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ニューヨークのオーラルケアグッズ事情

アメリカ社会は、歯並びの良さや歯の白さが、その人自身の評価につながることが多々あります。また、歯科医療費が日本よりもかなり高額で、医療保険も高いことから、オーラルケアを大事に考える人が多い。私自身も、ニューヨークで暮らして痛切に感じていることです。

今回は、そんなオーラルケアのベーシックアイテムである歯ブラシと歯磨き粉を、パッケージ目線で改めて見直してみました。

歯磨き粉の容器の主流は、キャップを下向きにして立てて置くスタンドタイプ

写真:ベーシックなのは、キャップを下向きにして立て置くスタンドタイプ。

いくつかのメーカーの歯磨き粉を、中を見ずにパケ買いしてみたところ、ほとんどがキャップを下向きにして立て置く、スタンドタイプでした。写真左側の3つはファーマシーで購入した老舗大手ブランドのコルゲート社の製品。右側3つは、ホールフーズで購入した自然派メーカーのものです。オレンジのキャップはスクリュー(外す)タイプですが、他は全部開閉式のキャップでした。

今も昔も変わらないファーマシーのディスプレイ棚に合わせたニューヨークの大手ブランド、コルゲートのパッケージとブランディング

写真:大手ブランド「コルゲート」の商品が、ディスプレイ棚の大部分を占めている。

ニューヨーク発、老舗大手ブランドのコルゲートは、ファーマシーやスーパーマーケット、個人経営のグロサリー・ストアなどに、なくてはならない存在。赤がテーマカラーのコルゲートの他にも、オーラル社、クレスト社といったアメリカの大手ブランドの製品もありますが、大きなファーマシーのディスプレイ棚を占領すること=店内に並んでいる歯磨き粉や歯ブラシ製品の種類の多さが、このブランドへの信頼を示している=ブランディングになっているように感じました。

写真:カラフルなパッケージ。歯ブラシ本体も、日本の製品より色鮮やかです。

コルゲート社の歯ブラシのほんの一例です。左3つはパッケージ表面がフラットなタイプ。右二つは後ろ側がフラットなタイプです。どちらのタイプがディスプレイ的に見栄えがいいか、ディスプレイしやすいかは、正直なところ判断がつきにくいですが、表側がフラットな商品の方が、解説が入れやすいのだなと理解しました。

写真:パッケージを裏返してみた写真。

後ろ側がフラットな方は紙の台紙。商品の取り出しは、紙のタイプは切り取り線が大雑把で、きれいに剥がしにくいのに対し、表がフラットなタイプは矢印表示も親切で、完璧とは言えませんが製品を取り出しやすかったです。以前はハサミがないと取り出せないくらい消費者に不親切なパッケージが多かったので、この進歩には目を見張るものがあります。

写真:目に留まるパッケージ。

真ん中の歯ブラシのパッケージが他とは違う趣があったので観察してみると、商品が収まっている台形型のプラスチック製カップの内側がシルバーになっており、それが鏡のような役割でブラシ部分が立体的に見えます。色も、ブランドカラーの赤と、他で使用していないパープルを起用した点が、目に留まった理由です。

写真:横置き使用のパッケージデザイン。

歯磨き粉の外箱のプリントは、すべての面が横置き使用。ディスプレイ棚も、商品を横向きにしか並べられない段幅になっています。これはどのファーマシーでも同様でした。

写真:商品のパッケージは、キャップに親指をひっかけて開けるデザイン。使いやすく、そして立てやすい。

写真:外箱がないタイプの製品。

他に目に止まったのがこのパッケージ。コルゲートをはじめ、他の大手メーカーで最近見かけるようになりました。外箱がないタイプです。ディスプレイ棚の高さにも対応しており、目立っていました。少量でも使用感が良い製品で、ゴミ問題もあることから、将来広がっていくパッケージ商品になりそうです。

エコ&ナチュラルな自然派ブランドのパッケージとブランディング

写真:自然派のブランド製品が縦置きで陳列されています。

ホールフーズやコープといったエコ&ナチュラルのポリシーを持ったショップには、自然派のブランドの種類が豊富です。コルゲートは売っていません。売り場について、気がついたのが、歯磨き粉のディスプレイが、ファーマシーと違って、縦置きということ。また、自然派ブランドの外箱は、縦用・横用両方のディスプレイに対応できるようにパッケージがデザインされています。歯ブラシはフックに掛ける対応になっていますが、選択肢があまりありません。

写真:各社縦置き用のパッケージプリント面。

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