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小説

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柳流水の小説です。
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記事一覧

【小説】水槽の中の鯉

 短い水面との距離がさらに近付くにつれてはっきりと頭上に鯉の姿が見え始めた。パチスロをやる趣味もなければパチプロと自己を同一化する努力もしたことはないけれども、はるか遠くからの地響きがやがて一人残らず地上の存在を転がしてどっかに遣るのではないかという気はする。楕円形の斑点が二重化してさらにはっきりと頭上に現れ、逃れ去ろうとしても左右対称に動きを止めないのだろう、規則正しい馬の蹄の音にも似て、テーブ

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【小説】畳

 誤魔化しの言葉はもう要らない。芋が芋の意志に関わらず掘られ、天井が二ミリずつ下がっていく。だんだんと司政の行く末もおかしくなり、ひねろうがでんぐり返ろうが過去の先行きも結局変わらなかった、どうにもならないときには、葉巻を一口もらって吸う、腰砕けになる名グッピーの足先の煌びやかな薬品結晶の屑に思わず師匠譲りの熱い溜息が零れる。雨樋を伝って流れる欲情になすすべもなく溺れるメダカ、上目遣いの山道を選ぶ

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【小説】電車で寝ていた男

 想像でしかないが、夜の電車の中で、床に寝ていた男は、そのうち目を覚まして、歩き出したのだろう。もちろん、直接見たわけではないから、確かなことはわからない、まさか電車内にある広告とともに、暗い車庫に納車された、などということはあるまい、仮にあったとしても、十何時間もそこに生きた人間がいられるはずもないから、仮に、考えにくいことではあるが、完全な暗闇で男が目を覚ましたとしたら、大きい音を立てて、戸を

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【小説】邪馬台国の巫女はフラダンスを踊る。

 邪馬台国の巫女はフラダンスを踊る。足元に割れた鏡が散らばっている。眩しい光景を映している。日が傾いて、全てが死体のように横たわる時間が訪れた。恣意的に時間はバラバラに切り裂かれた、非常口を駆け降りる神的な姿があった、集中線と深い緑色の光によって何も見えなかった。未明の光、潰れたなっちゃんの缶が大きい風に運ばれる。ブエノスアイレス時間で午前零時、日付の変わる瞬間。首の骨がかすかに折れる音がし、黄金

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【小説】私はウナギではない。ウナギを代弁することはできない。私はマクドナルドが美味しいか?

 私は一瞬でもマクドナルドが美味しい。カードを表にする際に汗が飛び散っ。街灯が灯る瞬間に人も現れて既に歩き始めた。地方銀行蟻の歩みと三種のコンビニに寄り集まっ。銀行コンビニで所定の手続きを行いお金を下。何のためにお金を下。多数の声にならないウナギの声が聞こえる。お前はウナギを食うのか? お前はウナギか? 土用の丑の日にお前はウナギか? 蟻のようにウナギの肉に集るお前はウナギを食う? マクドナルドの

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