或いは「お祓い失敗残念でした」、だろうか。何れにせよ神社から帰っても動けない日々が続き、動けるようになったら何を思ったか(おそらく盆休みだからであろう)結婚相談所のパンフレットを持ち帰って中身を読む。「収入証明・勤務先」が必須なのを見て泣く。推し作品のヒロインが本当に逆ハーレムしていて苛立ちが募る。数珠を握っても落ち着かない。「生きていても害しかない」「何も生み出さないこどおば乙」「8月末には近畿地方が出るそうですよどれくらい売れるでしょう」「読まれないじゃんざまぁwwww」「死ぬなら一人で死ねよ」ザワザワザワザワと、足元から火で焼かれて行くような感覚がツイテマワル。

　思えば味方は家族だけだが家族には家族の人生、私には本当に身一つだ。色々教えてくれた人も結局横並びになって助けてはくれない。メンヘラは死ぬべき、そうだろうそうだろう。皆さんのご活躍を願いましては性根の腐ったこの醜い人間以下、スーパーの屋上から飛び降りまして幕を閉じさせていただきます。今まで大変、ご迷惑を

というところで図体のでかい兄弟に掴まって連行された。スマホのリマインダーに残っていた遺書はすぐ消した。投稿もしていない。どうせ前のようにスペースで朗読されるので(今回は朗読しやすく書いておきました。講談っぽく詰まらずに読むなら読んでね( ´ ▽ ` ))

　そうして家に帰ってみても、気持ちは折れているしやはり逆ハーレムというのは心が軋む。今となっては。思えば私は「誰かに構われたい」という欲が強くて何度も破滅しているわけで、逆ハーレムのヒロインなどというのはその妬みを刺激する最たるものである。作品のコースターで、ヒロインがなにかの事情でうずくまってイケメンたちが(※皆独身である)ヒロインを心配する構図を、御手軽百均の縦剃刀でサッササッサと切っていた。これはとても使い勝手が(自分に対して色んな意味で)よい。円谷幸吉のように両刃式も家捜しすれば出てくるのだが、あれは指に刺さったことがあるのと円谷幸吉ほど上手く頸動脈に行くだろうか、と不安でまだ手が出ない。ゾーリンゲンのものである。
百均は大体フェザー、今回買ったのはなんと使い切りというか、カバーがなかった。しかしそんなことを考える余裕もなく、
「いいなあみんな成功して幸せで役割が与えられて私無敵の人になっちゃったよ結婚も何もかもないんだ未来なんてないんだご都合主義のイケメンが助けに来るハーレムなんてないんだ才能も無いんだ文章も音楽もダメなんだそもそもお墨付きの狂人(くるんちゅ)なんだから全部ダメになってるに決まってるだろははははくたばれボケカスアホンダラ」
とブツブツ言いながら切っていた(くるんちゅとボケカスアホンダラについては語彙を教えてくれた人がいます。語彙が増えました感謝です(*´ω｀人))。頭の中には「住みにごり」の冒頭の兄が近隣住民を○するシーンが自分事として張り付いている。酒を飲んだ訳でもないのにおかしかった。

そんなわけだから、思いっきり手を滑らして胡座をかいていた太腿をザックリ逝ってしまった。痛みがなくてゲラゲラ笑ってしまった。コースターと結婚相談所のパンフレットで止血し続けていたのでもう両者は読めたものでは無い。面白いくらい血が出るし、傷口もこんなにパックリなにかの口みたいに開いたことないぞと言うほど開いたただ
「真っ赤だ！血が濁っていない！犬神筋ではないんだ！」
と意味不明なことを思った。しかし不思議なことに、紙に付着すると血はすぐに赤茶色に濁るのでやはり私はおかしいのだと(別の意味で既におかしい)わかってますます笑った。ある程度血が止まったら大判のガーゼを貼り、手ぬぐい(やたらある)で縛り、そのまま止血して今に至る。手ぬぐいをめくる勇気は無い。
剃刀は傷口を見た家人に取られたが、残念ながら枕の下やベッドの下などにあるのでまだまだあるのだ。自分にしか使わないが。

まあ、結局嫉妬は全く抜けていない。嫉妬は憎しみを産み怒りを産む三毒がどうのこうのと言われても「あーはいはい耳タコなんですわ」となる。こういうのは結局スマホぶち壊してガラケーに変えるか(しかし思い出し憎しみや思い出し妬みがあるのでだめなのだ。被害妄想と実害の区別もつかない世の中じゃポイズン)本当になにかの機会でくたばるか、人事不省に陥るか、他に本当に命を捧げるほど夢中になれるものが現れるまで無理なのだと思う。

結局私は犬神を落としきれず、今も大事に肩に背負ったままだ。もしかしたら一生付き合いかもしれない。真っ黒なドブネズミのようなもの。面白がって影から見る人、影で笑ってる人、

あんたはどうだい？