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「世にないものをつくりたい」会社と個人、二軸で挑む映像制作ーー伊藤広樹さん

大人になっても、やりたいことに挑戦できていますか?

今回お話をうかがったのは、映像会社である株式会社nagiで代表をされている伊藤広樹(いとうひろき)さん。

伊藤さんは会社の経営をされながら、映像の個人制作でクリエイティビティを発揮する挑戦をはじめています。二軸での映像制作がどのように動き出していったのか、そのきっかけ・現在、みつめている未来についてうかがいました。

※この記事は、NPO法人ETIC.(エティック)のアントレプレナーシップ・トレーニングプログラム「PLAY!」の修了メンバーの皆さんのインタビューシリーズ、第5回目となります。
今回は、PLAY!事務局で情報発信を担当しているシェリー(遠藤さくら)がお届けします。

1.行き詰まっていた個人の映像制作

シェリー:伊藤さんの自己紹介をお願いします!

伊藤:伊藤広樹です。小さい映像系の会社の代表をしています。趣味でテニスと書道、釣りを楽しんでいます。エティックとの関連でいうと、2016年くらいにMAKERS UNIVERSITY(エティックの運営する若手起業家育成プログラム)2期に参加していました。

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(伊藤さんが昨年始められた書道!)

シェリー:もともとはどんなことをやりたいと思っていましたか?

伊藤:自分でものづくりをしたいという願望がありました。PLAY!に参加する前は、現在は代表をやっている映像会社に勤めていたので、仕事で映像制作はしていたのですが、それとは別に自分の作品をつくりたいと思っていました。
実際に自分で作品をつくりはじめてみても、ダメなところばかりに目がいったり、そもそも自分は何がつくりたいのかがわからなくなったり、そういった葛藤の中で長く続かないことがありました。またアーティスティック・クリエイティブなものをつくりたいと思いつつ、流行に影響されてしまう自分もいました。
このような課題感から、一人で考えるよりも誰かと話した方が自分の考えを深められるのではないかという思いをぼんやり抱くようになりました。

シェリー:伊藤さんはどういうきっかけで映像に興味をもったのですか?

伊藤:以前クラウドファンディングの会社で働いていたときに、映像に興味をもちました。いろいろな団体さんがクラウドファンディングに挑戦する際、プロジェクトを広める手段としてSNSを使います。各団体のSNSに拡散力があればいいのですが、その力がなかった場合、お金を集めることができない現状がありました。世の中には素敵な挑戦が数多くあるのに、SNSが強い団体でないとチャレンジできないことに疑問を抱いていました。
そんな中、プロジェクトを広めるために思いついたのが「映像」でした。クラウドファンディングのページは文章と写真だけなので、もしそこに映像があれば、よりプロジェクトに関心を持ってくれる人が増えるかもしれない、もしくは話題性を産むかもしれない。そんな手段的なところから映像への興味がはじまりました。

そこからは紆余曲折ありながら、最終的に今の映像の仕事に行きつきました。前職では、北海道の700人ほどしかいない村で、パン屋さんとゲストハウス、スナックを経営していました。都会の喧騒から離れてのんびり自分と向き合って過ごしたいと思っていたのですが、田舎なので逆に人との関係が密になってしまいましたね(笑)

シェリー:伊藤さんは様々なご経験されていますね。そのチャレンジ精神はどこから湧いてくるのですか?

伊藤:チャレンジ精神があればもっといろいろなことに挑戦していると思うので、自己評価的にそんなことはないです。でも、楽しみたいっていうのはあるかもしれません。結構飽きっぽい性格なので、チャレンジ精神というよりも面白いことを舐め回していくというか、表面だけ触れていくようなところはありますね。

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(伊藤さんが制作された映像の一コマ)

2.向き合いづらい自分を受け止める

シェリー:あらためて、PLAY!に参加した経緯を教えてください!

