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人生でいちばん物語の生まれた1年。


人生は物語。

どうも横山黎です。

毎月最終日は誰の目を気にするでもなく、自分の過去についてつらつらと語っています。今日は2023年12月31日。月の終わりだけでなく、一年の終わりでもあるので、2023年はどのような一年だったのか、振り返っていこうと思います。



2023年は僕の人生でいちばん物語の生まれた1年でした。大学4年生になった今年、僕が経験してきたことをざっとまとめると、、、。

自分で出した本を250冊手売りして、展示会をやって、トークイベントをやって、シェアハウスの住人になって、私設図書館の図書委員になって、ラジオに呼ばれて、その縁で今やラジオパーソナリティーとしても活動していて、ビブリオバトルの全国大会に出場しました。

いろいろありすぎて、語りたいことは山のようにあるので、何かしら制限を加えないといけません。今回は、1月からはこれ、2月からはこれ……という風に、それぞれの月からひとつずつ記事を取り上げて、2023年を振り返っていこうと思います。長くなりますが、お付き合いください(笑)




1月「成人の日は『伝える日』」



僕は2022年6月に、初書籍『Message』を出版しました。成人の日を舞台にしたヒューマンミステリーで、「110」というダイイングメッセージの謎を解いていきます。僕の20年をベースにした物語なので、僕の成人の日の経験を含め、20年分の人生がここには詰まっています。

20歳という節目に、大切な人にメッセージを贈る。

そんな文化を育てられたらいいなと思って、成人式を控える人には特におすすめしている一冊です。実際にそう紹介すると買ってくれる人はいるし、この本を読んで感動しましたとか、泣きましたとか、自分も成人の日に親に何かしようと思いましたとか、嬉しい声を頂いております。

この記事を投稿したのは、1月9日。

2023年の成人の日です。

この記事には、「成人の日は、新成人が20年生きてきたことをお祝いするだけど、同時に、新成人が20年分の感謝を伝える日でもあるよね」という文章があります。いつか成人の日が、たくさんの新成人がお世話になった人にメッセージを贈る日になったらいいな。そんな願いを叶えるために、来年もできることを少しずつ進めていきますね。



2月「朝活イベントに参加してきた。」



2月20日に投稿した、朝活イベントについての記事です。

僕と同じ大学の後輩のここちゃんが運営している「share morning」というコミュニティがあります。前月に初めてお会いして、それから仲良くなって、僕も参加するようになりました。ずっとオンラインで開催していたんですが、この日の朝、初めてオフラインイベントが開催されたんです。

上水戸にある「The FAVORITE」というコワーキングスペースで開催されました。学生から主婦まで計10人集まって、アイスブレイクしたり、フリートークしたり、有意義な朝を過ごすことができたんです。

今振り返ると、この日には未来の種がたくさん詰まっていました。

ここちゃんとの付き合いは相変わらずあります。この前も、大学の文化祭で野菜を売っていたので会いにいきました。

また、参加者の女性ふたりが後に「株式会社やっほー」という会社を立ち上げて、そこ主催のイベントに参加するようにもなりました。8月には作文教室の先生として登壇したし、先日は忘年会という名の異業種交流会に行ってきました。

さらに、開催場所だった「The FAVORITE」は、今、近くでゲストハウスを展開している宮田さんが土曜日だけ借りてクラフトビールバーを運営していて、僕も常連客だし、9月以降、そこを借りて本のイベントを開催するようになりました。

ここちゃんとも、やっほーとも、FAVORITEとも、来年はもっと関わる予感がしています。楽しみだな。



3月「心があたたかくなる場所が必要だ」



3月17日、僕は初めて「はちとご」に行きました。この記事はその翌日に書かれたものです。

はちとごとは、茨城県水戸の袴塚にあった住み開きシェアハウスのこと。家屋の一部をコミュニティスペースとして開放しているので、大学生や社会人の方々が日々やってきていました。

記事のタイトルでもいっているように、初日ではちとごを「心があたたかくなる場所」と定義したわけですが、そのときの僕の感覚に狂いはありませんでした。この日から僕は徐々にはちとごに入り浸るようになるわけですが、それは居心地が良くて、個性的だけど優しい人が集まって、心があたたかくなる場所だったからです。

