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いざなうはワールド・コーン・ラビリンス -11- #ppslgr

「ダーヴィ!来てくれたのか!?」
「そうとも兄弟、また随分と胡乱な事態に巻き込まれた物だな」

「自分で好き好んできたんだけどここまでヒドイとは思ってなかったんだよ!」

もはや三度目ともなるが、この黒塗りのマッスルもまたA・Kのイマジナリィだ。A・Kには都合三人のスーパーヒーローが実質的に味方しているようなものであり、トータルの戦闘力は相応に高い。

一気にまくしたてるA・Kを横目にダーヴィはコーン・ゴーレムの真正面に立つ。新たに現れた謎の存在に両腕を広げて雄々しく威圧するゴーレム!

「コーンを積み重ねて作ったゴーレム……なるほど、見た目の胡散臭さとは裏腹に厄介な相手と言う訳だ」
「そうだろう?私の弓術とは折り合いが悪くてね、頼めるかいダーヴィ」
「ああ、任せておけ」

事によると半無限に再生可能なゴーレムを前にして、黒い人影マッスルは見慣れない神秘的な構えを取る。空手、合気道では合気道に近い印象だが細部は大きく異なっていた。両腕を幻惑するかの如く緩やかに振るうその姿はまるで舞踊のようだ。

幻惑的な構えで待ち構える黒い影に対し、コーン・ゴーレムは臆せず叩き潰す事を選択する。固唾を飲んで見守る俺達三人よりも先にダーヴィを排除すると判断したか、力を引き絞る緊張と共に右腕を振りかぶった。

「rrrrrrrrr!」

全身を振動させてダーヴィを叩き潰さんとコーン・ナックルを放つゴーレム!その恐るべき冷蔵庫サイズの質量を前にし黒塗りのマッスルマンもまた答えるように掌底を突き出した!

巨大なるコーン粒の圧倒的質量打撃と黒影の掌底が衝突しあった瞬間、空気が硬直してはゴーレムの動きが止まった。一瞬の緊迫の後、よろけたのは何とコーン粒の巨人の方であった。

再現なく再生できるはずのゴーレムはもがき苦しむようにあとずさり仰け反ると、ぶるぶると全身を痙攣させて後退したかと思えば次の瞬間には全身のコーン粒がパーンッ!と大中小例外なく破裂!即席コーンスープとなって密林の奥地へとなだれ込んだ!

「これが、テン・マークだ」

実にクールに残心を決めた黒塗りのマッスルマンは、コーンの巨人が完全に活動不能になったのを確認してから武術の構えを解く。

今起きた事象から逆算して推測すると、彼は衝撃をコーン・ゴーレムの全身へと浸透させ一粒残らず一度に破壊したのだろう。確かB・Rが浸透勁という技がある事を教えてくれた記憶があるが、恐らくはその技に類似していると考えられる。なるほど、恐るべき一撃だ。

「ふむ、相変わらず見事な手並みだ」
「さっすがダーヴィだぜ!ヒューッ!」

はやし立てる二人と黙したままの俺を合わせた三人の前に振り返ると、改めて彼は口を開いた。

「気をつけろ三人共、この森もコーンも名状しがたい意志を感じる。この世界にあってはならない物だ」
「意志、か」

この森とコーンがこの地球上本来の植物とは異なり、能動的意志を持った知的生命体であることを彼もまた示唆した。忠告を終えるとダーヴィは忽然と姿を消す。奥ゆかしく、無駄口をたたかないクールさは俺も見習いたいものだ。

【いざなうはワールド・コーン・ラビリンス -11-終わり:その-12-へ続く

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