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絵本『桃太郎』を共同創作する。

――僕が今日どうしてこんなにも「桃太郎」に触れたり、絵本を読み漁ったりしたかというと、今度、絵本『桃太郎』を共同創作することになったからです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

今回は「絵本『桃太郎』を共同創作する」というテーマで話していこうと思います。

📚逃げまくった文豪たち

今日はずっと本、特に絵本を読んだ一日でした。午前中は国立国会図書館に初めて行きました。今後卒論を書く上で資料を取り寄せるときのために利用者登録はしておいた方がいいと思たし、一度行ってみたかった場所だったので足を運びました。

国立というだけあって、でかいし広いし、インテリアもすごい。荷物を持ち運ぶことができないあたり、セキュリティ管理もしっかりしていました(無料ロッカーがあるし、無料小物を持ち出せる袋もあります)。

そこでは、それこそ卒論のために資料を探していました。僕の卒論のテーマは「桃太郎」です。正確にいうと、芥川龍之介の『桃太郎』を研究していきます。背景として、どのように桃太郎の物語が変容していったのかも追っていくつもりなので、館内で利用できる専用のパソコンを使って、本、絵本、論文などいろんな「桃太郎」に触れました。

お昼ごろまでそれを続けて、次に向かったのが有楽町駅の近くにある三省堂書店。元々立寄るつもりはなかったんですが、次の目的地に行くさなか、目に入ってしまったので吸い込まれるようにして入店しました。

並んでいる本をざっと見ていって、興味を持った本を手に取りさらっと読むという流れを何回か繰り返していました。

今度ビブリオバトル(本を紹介する書評合戦)に参加するので、魅力的な本を探しているさなかだったこともあり、アンテナが反応する本を見つけにいきました。個人的に「あ、これいけるかも」と思った本は、真山知幸さんの『逃げまくった文豪たち』。有名な文豪たちの知られざる逃避エピソードを収録した1冊です。

自分が芥川を研究しているから、彼を例に出しますね。芥川は、地震が起こったときにめちゃくちゃ早く逃げたそうなんです。妻子を置き去りにするくらい(笑) まだ小さい子どもが2階で寝ているというのに、一目散にとにかく逃走。

あとで芥川が言っていたのが、「人間は切羽詰まったら、自分のことしか考えられなくなる」って言葉で、まさに『羅生門』の下人みたいだなとちょっぴり思いました。

そのほかにも、めっちゃ面白いエピソードが収録されていたので、構成と語り方次第では良いプレゼンになる予感がします。



📚展示会「世界をつなぐ子どもの本」

三省堂を後にして向かったのは、上野にある国際こども図書館。実は今、「世界をつなぐ子どもの本」という展示会が行われていて、ちょっと前から行きたいと思っていたんです。9月3日(日)までだったし、今日くらいしか時間が取れそうにないので行ってみることにしました。

展示会の内容としては、国際アンデルセン賞受賞者の作品や、IBBYオナーリストの掲載作品とその邦訳書を直接手に取って読めるというもの。世界各国の子どもの本をじっくりと楽しめる展示会です。

ちなみに、国際アンデルセン賞は国際的な児童文学賞のことで、2年に一度、児童文学の分野で素晴らしい業績をあげた現存の作家、画家に贈られています。また、IBBYオナーリストとは、IBBY(国際児童図書評議会)が作成する推薦図書リストのことです。

国際子ども図書館レンガ棟3階のホールで開催されており、200冊以上の作品に触れることができました。



特に僕が印象的だったのは、クリス・ネイラー・バレステロスの『スーツケース』という絵本。

とある不思議な動物が運んでいるスーツケース。持ち主がいうには、そのなかには、コップも、それを置くテーブルも、そしてそれが入る木の家が入っています。それを聞かされた他の動物たちは半信半疑。本当は何が入っているのか気になったため、持ち主の動物が眠った隙にスーツケースを開けてしまいました。はたしてそのなかに入っていたのは……という物語です。

物語もさることながら、最後のページがとても好きだった。あまり多くは語れませんが、絵だけで物語る手法を取っていたのです。個人的には絵本の醍醐味ってそれだなあと思っていて、もちろん魅力的な文章で物語を推進しくのは好きなんだけれど、絵を提示するだけで多くを語らないという表現方法はもっと好きで、それが実現されていた最後のページが、僕のお気に入りです。是非、読んでみてください。

さて、僕が今日どうしてこんなにも「桃太郎」に触れたり、絵本を読み漁ったりしたかというと、今度、絵本『桃太郎』を共同創作することになったからです。


📚絵本『桃太郎』を共同創作

かれこれ一年半前になりますが、僕は『桃太郎』という小説をつくりました。従来は、鬼を退治する勧善懲悪の物語だけど、今の時代に求められているのは、鬼と仲良くする共生の物語だなと思い、制作に踏み切りました。

共生の物語を書くんだから、みんなでつくった方が面白いし、それがひとつのメッセージになるから、共同創作という形でつくっていくことにしたんです。このnoteの記事のコメント欄で意見をもらいつつ、僕が書いていくという感じでした。

ちゃんと作品は完成したしステキな物語にはなったけれど、それ以降どうするのかは考えていなくて、ずっと放置している感じでした。



そんななか、僕は自分の卒論のテーマを「桃太郎」にし、そのうえ最近お世話になっているシェアハウス「はちとご」の住人に絵本をつくりたい人がいたので、今このタイミングで絵本『桃太郎』をつくるべきだと強く思ったのです。

そんなこんなで昨日、彼女と初回の打ち合わせがありました。お互いのイメージを共有して、方向性を定めていく作業です。記録として、現時点で決まっていることをここに書いておきますね。どんな形になれど、いつまでも大切にしたくなる、子どもも大人も楽しめる作品をつくっていきます。最後まで読んで下さりありがとうございました。


現時点で決まっていること
・「共生」の物語が描ければ、小説『桃太郎』はいくらでも崩していい。
・日本文+英文
・クーピーをメインで使う
・繊細で優しいタッチ
・ワンポイントの絵にして余白を活かす


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