ちなみに、過去形にしているのは、別の場所にお引越しをしたからです。それこそさっき紹介した「The FAVORITE」の近くになりました。

新年には管理人のはやぶささんと「ABD(アクティブ・ブック・ダイアローグ)」のイベントをやりたいねって話をしているし、新居に引っ越してオーナーになった宮田さん(さっきも紹介したゲストハウスオーナー)とは、来年はさらに深い付き合いになりそう。変わらず、よろしくお願いしますね。



4月「『Message展』が始まりました!」



小説『Message』を届けるために、大学図書館に内設する展示室を借りて、「Message展」という展示会を開催しました。4月21日から4月28日まで7日間みっちり。

小説『Message』の表紙や、作品のあらすじ、僕のことをパネルにして、展示したんです。なかでも特にこだわったのが、「手売りの軌跡」の展示。

僕は『Message』を手売りするときに、記録として写真を撮らせてもらっていたんです。それをnoteの記事に貼り付けたり、インスタのストーリーにアップして、作品の宣伝につなげていたんですが、ここで活きてきました。撮った写真を壁に敷き詰めて、ひとつの展示にしたんです。

光の加減も相まって、ノスタルジックな空間になりました。

この展示室は、図書館入り口の正面に位置しているので、図書館に用がある人は必ず目にするんですよね。きっと僕の想像以上に、僕や僕の作品の認知が広がったんじゃないかな。

ちなみに、このときにつくったパネルは、それ以降も活躍していまして、「はちとご」関連のイベントでフリマ&マルシェが開かれて、僕も自分の本を出品したんですが、そのときに本のそばにパネルを壁に立てかけていたんですね。やっぱり何もないより、説明があった方が分かりやすいし、購買意欲も高まるので、パネルの意義を再認識しました。11月には古本市に参加したんですが、そのときにもパネルを持参。その甲斐もあり、古本市では珍しく1万円以上の売り上げが出ました。

大学生にとっては決して安くない金額だったけれど、何度も使えるものにお金をかけるって大事ですね。



5月「大学生作家が感動のライブイベントを開催した話。」



5月2日、「BOOK TALK LIVE “Message”」というイベントを開催しました。小説『Message』にまつわるエピソードを1時間かけて物語るトークイベントです。

作品誕生の秘話、

成人の日の出来事、

僕が本当に伝えたいこと……。

オープニングや、音楽、照明にもこだわったこともあり、感動の舞台をつくることができました。なかには、涙を見せる人もいました。

参加者は30人。ただの大学生が集客に奮闘したところで、集められたのはその程度です。しかし、僕はその人数をあまり気にしていませんでした。それよりも注目すべてきは、イベント終了後に物販をしたところ、小説『Message』が15冊売れたという事実です。事前のアンケートで、15人の人は小説『Message』を読んでいないことが分かっていました。つまり、『Message』を届けていない人全員に届けることができたってことです。

改めて、オフラインイベントを開催する意義を知りました。本を売る上で、考えなければいけないのは、お客さんが本を買うきっかけだったんです。

本屋さんでは心が動く瞬間があまりありません。つまり、本を買うきっかけがないんです。しかし、トークイベントの終わりに売り出すことで、少なからず心を動かされたお客さんは本を買うんですよね。「お土産」や「思い出」として、本を買うんです。

このあたりから、「オフラインイベントの可能性」や「本と出会う場所」に対する興味がより膨らんでいきました。



6月「読書離れの現代人に必要な『本と出会う場所』」



読書離れが進んでいる今、本を書いて売る僕みたいな人は、「本と出会う場所」をつくらなければいけないのではないかという考えを綴りました。本を読むきっかけをしっかりと設計しないと本は売れないんです。

また、買ってみたはいいけど読んでみて面白くなかったら嫌じゃないですか。だからこそ、本を読む前にどれだけ「読みたい」と思うかが重要なんですよね。「本を読んでもらいたい側(作家、書店員)」は、どうすれば「読みたい」をつくりにいけるかという課題を解決する必要があるわけです。

そこで、僕は7月から自分の活動のテーマを「Biblio(本)」として、本にまつわる活動に重心を置くことを決めたんです。ビブリオバトルへの挑戦をはじめ、読書家に参加したり、自分でも本のイベントを開催していこうと思い至ったのです。



7月「シェアハウスの物語を書く。」



3月に初めて訪れた「はちとご」。いちばん入り浸っていた時期は、初夏から夏にかけてだったような気がします。そこでイベントが開催されれば参加しにいっていたし、平日の時間の空いているときはコミュニティスペースの管理をしていましたから。

