pH7

視覚表現と言語表現を架橋する活動を展開するコレクティブ。詩歌とそれを載せる媒体を総体と…

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視覚表現と言語表現を架橋する活動を展開するコレクティブ。詩歌とそれを載せる媒体を総体としてデザインした詩集=物体を制作し、書店等を通じて販売している。近作は『pH7.3 字・窓』(2023)。メンバーは、片田甥夕日・伊澤椅子・片山嵐大郎。2022年秋に結成。

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  • お知らせ

    pH7の活動に関するお知らせ記事です。

  • Archive:pH7ことのしだい

    pH7がこれまで制作した作品やワークショップのそれぞれについて、完成に至るまでの思考や手法をまとめた文章、作品画像等をまとめています。 同じ目的でこれまで『しだい』という小冊子を作成し頒布してきましたが、その内容に少しずつのアップデートを加えつつ、note上にも公開していきます。

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About us

はじめまして。pH7(ピーエイチセブン)と申します。 私たちは、デザインと詩という一見相容れない二つの領域を軸として、視覚表現と言語表現を架橋する活動を展開しています。 その基盤として、半年に一度開かれる東京での文学フリマを目安に、詩歌とそれを載せる媒体を総体としてデザインした詩集=物体を制作しています。加えて、詩にまつわるワークショップやパフォーマンス、展覧会のレビュー等を行っています。 CV(活動一覧)Works(詩集=物体) 『pH7.1 詩情的状況』(2022

    • 「豊嶋康子を詩に翻訳するワークショップ」を開催します

      3月3日(日)東京都現代美術館にて、pH7によるワークショップを開催します。 以下のホームページで詳細が発表されています。 上記の通り、事前申込制ですが、空きがあれば当日でも参加できます。 奮ってご参加ください!

      • (千字書評)石田圭子『美学から政治へ──モダニズムの詩人とファシズム』

        本書は、一見ファシズムに対立すると思われるモダニズムの詩人たちが、実のところファシズムを準備していた、あるいはファシズムに心酔する結末に至った理路を、詩(文学作品)と政治における「ゲシュタルト」を核として明らかにするものである。 詩におけるゲシュタルトの根本的な問いとは、いかにしてある言葉の連なりが「一つ」の「詩作品」として認識され、成立し得るのかというものである。単なる各要素の合算ではない、各要素に還元されてしまうことのない、言葉とイメージの結合がもたらすゲシュタルトとし

        • 詩の荷ほどき(前編)

           中島敦『文字禍』で老博士は、一つの文字を構成する複数の線の総体が、さらにそれらと音の組み合わせが、なぜ一つの文字として統合されるのか、という問いに打ち当たる。文字をじっと観察すれば、一つ一つの線を順番に把握し、全体を線の組み合わせとして分析することができる。しかしその線の総体は、文字として認識される文字とは、もはや同じとは感じられない。その隔たり、文字が文字であることの必然性/偶然性にこそ、「文字の霊」が見出される。  老博士の経験はもちろんゲシュタルト崩壊という言葉で説

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        • (千字書評)石田圭子『美学から政治へ──モダニズムの詩人とファシズム』

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          セツジツ祭

          セツジツ祭日付:2023年6月10日、11日 天気:晴れ、くもり時々雨 場所:ニシイケバレイ(西池袋) 概要 6月10日・11日に西池袋のニシイケバレイで開催された「セツジツ祭」で、pH7は詩のワークショップを行った。 成り行きとしては、またしてもアラマホシ書房に誘ってもらい、「セツジツ祭」というセツジツな人たちのためのお祭りを共同で企画することになった。アラマホシ書房が活動を通して出会ってきたセツジツな人たちが、各々のブースで物を売ったりワークショップを実施したりす

          セツジツ祭

          アクション・ポイエーシス - YBS Vol.1

          日時:2023年8月20日 21時40分~22時20分 場所:青山蜂(渋谷) スマートフォン、パソコン、プロジェクター、モジュラーシンセ、マイク、スピーカーを用いたパフォーマンス(30分) 出演者:pH7(筆記)、高田丈(発声)、もんな(演奏) 解説課題 私たちに何かと仕事を振ってくれるナカムラソラ氏から、新たなプロジェクトを始めると連絡があった。ブックディレクターであり本を愛する彼は、クラブの愛好家でもある。新たなプロジェクトとは、その二つを掛け合わせたもの、つまりクラ

          アクション・ポイエーシス - YBS Vol.1

          pH7.1『詩情的状況』

          紙、布 16ページ 42.0cm×59.4cm(A)、50cm×50cm(B) 2022年11月19日発行 pH7の第一作。詩のpHジャンプが起こることを期待して、詩の滴定を行っていくpH7のメインシリーズ。タイトルである「詩情的状況(コンディション)」は、現在の言語をめぐる状況(condition)において、何に詩情を感じるか、何が詩を詩たらしめるのかという条件(condition)を形式的に思考する試みを表している。このようなテーマが浮かんできたのは、伊澤椅子と片田甥夕

          pH7.1『詩情的状況』

          pH7.3『字・窓』

          書籍(糸かがり綴じ) A5版46頁 14.8cm×21.0cm×0.8cm 2023年11月11日発行 ギャラリー解説背景 枠づけという問題意識は、わたしたちの活動の根本にある。枠は言語表現に限らずあらゆる視覚経験を強力に条件づける存在であり、特に詩歌においてページ内には、制作者と受容者のほとんど意識されない暗黙の了解にもとづいて、枠のもたらす効果が密輸入されている。密輸入と言ったのは、詩歌を搭載する文字列は純粋な記号として考えられがちだからである。例えば音のタイミングと

          pH7.3『字・窓』

          pH7.2『嬉しき玩具』

          紙(N式箱) 7.9cm×7.7cm×7.9cm ギャラリー解説作品とゲシュタルト 2号めとなる作品を構想するにあたり、引き続き詩の条件を問い続けるという方向性は変わらなかった。この間に繰り返された話し合いでは、主にジャンル間の翻訳という問題を扱っていた記憶がある。青柳菜摘氏の小説と詩をはじめ、ある創作を異なるジャンルに移し変えることは可能か。短歌を現代詩に変換することは可能か。絵画を写真に、彫刻を演劇に?この問題は直接的には、後のワークショップ「文体収集」に受け継がれる

          pH7.2『嬉しき玩具』