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野球観戦に行っても思考を巡らせてしまうのです。

久しぶりにスタジアムに野球観戦に行った。

野球観戦に来たのはいつぶりだろうか。前回は子どもの頃、もはや大昔だったような気がする。いや、私が忘れているだけかもしれないけど。

友人たちと一緒に行くことになっていたが、それぞれが仕事後に到着することになっていたので、各自で座席まで向かい、座席にて集合することにしてあった。

久しぶりに野球スタジアムに訪れたこともあって、その圧倒的大きさと広さに気後れしてしまった。いや、もちろんそういう大きさであることはわかっていたはずなのだけど、改めてこの場に来るとそれを実感するのだ。

入場受付をして自分の席を探そうとして、QRコードチケットに書かれているナンバーと同じゲートに行ってスタッフに聞いてみたら、「違います、向こうの方です」と言われた。

よく見ると、ゲートのナンバーは同じでも、スタンド席なのか、ウイング席なのか、みたいな形で、席の形状を意味するワードによってもエリアが分かれているので、別の場所を指し示しているのだということに気づかされた。

私はこういうとき、いつもは自力で比較的うまく目的地にたどり着ける人間なのだけど、今回は2回チャレンジして、2回とも「ここではない」と言われ、3回目でやっと正解のエリアに辿り着いた。

1つ言い訳をするとすれば、1回目に聞いたスタッフが指し示した方向とは別の方向に行くのが正解だったので、そこは私の責任ではないと思う…。

さて、こういうスタジアムに来たときに想起される私の一番最近の記憶は、今年の3月に行ったアメリカ・ヒューストンのNBAスタジアムでの記憶だ。あのときも、自分の野球観戦の記憶と重ねたり比較したりしながら、いろいろと考えたことがあった。

やはりアメリカNBAと比べると、日本の野球観戦は元気はあるが落ち着いていてマナーがあるなと思った。

アメリカではとにかくジャンキーなフードを食べ散らかしているような(言い方が悪すぎる)印象を受けたが、それに比べれば圧倒的にみんなお行儀よく食べながらほどよく楽しんでいる。ブーイングなどもなく(これは試合によるか)、単純に自分のチームをしっかりと応援する雰囲気があった。

それ以外に気になった全く異なる文化があるとすれば、「ビールの売り子」の存在だ。

これは日本特有のものなのだろうか?NBAには無いけど、メジャーリーグの方にはそういう文化はあるのか?

知識が無いのでわからないが、少なくとも、彼女たちをハッキリと見て、その存在を意識したのは久しぶりだ。

確かに可愛らしい子たち揃いだなぁと思って、誰かを呼び止めて頼んでみようかと思ったりもしたが、なんだか気恥ずかしくなってやめてしまった(私はそんなに奥手だったっけ?)。

目の前に座っていた中年男性数人のグループが頻繁にビールを購入していたのだが、彼女たちのお客さんへの対応を見ていると、やはりその対応は熟練者のそれだった。

ある売り子の1人が彼らの前にやってきてカップを取り、サーバーでビールを注いでいる片手間に、ビールの方を見ずにPaypayのQRコードを彼らに提示し、その読み取りと購入がちょうど終了するくらいのところでカップの2/3程度が既に注がれていて、最後にサーバーをカップ内でグルグルと動かすことによって泡を生成し、カップにピッタリ注がれた状態で渡す。

私はここに、何か不思議なものを見た気がした。

こうした光景は、おそらく戦後のいつかからもう何十年も前から続いてきた光景なのだろう。それが、日本の野球スタジアムにおける風物詩(合ってる?)と言えるくらいに定番化しているのだ。

この仕事はおそらく、絶対に機械化されない仕事だろうな、とも思った。おそらく購入者たちは、彼女たちのサービングそのものの価値も含めて飲料を購入している。やはり、ある種アイドル的なビジネスである。握手会のCDが、ビールに代わったようなものだ(時代感的には逆か?)。

また、売り子を務める側についても、大いに個人の適性が関係する仕事だなぁと思った。アイドル的振る舞いをするのに向いている人がこの世界に確かにいる、と私は実感している。それは、アイドルという仕事についていなくても、誰に対しても分け隔てなくコミュニケーションやリアクションを返すことが、無意識的にできる才能を持つ人間を、自分の周辺でも何人か見たことがあるからだ。

結局、野球を観に行ったのに、それ以外のこともたくさん考えながら観てしまった。

でも、見に行った試合はこちらサイドの勝利で終わる良い試合だったので、久しぶりの観戦を楽しく終えられてラッキーだった。

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