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【創作童話】ストライプの雨#3

【第3章】哀しきロザリオ

僕はそれから数日後、
こんな噂を聞いたのです。

「魔法使い座のロザリオが
一杯になって、魔法使い座が
死のうとしてるらしいわよ。

星座は死ねないのに、
そんな事をしたら地獄の火で
焼かれちゃうじゃない。」

魔法使い座は、真っ黒に焦げていました。

「何してるんだよ、僕のいない間に…」

魔法使い座は、ケンタウロス座から
哀しいことを沢山聞いてしまったのです。

それで、ロザリオが一杯に
なってしまったのです。

ロザリオが一杯になると
願い事が叶うはずなのに、
どうしたという事でしょう。

「この手で、
この手で殺したのさ。」

魔法使い座は、星になる前
ギルダという美しい乙女でした。
その話を、
これからしようと思います。


ギルダは美しい乙女でした。
青年らからアプローチを一身に
受けていましたが、
ギルダには好きな人がいたのです。

その人の名はアルネブ。
アルネブも、実はギルダが好きでしたが
傷付くのが怖くて
二人とも言い出せなかったのです。

そんな時、友人の
リル・リリスが嘘を付きました。
付いてはいけない嘘を…

「わたし、この前アルネブから
プロポーズされたの。
もうすぐ式を上げるわ。」

傷付いたギルダは
ナイフで自殺を図りました。
駆けつけたアルネブと揉み合いになり

ギルダは誤ってアルネブを
刺して殺してしまったのです。

自責の念に駆られたギルダも死に、
二人は星になりましたが
ギルダは自分を赦せず
醜い老婆の姿になる事を望みました。

「あたしが、殺したんだよ、
この手で
この汚い手で…。

大切なことだと思っていたのに…
思い出さなければ良かった。」

僕は、泣き崩れる魔法使い座を
抱き締めることしか出来ませんでした。

「あたしが出来るのは
地獄の火で焼かれる事だけ。
そうすれば、少しは楽になる。」

「僕も行くよ!」

「いいや、それは駄目さ。
独りで歩くんだ。
この道を、たった独りで」

僕は急に悲しかったのです。
目の前にいる友人を、
こんなに哀れに送り出すなんて
出来なかったのです。

「僕は君の何だったの?
友人じゃなかったの?
僕は君を友達だと思ってる。

出逢って良かったと思ってる。

僕は君をすきだよ。
僕がいるよ。」

魔法使い座は、ボロボロ涙を溢して

「辛いんだ、辛い。
消えてしまいたいくらい。」

「生きるんだよ。死ぬのじゃなくて。
僕もそうだった。
でも違うよ、死ぬのはそうじゃない。

ちゃんと生きたら、
ちゃんと死ねるんだよ。」

「ちゃんと死ねる?」
「そうだよ、死ぬために生まれるんだよ。
生まれるために死ぬんだから。」

不思議な感覚を感じました。

僕が、僕に言っているような
気がしたのです。

あの日の自分に言っていたのです。

僕が、僕に。

「生きようよ。
死ぬために、生きようよ。」

魔法使い座は、
ゆっくりと、火の中から出て来ました。
僕達は
未来を覚悟したのです。


【予告】
僕はお嬢さんに逢えたのか⁈
来週遂に完結!!
最終話も見逃せない!

次回【ストライプの雨#完】
〜白鳥座の隣人〜
お楽しみに!

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いつも喜んでます🥹
是非ぜひお待ちしてます✨^^

六花💌

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