。)  個人的には、自身の恋愛感情がわからないから百合を扱っているというスタンスに何とも言えない虚脱感があるので触れたくはないのですが、勘違いする方がいるかもしれませんので、個人的な観測範囲をもっ

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          『作りたい女と食べたい女』の「同性カップルは家を借りられない」について

          (※この記事は以前ブログに書いた上記記事と内容がかなり被ってしまいました。その点はご容赦ください。)  テレビドラマ『作りたい女と食べたい女』(以下、『つくたべ』)終盤で同性カップルの極度に悲観的な住宅事情が描かれました。テレビドラマ版は原作にはないオリジナルシーンが多いのですが、当事者不動産屋へ足を運んだ第29回はだいたい原作通りの内容です。  テレビドラマ版は原作以上に入居希望の条件に触れておらず、「同性カップルだから相談することすらできないんだ」と非常に雑な理屈をぶ

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          ドラマ『作りたい女と食べたい女』第27~30話(終)原作改変&改悪メモ

           最終週ですが、特に良かった原作からの改変は思いつきませんでした。何なら、最終週が最も原作をひどくいじったように感じます。 第27話 「この一軒家ひろ~」「5LDK…。部屋が余りますね」  冒頭から、このよくわからないやり取りは一体何の意味があったのでしょうか。そりゃ一軒家なのだから広いのは当たり前でしょう。本当に住むつもりがあるわけではないのでしょうけど、ただの雑談にしては違和感がすごいです。 第27話 不動産屋で今更離れた席の人に聞こえるのを気にしだす  不動産屋

          ドラマ『作りたい女と食べたい女』第27~30話(終)原作改変&改悪メモ

          ドラマ『作りたい女と食べたい女』WEB記事がおかしすぎるメモ

           初めに書いておきますが、商業メディアに掲載されるテレビ番組レビュー記事なんて100%提灯記事であり、ライターもそれでお金をもらっています。利益関係がある以上は当然のことであり、ライターが全肯定するのは当たり前であります。世の中はそれで回っているのですから、そういうものなのです。それは承知の上で本記事を書いていきます。  上記記事は2月20日の公開で、ドラマ『作りたい女と食べたい女』(以下『つくたべ』)の第24回放送日時の公開記事です。  目を通してみた時に非常に驚いたの

          ドラマ『作りたい女と食べたい女』WEB記事がおかしすぎるメモ

          ドラマ『作りたい女と食べたい女』第19~26話原作改変&改悪メモ

           NHK夜ドラ『作りたい女と食べたい女』(以下『つくたべ』)シーズン2の放送も第25話の放送を終え、最終週を残すまでとなりました。  以前にも書いたとおり、シーズン2はドラマオリジナルが多くなっており、その分ドラマ制作陣の実力もより見えてくるでしょう。  特に、医療診断を受けるシーンは、客観的な話ばかりしてやたら冷たい様子の原作の精神科医から、患者に寄り添えるタイプの医師に改変がされました。原作の描写だと当事者を医療から遠ざけかねない問題のある表現だったので、その点は良い

          ドラマ『作りたい女と食べたい女』第19~26話原作改変&改悪メモ

          ドラマ『作りたい女と食べたい女』第11~18話原作改変&改悪メモ

           NHK夜ドラ『作りたい女と食べたい女』(以下『つくたべ』)シーズン2の放送が、全5週中、2週目まで放送されました。  シーズン2は原作ストックが足りていないためシーズン1よりも改変が多くなっています。会食恐怖症の原因を学校の完食指導に変更するような良い改変もありましたが、残念ながら改悪と呼ぶべき改変も目につくように感じます。最後まで見てからだと前半などは忘れていそうなので、そのあたりをメモ書きとして今のうちに記録しておきたいと思います。 各話改悪点第11話 「物価が高い

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          4話まで見たけども、『チェイサーゲームW』は差別全開で何故放送を許されてるのか理解ができない

           レズビアンドラマの肩書で始まったドラマ『チェイサーゲームW』ですが、いざ蓋を開けば、女性蔑視がひどいわ、中国の取り扱いも最悪だわで、レズビアンどうこう以前の最低最悪ドラマでした。 問題点①怒涛の女性蔑視・絵に描いたような性役割規範の強化  第4話とかが顕著ですが、「育児・家事をしっかりとこなせない女はだらしない!」みたいなノリで話が進みます。こういった旧来的な性役割を強化する表現は公共のポスターなどで「やめましょう」みたいな行政の注意喚起もあるのですが。 ・女の敵は女

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          『作りたい女と食べたい女』(原作)とアセクシュアル ―『ACE アセクシュアルから見たセックスと社会のこと』―

           『作りたい女と食べたい女』(以下、『つくたべ』)がアセクシュアルレズビアンを扱ったことが英語圏で好評となっているようです。日本での反応を遥かに上回る勢いで話題です。  それで、本記事のサムネイルに書影を使用している『ACE アセクシュアルから見たセックスと社会のこと』を手に取ってみたのですが、おそらくですが『つくたべ』はこの界隈の思想が気に入って、アセクシュアルに手を出したように感じさせます。  もちろん『ACE アセクシュアルから見たセックスと社会のこと』は2023年

          『作りたい女と食べたい女』(原作)とアセクシュアル ―『ACE アセクシュアルから見たセックスと社会のこと』―