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春には色をまとって


この頃わたしの指先は、ジューシーなオレンジ色だ。
オレンジのドロップみたいで、目に入ってくるとうれしい。


オレンジのネイルカラーを3種類も持っている。
夏に裸足にサンダルを履いたときに塗りたい、と思って買った2種類は、どちらもみずみずしい果物の色で、あと1種類は金木犀の色。
わたしの肌色は(自己診断ではあるけれど)イエベのオータムだから、ピンク系の色よりオレンジ色の方がしっくりくる。
(そして年齢を重ねてくすんできた手の色にも・・・)


図書館のカウンターで仕事をしていると、手を使うことが多くて人目に触れることも多いから、きれいにしていた方がいいかなと思ったのだ。(実際、きちんとネイルサロンに通ってきれいに整えている方も何人もいる。ただし奇抜な色や派手すぎは注意されるけれど。
肌の色に近い、ピンクやベージュにするように言われているけれど、オレンジはどうなんだろう。
もしかしたら、アウトかもしれない・・・(笑))



夕方から雨の中、娘たちの送り迎えに。
途中、時間を調節するために三女と図書館に行って本を借りた。
夜の図書館、なかなか素敵だ。
窓ガラスにたくさんのライトが映って、まるでラプンツェルの映画のワンシーンみたい。ランタンがたくさん輝いているようにみえる。
やわらかいオレンジの光。


今日私が借りたのは、アリ・スミス『五月 その他の短編』。

装画はヒグチユウコさん。


冒頭の「普遍的な物語」を読み終えた。
一冊の『グレート・ギャッツビー』と古本屋の女主人の家に迷い込んだハエ、その本を手にした人たちとその本の末路までがテンポよく書かれている。読みやすいけれど不思議な感触が残った。翻訳者・岸本佐和子さんの解説を読んでその通りだと思う。(うまく説明できそうにないので言葉をかりて紹介します。)


アリ・スミスの小説を読むということは、ふつうの小説を読むのとは異なる体験だ。彼女の書くものは一筋縄ではいかない。重層的で、企みに満ちている。時系列はシャッフルされる。複数の視点のあいだを行ったり来たりする。

訳者あとがきより


短編なのにとても読み応えがある。
残りの11の短編もよく味わって読んでいきたい。



今日はずっと雨の一日だけれど温かい。
明日はもっと気温が上がるらしい。
この雨はしばらく停滞するようで、菜種梅雨(なたねつゆ)だとのこと。
春の雨だ。





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