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肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。

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私がどうして整体師として生きることを選んだのかを書いていきます。 今までの出逢いとエピソードを忘れたくないのです。 そしてたくさんの感謝を残しておきたいのです。 …なーんて恥ずか… もっと読む
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肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#11

肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#11

研修先の西宮から高崎に帰ってきた次の日。

出勤すると、先輩が片足首にサポーターをして歩きにくそうにしていました。

「ど、どうしたんですかそれ」

「実は洗濯物を下ろすときにバランスを崩しまして」

それは、俗にいう下駄骨折だとかで。

研修先に行ってみれば教えてくれる先生が肋骨を折っていて。

帰ってくれば先輩が中足骨を折っていて。

なんだろう。
私の行く先にいる人たちは骨を折るというジンク

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肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#10

肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#10

もし、嫌いな言葉は何ですか?と聞かれたら

「読書感想文」
「棚卸し」
「テスト」

と答えるくらい、テストというものは嫌いです。

緊張で胃が締め付けられながら迎えた、研修最終日。テストが実施されるのは午後だと言われていました。実技は全身とフットリフレクソロジーの2種類。
そして筆記。

Yちゃんと一緒に倉庫にこもるのも、これで最後かぁ……

ずっと一緒に練習をしているYちゃんは、穏やかでふ

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肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#9

肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#9

指が痛い。指が痛い。指が痛い。

朝目が覚めて知らない天井を見た後、親指の鈍痛に叩き起こされます。

なんて素敵な目覚まし。

でも実践で使える体が作られていくと思えば、耐えられました。

それよりも辛かったのは、喋れないことでした。

今回の研修の目的は、店舗で提供しているサービスのおよそ半分を、1人で行えるようになることです。が、それはつまり

『患者さんに問診をして、メニューの説明をしつつ

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肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#8

肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#8

群馬県民は、公共交通機関をほぼ利用しないで生活していることで有名です。
私もそんな中のひとりでした。
学生時代は電車通学でしたが、自分で車を運転できるようになると、本当に電車からは疎遠になります。

新幹線の乗り換え(!)という人生初の贅沢な乗り換えをして、新大阪。そこから在来線に乗り換えて、研修先の店舗最寄駅に降り立つとそこには

スーツのサラリーマン、買い物袋を提げたおばあちゃん、ベビーカー

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肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#7

肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#7

群馬県高崎市の、とある整体サロンに採用になった後。まず最初に徹底的に教わったことは、電話の取り方でした。

予約の取り方ひとつとっても、患者さんの望んでいる日にち・時間・コース内容・担当指定の有無などなど
当たり前ですが1つも間違えてはいけません。
相手の話をちゃんと聞いて、できることならば察して。
わからなかったら、きちんとたずねて確かめること。

最初のうちは何一つ、正確にできませんでした。

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肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#6

肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#6

私は普段甘い飲み物を飲みません。

それでもスタバのさくらラテだけは大好きで、春が待ち遠しいシーズンになると、必ず飲みます。
単純に味が好きだからという理由の他に、実は特別な思い入れがあるのです。

私がさくらラテを初めて飲んだ時。

それは『整体師になる』と決めて、初めて臨んだ転職面接の前でした。
今でもあの緊張感を覚えています。

近くのトイレで笑顔が不自然になっていないか、何度も確認したこと

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肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#5.5

肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#5.5

お話を始める前に、ひと言だけ叫ばせてください。

あいだ空けすぎたー!!!!ばかー!!!!ふた言になってますね。
不定期更新にしてもそれにしても!!前回から空きすぎてしまいました。

もはや自分が何を書こうと思っていたのか分からなくなってしまった感があります。

伝えようと思えば思うほど気持ちが重たくなる話題というのはあるもので、これから書いていくお話はまさにその通り。

開業したてで

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肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#5

肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#5

2016年。28歳になる年の2月のことでした。

私は約5年勤めた調剤薬局を辞め、転職することを決意します。

内定のないまま大学を卒業してしまった何の取り柄もない私を、雇ってくれた会社でした。

経営者だけは苦手だったけど、他の事務スタッフはみんな、仕事のできるいい人たちばかりでした。

1番長く一緒に仕事をした薬剤師のWさんはかなりクセの強い人でしたが、仕事の早さと正確さはダントツで、薬剤の知

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肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#4

肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#4

初めて自分のエゴを意識してから10年以上が経ち、私は大学を卒業してから調剤薬局で事務員として働いていました。

当時、体と心が疲れ切っていました。
この時は気がついていませんでしたが、私には『問題が起きたらすべて自分のせい』と思う、とんでもない癖がついていたのです。

本来なら、問題が起こったらその原因を見つけて対策をすることが一番の解決方法のはず。ところが、経営者から言及されるのは『何が悪かった

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肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#3

肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#3

『自分の存在価値って何?』
いかにも中二病な悩みです。多くの10代が悩むように、もれなく私もその不安に取りつかれていました。

***

私の存在価値って何だろう?

考えても考えても、自分の中から出てくる答えはいつも同じでした。

『そんなものは、ない。』

自分に価値がない、ということは『誰からも必要とされていない』ということだ。
自分がただの穀潰しとしか思えなくなって、強烈な焦りと恐怖を感

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肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#2

肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#2

『整体師だったら、やっていけるかもしれない』
漠然とそう思ったのは14歳の時でした。

でも実際にその道に足を踏み入れるのは、そこからさらに14年が経った後。

ではなぜ唐突に、そんなことを思ったのか。

……その理由を話すためには、ずっと見ないフリをしてきた「自分のいやなところ」をさらけ出さないといけません。

***

中学2年生の時、担任の先生から進路希望調査の紙が配られました。
手に持っ

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肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#1

肩こり持ちの14歳が28歳で整体師になって開業するまでの話。#1

きっかけは、ひとつのFacebook投稿でした。

忘れもしない、2018年8月8日。

群馬の夏は過酷です。朝は暑すぎて目が覚めます。
その日もいつもの癖で、SNSをチェックしながらぼーっとしていました。
ふとFacebookを開くと、コトー先生が私の投稿をスクショして、自身の投稿でコメントを書いてくださっていました。

「どぅええええええ????」

目玉が飛び出るかと思いました。あれこれは夢

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