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いざなうはワールド・コーン・ラビリンス -3- #ppslgr

樹海の茂りから回転跳躍、殺人的な速度で襲い掛かってきた何者かを俺は自力で、A・Kはエルフの王子に襟首ひっつかまれて飛びのき回避!

そのグレーの毛むくじゃらな姿に一瞬ゴリラかと認識したが、立ち上がり頭部を上げたその生き物の容姿にすぐさま認識を改める。少なくともゴリラでは全くない。

ゆっくりと血走った目を俺に向けてきたその生き物の頭部は大きな耳と元々はつぶらだったであろう瞳、そしてモフモフとした毛並みをしている生き物……そう、コアラだ。ただしその体躯は人間が抱えられる程度の本来のサイズから大きく逸脱しており、見立てでは全長は3メートルは軽く超えている。

現れたコアラの肉体はモフモフこそしているものの、ゴリラのそれを遥かに上回る筋肉量を誇っている。その証拠に急襲時のファーストアタックで着地地点の大地は大きくひび割れ砕かれていた。

「こっちだ!」

恐るべきマッスルコアラを前に一喝すれば、やつの注意をこちらに引き付ける。本来であれば目の前に現れた常識外の生物に対して少々ショックの一つも受けたい所だが、そんなことをしていてはネギトロ肉になるのがオチだ。

俺の挑発を受けてマッスルコアラはその丸太の如き腕を振り上げたままに5畳は離れていた間合いを一瞬で踏み込み距離を詰める。それよりも早く、ホルスターに納めたリボルバー……今回の遠征の前にS・Cが用立ててくれた『Dan Wesson 715』を引き抜き、振り上げられたマッスルコアラの腕へ集中連射!

「GAAAAAAA!」

禅の極致の様な研ぎ澄まされた銃から放たれた銃弾は、あやまたず敵対者の腕へと突き刺さり振り下ろされる軌道を明後日の方向へと逸らしていく。すぐさま飛び込み前転で距離を取ると一瞬で撃ち切った弾倉から薬莢を排除しクイックリロード!

「正気に戻れA・K!ショックを受けていられる相手ではないからな!」

エルフの王子の叱咤でようやく我に返ったA・Kもまた自前の銃を握りしめるとマッスルコアラの脅威へと向ける。だがそんな彼本人よりもはるかに早くエルフの王子は戦闘態勢に移っていた。

引き絞られた弓、そこから一度に放たれたメタリック光沢を帯びた紺の矢はライフル弾に並ぶほどの威力でもってマッスルコアラを貫く!深々と肉体をえぐる凶器に咆哮をあげるマッスルコアラ!

「ブルシット!これでも喰らいな!」

A・Kも手にしたリボルバー『S&W Model 13』を掲げ、その屈強な肉体でもって射撃の反動を御すると迷わずマッスルコアラの背へと銃弾をぶち込んでいく。三方向からの集中射撃を受けてなお倒れぬマッスルコアラ!

「AAAAA!!!GAAAAAA!!!!」

被弾の苦痛に絶叫あげたマッスルコアラは現れた時以上の跳躍でもって樹海へとダイヴ、度重なる銃撃を受けたとは思えないほど早く木々の狭間へと消えていった。

「oops、開幕からコレって手厚い歓迎だぜ」
「おじけづいたかA・K、私は君が帰ろうと止めはしないぞ?」
「Sit!ここまで来たからにはR・Vに丸投げはしな……しないぜ!」
「今なんかちょっと間があったな、別に良いが」

いきなり出てきたのがアレでは無理もないだろう。まかり間違ってドラゴンとか出てこない事を祈るばかりだ。

【いざなうはワールド・コーン・ラビリンス -3-:終わり:その-4-へ続く

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