さにさ

3食カレーでも大丈夫な方の人類です。

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  • 感情の短編小説

    ひととひとの間に生じた感情に関する短編小説です

記事一覧

みんながみんなインスタに夕焼けの写真をあげてるから、今日の夕焼けの全てが切り取られてそこにしまわれているのかな、と思っている

さにさ
5日前

4つ隣の部屋で火事が起き、ひと部屋丸ごと燃えた

火災については死者・怪我人なし、アパートの一室が全焼。 これを書いている自分は、持ち物も全て炎からは免れました。部屋はいまだにすこし焦げ臭い気がします。 火事か…

さにさ
3か月前
1

備忘録

2023/8/18 ガリガリ君が小さくなったのか、自分が大きくなったのか分からないけど、子どもの自分には過ぎた大きさだったのでいまが1番ちょうどいい 大人になったな 2023/…

さにさ
5か月前

通勤アイス【短編小説】

ふと顔を上げると、同僚が背中を丸めて歩いていた。 去年、中途で入ってきたばかりの彼女は、毎日きっかり始業1分前にタイムカードを切る堅実な社会人だ。 だから、こんな…

さにさ
7か月前
1

広島へ

1日目早起きは出来ず、7時くらいにふらっと家を出る。 寝ぼけ眼の母はマスクを渡して、ふわっと手を振って見送ってくれた。 通勤ラッシュよりほんの少しだけ早い電車は、…

さにさ
9か月前
7

ゴジラは見ている【短編小説】

先輩の右耳にみっつのピアス、そのうちのひとつはよーく見ると微妙に不自然な場所にある。 先輩のピアスは、広めの耳たぶに三角形。 ふたつは耳たぶのラインに沿って上下…

さにさ
1年前
3

615 【短編小説】

吉祥寺駅北口の鳥貴族でしこたま飲んだ帰り道。 白い息を吐きながら、こいつは男と電話をはじめた。 無事に帰れるか、見守るためだけに後ろをひょこひょこついていく。なん…

さにさ
1年前
3

みんながみんなインスタに夕焼けの写真をあげてるから、今日の夕焼けの全てが切り取られてそこにしまわれているのかな、と思っている

4つ隣の部屋で火事が起き、ひと部屋丸ごと燃えた

4つ隣の部屋で火事が起き、ひと部屋丸ごと燃えた

火災については死者・怪我人なし、アパートの一室が全焼。
これを書いている自分は、持ち物も全て炎からは免れました。部屋はいまだにすこし焦げ臭い気がします。

火事からしばらく経ちました。この火事は特にニュースにもなっていないようです。当日〜翌日に書いたメモが残っていたので、若干修正を入れ、基本その時に書かれたものをほぼそのまま出しました。

・深夜1時ごろ

・シャワーから出ると、浴室の外からアラー

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備忘録

備忘録

2023/8/18 ガリガリ君が小さくなったのか、自分が大きくなったのか分からないけど、子どもの自分には過ぎた大きさだったのでいまが1番ちょうどいい 大人になったな

2023/8/23 よく考えたら、スペースXの時点でもうTwitterが Xになる布石が打たれていたんだな

2023/8/28 東京に住んで30年近くになるのだが、いまだに豊島園と後楽園がごちゃごちゃしている

税理士が就いていな

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通勤アイス【短編小説】

通勤アイス【短編小説】

ふと顔を上げると、同僚が背中を丸めて歩いていた。

去年、中途で入ってきたばかりの彼女は、毎日きっかり始業1分前にタイムカードを切る堅実な社会人だ。
だから、こんなにも早い時間に、こんなところを歩いているはずがない。
しかし、ピッと張ったクリーム色のワイシャツ、小さめの紺のリュック、揺れる低めのポニーテールは、確かにあの同僚に違いない。

今日みたいな特に眠くて気怠い朝に、普段は仕事外で殆ど話さな

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広島へ

広島へ

1日目早起きは出来ず、7時くらいにふらっと家を出る。
寝ぼけ眼の母はマスクを渡して、ふわっと手を振って見送ってくれた。

通勤ラッシュよりほんの少しだけ早い電車は、その分だけ呼吸が楽にできるほどの余裕があった。
席に座れた幸運なサラリーマンの小さないびきが聞こえる。
動物にぶつかったらしく遅れている電車。本当にここは東京なのかと笑い合う声が響く。



東京駅に着く。工事中の構内を彷徨いつつ、東

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ゴジラは見ている【短編小説】

ゴジラは見ている【短編小説】

先輩の右耳にみっつのピアス、そのうちのひとつはよーく見ると微妙に不自然な場所にある。

先輩のピアスは、広めの耳たぶに三角形。
ふたつは耳たぶのラインに沿って上下に。
そして、その不自然なもうひとつは、その2点の垂直二等分線の上、耳たぶと顔のラインの境界ギリギリくらいにあいている。

普通は耳たぶに沿ってみっつ仲良く並ぶんじゃないのか?
普通と言っても、私はピアスをあけたことも、ピアスをバチバチあ

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615 【短編小説】

615 【短編小説】

吉祥寺駅北口の鳥貴族でしこたま飲んだ帰り道。
白い息を吐きながら、こいつは男と電話をはじめた。
無事に帰れるか、見守るためだけに後ろをひょこひょこついていく。なんと滑稽なことだろう。

昔々、自分でも思い出したくないほど昔、タバコを吸っていたことがあった。
そんなことを呟いたら、私もタバコ吸ってみたいだなんて酔った勢いで言われた。

若かりし自分はイキリにイキってピースの青箱を吸っていた。
今でも

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