はちとごでのいちばんの思い出は何かと訊かれたら、僕は7月29日の出来事を挙げます。

この日は水戸駅近くにある千波湖で花火大会があって、僕はシェアハウスで知り合ったパートナーと一緒に鑑賞しにいったんです。そのときのやり取りは割愛しますが、とにかく花火を楽しむことができました。

で、その足で、はちとごに向かったんです。

はちとごは短期住人の制度を取り入れているので、5日しか住まない住人が5,6人いたりします。つまり、定住している住人が少ないので、シェアハウスとはいえ住人がたくさんいるわけではないんですね。でも、この日は、住人もたくさんいたし、お客さんもいたし、計9人いたのかな。みんなでわいわい、お好み焼きを食べたり、お酒を飲んだりしていました。記念して集合写真も撮りました。

日付を跨いだ頃、「明日夜明けを見にいきたいね」なんて話になって、急遽、未明にはちとごを発つことになりました。管理人のはやぶささんの車に4人乗って、日立駅へ。

眠気眼に飛び込んできた夜明けの海は、えも言われぬ美しさに染まっていました。

花火大会からのはちごとからの夜明けの海。こんなにもきらきらした時間はなかなかありません。こういう日常のなかにあるハレを描いた物語を、はちとごを舞台にした物語を書こう。そんな風に思ったのも、この経験が大きかったかもしれません。ちなみに、まだ完成まで程遠いですが、いつかちゃんと完成させますね。



8月「絶交した親友と、青春の帰り道を」



8月19日、僕はこの日、親友ふたりと呑んできました。うちひとりは、絶交した相手です。

親友たちとは中学時代からの付き合いなので、かれこれ10年来の仲。中学時代は演劇部で一緒で、高校時代には文芸部で一緒でした。大学に入ってからは一緒にYouTubeやろうぜという話になり、始めたんですが、みんな大学の場所がばらばらだったし、コロナもあって会いにくい状況だったし、上手く連携が取れなかったんですね。結局僕ひとりで始めることになったんですが、4ヶ月で挫折。それをきっかけに諍いが起こって、僕の方からその親友に絶交を叩きつけました。

時間は無情なほどに全てを洗い流してくれるものです。絶交したとはいえその親友への嫌悪感は薄れ、むしろ会いたいという気持ちが強くなってきました。

この日、ついに再会を果たしたわけですが、何事もなかったかのようにすっかり打ち解けることができました。最後には、「また舞台やりたいね」なんて約束を交わしました。一昨日、また会ってきて、舞台の方向性をどうするとか、お互いのやりたいことを包み隠さずに話し合いました。

また形になってから記事にして共有すると思いますが、とにかくあの頃みたいにまた舞台をやることは確実。紹介した記事の名前の通り、絶交した親友と青春の帰り道を歩き始めたのです。



9月「本を紹介するイベント『FAVORITE!!』を開催しました。」



本にまつわる活動に重心を置き始め、9月1日、お気に入りのクラフトビールバーで本を紹介し合うイベントを開催しました。「FAVORITE!!―お気に入りの本を紹介する会―」です。

さっきも触れたように、上水戸に「The FAVORITE」というコワーキングスペースがあって、ゲストハウスオーナーの宮田さんがそこを夜だけ借りてクラフトビールバーとして営業するようになったんですが、お客さんを呼び込むためにイベント会場として貸し出すこともしていて、僕もそれに乗っかって、本のイベントを開催することにしたんです。

お店の名前を借りて、「FAVORITE!!」というイベント。

中身はほぼビブリオバトルなんですが、勝敗は決めないので競技性はありません。より交流に重きを置いていて、本をきっかけに参加者と仲良くなれたらいいなというねらいがありました。

それ以降も何度か開催しておりまして、回を重ねる度に学びと気付きがありました。今後も「FAVORITE!!」は続けていきたいなと思いますし、より多くの人が興味を持ってもらえるような本の場づくりをしていくつもりです。



10月「本を贈る文化を育てたい」



「share morning」のここちゃんと、その立ち上げに協力していたさやかちゃんに会う機会があって、そのときに僕は本を贈り物をしました。20歳のお祝いをしていなかったので、それぞれに本をプレゼントしたんです。

ほんの思いつきで本を贈ろうと思ったんですが、よくよく考えると、本ってギフトとしての価値が高いことに気付いたんですよね。いつまでも大切にできる「残る物」だし、贈り主からのメッセージが詰まったプレゼント。最近事あるごとに僕は本を贈るようにしています。