伊藤:所属している会社がソーシャルセクター向けの映像をつくっているので、その業界自体と関わっていく必要があると考えていました。エティックはソーシャル起業家の輩出やコミュニティづくりをしているので、当時の会社の代表にエティックのプログラムへの参加を推薦していました。結果、会社として参加することはなかったのですが、エティックのホームページ経由でPLAY!を見つけ、面白そうだと思い、個人で参加することにしました。

シェリー:具体的に変わったことはありますか?

自分の仕事や普段の生活も含めて、常に変化はしていると思っています。
ただその中でもPLAY!を通して変化したと思うのは、自分の向き合いづらい部分に向き合えるようになったことですね。例えば、世の中では「社会に貢献をしたい」「役に立ちたい」という思いは良く見られる反面、「お金持ちになりたい」「有名になりたい」などの利己的な思いは大っぴらには言いにくい風潮があると思います。そういった自分の中にあるエゴ的な感情を素直に受け止められるようになったのは、コーチングのおかげだと思っています。飽きっぽくて続かないのもそうですし、自分の弱いところやネガティブに捉えていた部分を認められるようになりました。自分にとって不都合なことは無意識に遠ざけていたので、そこを佐々木コーチから「それってどういうことなの?」「それってどういう理由なの?」と掘り下げていただいたのは、自分と向き合うよいきっかけになりました。

シェリー:自分の向き合いづらい部分と向き合ってみて、いかがでしたか?

伊藤:現実で起こっていることはすぐには変わらないですが、考え方が変わったので、これから長期的なスパンで変化がでてくるかもしれません。6ヶ月コースを終えて、現在延長というかたちで2回目の6ヶ月コースを受けているのですが、1回目よりも2回目の方がより行動に落とし込めていると感じています。それは1回目でしっかり自分と向き合ったことの賜物だと思います。

シェリー:具体的にはどんなアクションをされましたか?

伊藤:PLAY!に参加した当初は、仕事ではなくプライベートな制作活動にフォーカスしてアクションを進めたいと考えていました。しかしコーチングを通して、意外にも会社での映像制作への向き合い方が整理され、相対的にプライベートな映像制作の方向性が見えてきました。「会社でのクライアントありきの映像制作」と「プライベートの映像制作」、この二軸が自分の中ではっきりと区別されたことで、会社では代表になって納得感を持った仕事ができていますし、プライベートでもまだ世の中にないオリジナリティのある作品を生み出す意欲が湧いています。今後はより、プライベートな制作に力を入れていきたいと思っています。

PLAY!の収穫としては、「自分は一つであるべき」という思いに縛られていたところから解放されたこともあります。今までは、社会貢献的なアクションをするのなら、名誉やお金は求めてはいけないと思っていました。しかし、いろいろな自分が見えてくる中で、お金がほしい自分も目立ちたい自分も、周りの人に感謝されるような仕事がしたい自分も受け入れられるようになりました。それぞれの自分を、仕事やプライベート、それぞれの活動の中で満たしてあげられるようにアクションを進めています。

シェリー:コーチングの感想や印象に残っていることはありますか?

伊藤:自分が「頑張ります」と言わなかったことが印象に残っています。頑張るには、無理してやるというニュアンスが含まれそうで、佐々木コーチに突っ込まれるんじゃないかと(笑)
自分自身、本当にやりたいことであれば自然と体が動いていると思うんです。頑張りますという言葉は虚勢に感じるので、そういった偽った自分を出さずにすんだのは、佐々木コーチが話を否定せずに寄り添ってくれたからだと思っています。自分のすべてを共有できるとは思っていないですが、限りなく近づけるような工夫はしていただいていたと思います。

人は素晴らしい本を読んで、素晴らしい人と出会ったとしても、一日で変わることはできないと思います。大切なのは、何かを継続することだと思います。それを定点で観測してくれる人とタイミングがあったことで、自分の変化を俯瞰的に捉えることができました。自分のアクションのリズムにもなりましたし、生活にメリハリがついた感じもしています。

その観点で、延長という選択もしました。半年より1年、1年より2年の間、定点観測をしていけば、自分が振り返ることのできる情報も増えていくと思います。反省を生かしながら、半年間で出てきた新たな課題にこれからの半年間で取り組んでいきたいです。

シェリー:PLAY!はどんな方におすすめですか?

