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超短編3篇 sideA B C| 「好き」と言えない女たち

A子の場合

 なんかね、あなたを見ているとき、心の中を覗かれてしまうのがこわくて、冷たい視線を向けてしまうの。本当は心の中が沸き立っているのにね。
 あなたを見ても何も心が動かないような素振りを見せてしまう。おし殺した私の気持ちを本当は理解してほしいのにね。
 あなたはきっと私の気持ちに気づいているはず。なのに、あえて何も言わない。私のことが嫌いなのかな?それとも、ただの照れ隠しなのかな?
 もしかしたら、私に無関心なのかもしれない。けれども、それはどうでもいいの。私があなたのことを「好き」でいる限りは。。。 


B子の場合

 いちいち「好き」なんて言わなくても、雰囲気を感じとってほしいんだよね。
 もしも女の子の内面を想像できない人ならば、私の「スキ」っていう気持ちが消えてしまうかもよ。
 私のこと、高飛車だと思う?
 そう思うなら思ってもいいけれど、それじゃ私とは付き合えないよ。
 私は別にあなたと付き合わなくても生きていける。だけど、あなたのことは大好きよ。ねぇ、こっち向いてよ。


C子の場合

 自分の気持ちが、自分にも分かるくらいならば、苦しんだりしない。たぶんあなたのことは好きなんだろうけど、ホントに好きなのかどうか、私にもよく分からないの。
 あなたとキスしたいとか、それ以上の関係になりたいとか、そういうハッキリした欲はないの。
 ただ、あなたが、他の女の子と話したり、笑ったりしている光景を目にすると、胸が締め付けられるような感じになる。
 あなたといつも笑っている女の子は、私の大親友。彼女のことが嫌いじゃない。私は彼女のことが好き。
 でもあなたと話してるときの彼女は、いなくなってほしい、なんて頭をかすめるときがあるの。
 自分でも「頭おかしい~」って思うけど、止められないの。感情が理性を飛び越えていくの。


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