思えば、今年の母親の誕生日にも、はちとごの管理人のはやぶささんの誕生日にも、バイト先の後輩の誕生日にも、本を贈りました。

また、行きつけの洋風居酒屋「トチロー」が9月で20周年だったので、マスターにお祝いの品としてカクテルの本をプレゼント。今では、その本がカウンター席に並んでいます。

この前パートナーにはクリスマスプレゼントで本を贈ったんですが、今じっくりと読んでくれていて、「刺さり過ぎて泣ける」とのこと。絶対に響くものがあるから贈ったんですが、案の定、喜んでくれたし、僕の想像以上に響いている様子です。

そういえば今年初めてブックサンタをやってきたんですが、そういう活動に積極的に関わることで、そして発信することで、自分の周りから少しずつ本を贈る文化を育てていきたいな。値段以上の価値を贈ることができるのが、本。これからもギフトとしての可能性も探っていきます。



11月「余命3ヶ月の恩師にビブリオバトル優勝を届けたい」



10月に全国大学ビブリオバトルへの挑戦が始まり、大学大会、地区大会で優勝を収めることができました。3度目の全国大会に出場することが決まったのです。

「本の場づくり」も目的ではありますが、あるときからもうひとつ目的が加わったんです。

高校時代、ビブリオバトルでお世話になった鹿目先生と再会したときのことです。僕は、母校である高校の理事会の方と知り合いで、その方から理事会の懇親会に誘われたので出席してきたんです。鹿目先生も理事会の理事でしてご出席されていたんですが、そのときに衝撃の告白をされました。

「私、膵臓癌にかかってしまいまして、この前の9月に余命3ヶ月と宣告されてしまったのです」

それは、2024年いつまで生きていられるか分からないということです。あまりに突然のことで言葉を失ってしまったのですが、徐々に思いを整理していき、ビブリオバトルで優勝して、鹿目先生に届けたいと思うようになりました。

11月14日、鹿目先生のご自宅にお邪魔して、全国大会への意気込みを語り、一緒に作戦を練ったりしていました。何冊か蔵書を頂きましたし、記念に写真も撮りました。

これから触れますが、結論からいうと、僕は全国大会で優勝することはできませんでした。まだそれを伝えにいっていないので近々会いにいくつもりです。これまで影に日向に支えてくれたことに対する感謝を伝えに。



12月「7年追いかけた夢に読点を。」



12月17日、7年追いかけた「ビブリオバトル全国制覇」の夢は叶いませんでした。環境のせいにすることは簡単だけれど、結局は自分の力量不足、準備不足だったんだと思います。

「勝つ」よりも「楽しむ」を優先したことが裏目に出たのかななんて。大学大会でも、地区大会でも、「勝てる本」を紹介してきましたが、最後の全国大会では「好きな本」を紹介することにしたんです。最後なんだから、自分が本当におすすめしたい本を、自分の「好き」を伝えにいきたいと思ってしまったんです。

これまでの経験を通して、僕が本当に追求したいのは、ビブリオバトルのようにいちばんを決める本の戦ではなくて、「FAVORITE!!」のように本を通して交流が生まれる場所であることを強く認識しました。

去年のビブリオバトルでは、僕は『Message』を紹介したんです。自分の本を自分で紹介するという前代未聞の事態。それでも全国大会に出場することができたんですが、その全国大会での僕の紹介を聴いて、読みたいと思ってAmazonで購入した方が、なんと今年もビブリオバトルの全国大会に出場していたんです。

ひょんなきっかけから話しかけにいったら、「そういえば、『Message』読みましたよ」と言ってくださって、めちゃくちゃ嬉しかったんですよね。自分の紹介で、本を届けることができていると分かったので。

7年越しの夢を叶えることはできなかったけれど、それでも本にまつわる活動を終わらせるつもりは毛頭ないし、来年も変わらず本の場づくりを追求していきます。



とにもかくにもたくさんの出逢いがあった1年でした。何かある度に、誰かと出逢う度に、僕は記事にしてnoteに投稿してきました。語り切れないほどの思い出をつくり、そして、残すことができました。

この1年でいろんな伏線が回収されたし、また新しく未来につながる伏線が張られているんだと思います。残してきた思い出も、思いも、全部つながっていて、続いている。来年を生きる力に変えて、もっと面白い未来を物語りにいきます。

最後になりますが、僕からメッセージを贈らせていただきます。良いお年を迎えられますよう、願いを込めて――。

今までありがとうございました。

これからもよろしくお願いします。

110


20231231 横山黎












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