見出し画像

推理小説の作り方(ちょっとだけ)わかります① まえがき

 はじめまして、久住四季(くずみしき)です。
『トリックスターズ』(電撃文庫)でデビュー後、主にミステリを書く作家として商業で活動しています。

 今回は、僕が普段どんなふうに小説を書いているのか、その具体的なやり方を紹介したいと思います。

 が、その前に。そもそも僕がどうしてこんなことを書き始めたのかというと。

 おかげさまで僕は先日、『推理作家(僕)が探偵と暮らすわけ』(メディアワークス文庫)という新刊を上梓しました。探偵と推理作家がひょんなことから同居を始め、謎と冒険の日々を送る本格ミステリです。


 もちろんこの新刊のことをもっと知ってもらいたいからそのきっかけに、というのもあるのですが。

 新刊『推理作家(僕)~』の帯には、こんなキャッチコピーが載っています。

画像1


「推理小説の作り方、わかります」

『推理作家(僕)』は語り手が作家であり、たしかに作中では担当編集者との生々しいやりとりや、執筆に際しての葛藤や苦悩(あと日々の生態とか症状(笑))などにも触れています。ミステリとは別に、そういったところも読みどころの一つだと思っています。

 ただ具体的にどういう手順や作法で小説を書くのかについてはあまり触れていなかったので、その辺りを補足したいと思ったわけです。

 今回紹介するのは、あくまで僕の個人的なやり方です。さらに言えば、そのやり方はデビュー後に何度も更新したもので、ずっとこうし続けてきた、というものでもありません。そして、これがベストだとも思っていません。

 僕はデビューからもう十年以上経っており(まったくそんな気はしませんが……)、その間に小説観が結構変わったし、今後も変わる可能性は高いです。なので、それにあわせてやり方も変わっていくと思います。ひょっとすると昔のほうがよかったかな、となるかもしれません。

 ただ現時点では実際にこうして小説を書いているし、発売中の新刊はまさにこうして書いた、というやり方になります。

 以降、一応5つぐらいの章に分けて、

①プロット編
②登場人物編
③文章編
④ハウツー本編
⑤補足を兼ねたあとがき

 といった感じで進めていきます。

 こちらを読めば、推理小説の作り方が(ちょっとだけ)わかるかもですので、しばしお付き合いいただければ幸いです。

この記事が参加している募集

コンテンツ会議

お読みいただいてありがとうございます。いただいたサポートは新作の参考資料代などに使わせていただきます。