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『呼吸をふわっと整える』という本のシステマっぽさ

整体師の片山洋次郎さんの本を読んだら、いろいろシステマっぽかったので覚え書きを。深い呼吸→リラックス→いい姿勢、などは共通点としてそうだろうなと予想できましたが、意外なところでも似ているんだなと。

個人的に気になったのは3点
・微笑むと、みぞおちなど体がゆるむ
・触れていないのに被施術者の体が反応して動く
・自分と外の空間の境目がなくなって溶け込んでいくという感覚について

まずは、微笑みについて。システマのインストラクターを見ていると、例えば大西さんなど対人ワークでコンタクトする時にニカッと笑顔になっているのが印象的だったのですが、微笑むとゆるむ=リラックス、という面があるんだなと改めて思いました。トレーニングしている時も、思考にとらわれている時は表情が固くなってしまうし、表情にもゆとりのあるなしが如実に出るなと。

二つ目は、被施術者に触れる前に、施術側の手と身体がふわっと何かに包まれたような感覚になったり、触れる前に相手の身体(背骨など)が動き出したりすることがあるということ。システマでいう、ノンコンタクトワークに似ているなと。トレーニングでは、コンタクトもノンコンタクトも同じことが起きていて、実際に触れなくても相手をキャッチすることが重要(全身のセンサーで相手の全身をとらえるみたいな感覚)というのをよく言われます。この感覚がつかめるている時は、相手との一体感というか、自分が動くことで状況が変わって相手に影響が出る、というのを感じられます。なかなか難しいけれど。

そして三つ目の感覚について。

リラックスして安心しているときは、身体は周りの空間に溶け込んで、”通じ合っている”ので、身体がそこにあること自体意識されないのです。

人間の意識のあり方の特徴の最たるものは、おそらく、自分の身体を外側から意識することだと思われます。(略)外側からの目線を解除して、内側から伸び伸び広がる体感に切り替えてみましょう。

これも、システマと似ているところが多いと感じます。トレーニングでは「自分と周りの境目をなくす」「『開く』は、外側を開くと思いがちだが、そうではなくて内側を開く」とよく言われます。私の解釈では、自分と相手・周囲の空間に境目(壁)を作ると、自分の心と身体が閉じてしまうので相手とコネクトできなくなるのかなと思います。そして、「開く」と言われた時に、胸を張ってふんぞり返るような格好になってしまうけど、それはテンションで身体を動かしているだけなので、そうではなくて、外から見ると何も変わっていないように見えるけれど、身体の内側が開くことでリラックス・パワー・充実感で身体全体が満たされている感覚というか。

難しいのは、外側から見る俯瞰の目線もないと自分を客観視しがたい点。外から見るけど、内側から伸び伸びと、ぐわぁーっと広がる感覚。

私は運動が苦手なのですが、そんな自分が、ぎこちない動きながらも自分の身体の一つ一つを受け入れながら、自分を再発見していく過程がシステマのトレーニングなのかな、とふと思いました。そんなことを考えました。

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