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壁は意外と高くない。

当たり前のことだが、オーストラリアで生活しているので、使われている言語は英語だ。

正直なところ、俺は自分で語学のセンスが全くないと自覚している。まあ日本語のセンスはどうかと言われればそれも随分怪しいところはあろうが、それでも何とか自分の考えの近いところを伝えられていると信じたい。

とにかく日本語以外は何語も全然身につかない。その身につかなさこそ大いに自慢したいくらいだ。大学の時には第二外国語に中国語をとったが、結果は散々。今ではきれいさっぱり何一つ覚えていない。

中学1年のときから勉強を始めた英語は、まさか将来生活レベルで使うことになるとはこれっぽっちも予想していなかったため、学生時代は嫌いな学科の一つとしての地位をずっと守り続けていた。

そんな体たらくで一体どうやって何年も海外で生活できているのか不思議に思うと思うが、日本人は英語で話をすることは苦手でも、読んだり書いたりすることはある程度できる。

パソコンや携帯電話などインターネットに繋がる補助器具があれば、生活に必要な書類を読んだり書いたりすることは今やそんなに難しいことではない、と思う。もちろんパーフェクトに、というのは難しかろうが、まあ大抵のことはできなくはない。

それと日本国外でもある程度日本人コミュニティがしっかりしているところであれば、職種によっては日本語で生活することも不可能ではない。

英語の勉強に海外に出るのももちろんありだが、場所によっては生活するために海外に出るというのもありだと思うのだ。

壁は意外と高くない。

英語が日常だから子供達とも英語の話題が出る。

「Upは上に行くって意味だろ。」
「うん。」
「上に行くのがUpなんだから、Wake(ウエイク) up. って言うんだぞ。」
「えええっ、Wake up. は目を覚ませだよ。上に行くとは関係ないよ。だって英語だよ。日本語は関係ないじゃん!」
「いやいやいや、日本とイギリスは1902年に日英同盟を結んでいたし、アメリカとは日米安保条約を結んでいるから同盟関係にあるんだぞ。オーストラリアとも準同盟関係にあるし。日本語と英語はめちゃめちゃ関係あるさ。」
「えええっ、絶対嘘。嘘だよ。」
「信じないのか? Up があるなら Down もある。上行くがUp だから、下に行くのは Downだろ。下行くDown. Wake-up. と Shitaiku-down. 」
「Shitaiku-down? 何それ、あははは。」
「何があははだ。」
「じゃあ、それなんて意味なの?」
「目を覚ませの逆なんだから寝ろってことじゃないか。パパやママは言わないのか? Shitaiku-down now! とか。」
「あはははは。そんなの言わないよ。だって日本人だもん。」

まあそんなこんなの外国暮らしである。
壁はそんなに高くない。

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