伊藤:取材チックに言えば、「大人になっちゃったな〜」という人にオススメです(笑)
大人になればなるほど「人からよく見られたい」とかもでてきますし、自分を正確にのぞくためには他者を通すことが必要になると思います。経験としては、自分のメンタルの整理は事業の成長にもつながると思うので、モヤモヤした思いを抱えている人はコーチングを受けてみるのがいいと思います。もちろん、具体的に成し遂げたいことがある人にもオススメです。

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(伊藤さんが制作された映像の一コマ)

3.「会社」と「個人」の二軸で取り組む映像制作

シェリー:伊藤さんの活動が今後どういう風に展開されていかれますか?

伊藤:まず会社では、ソーシャルセクター向けの映像作品をつくっていて、今後もその方向性でブランディングしていこうと思っています。実は数年前にエティックの映像も制作したことがあるんです。現在、もう1人代表がいるのですが、自分は制作が好きなので、常に手を動かしつつ経営にも力を入れていきたいです。

個人としては、今は子ども向けのアニメーションをつくっています。最初はクライアントワークがきっかけだったのですが、そこから個人でも制作するようになりました。自分が書道を習っていることもあり、具体的には教育テレビで放映されているような、文字を学べるアニメーションを制作予定です。文字は2Dですが、奥行きを持たせれば3Dになりますよね?子供は頭が柔軟なので、文字一つをとっても大人が考えつかないような柔軟な捉え方ができると思うんです。ユニークな見方で言葉を覚えられる方が面白いですし、子供も興味を持ちやすいと考えています。目標としては、3月までに簡単な作品を4つつくることを掲げ、日々制作に励んでいます。

アクションを進める際に、遠い将来を考えるほど目標も大きくなって、難易度は上がっていくと思います。やっぱり2時間の映画をつくるよりも、2分の短編作品をつくる方がハードルは低いですし、今の自分にとっては小さな成功体験を積み重ねることの優先順位が高いです。そのため1ヶ月という短い期間ごとに目標をたてています。自分に自信をつけるためにも、1ヶ月ごとの目標をしっかり達成していきたいです。

▶︎伊藤さんの会社で制作された映像が紹介されているニュース映像
https://www.nhk.or.jp/osaka-blog/live-love-hyogo/459646.html?fbclid=IwAR2gXpSNCHDx_WstzCwmywqED5kI0EM-GeTHS-od1PxrH50SpaFQD3ZHpT8

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(伊藤さんが制作された映像の一コマ)

インタビューまとめ

伊藤さんのお話はいかがでしたか?

伊藤さんは、本当につくりたいものを明確にするために、コーチングを活用しながら、ご自身と深く向き合われたのだと感じました。また、意外にも仕事への向き合い方が整理され、相対的に個人制作の方向性が見えてきたという話が印象的でした。

さらにアクションを加速させていく、伊藤さんの映像作品がとても楽しみです!
これからの伊藤さんの活躍をPLAY!事務局一同応援しています。

株式会社nagi
凪。
凪世界の片隅にある声を聞き逃さないように。
優しい誰かがくじけてしまわないように。
私たちはまだ形になっていない想いに寄り添い、未来へ紡いでいきます。
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今後もPLAY!では、自分らしい挑戦スタイルでアクションしつづけたい方々をサポートしていきます。PLAY!に少しでも興味を持ってくださった方は、ぜひお気軽にコーチング無料体験にご参加ください!

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NPO法人ETIC.が主催する”個人のプロジェクト推進を支援するコーチングプログラム”です。約6ヶ月のパーソナルプログラムでアントレプレナーシップに火をつけ、あなたのチャレンジに伴走します。「実は前から頭にある『妄想』を現実にしてみたい」「本業とは別に自分の好きなことでプロジェクトを立ち上げたい」など、『アイデアを何かカタチにしたい!』という想いを持つ方をお待ちしています!
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