記事一覧
コトヴィア〜いつかあのウィナーズサークルで〜3
レース出走予定3日前、木曜日
(もうすぐだな)
そう思いながら仕事の片付けをして帰宅の準備をする。コトヴィアは前走3着。未勝利戦で5着以内に入った馬は1ヶ月以内に次のレースに出走する場合は優先的に出走する事が出来る。コトヴィアはその条件を満たしていたので今週のレースに登録した時点で出走はほぼ確定していた。
職場を出て車を運転して帰宅、その前に広尾のホームページを開く。口取り参加のページをク
コトヴィア〜いつかあのウィナーズサークルで〜2
2月に出走したコトヴィアはその後牧場へ戻り休養も兼ねた体力強化を行う。
そして6月、約4ヶ月ぶりのレースに出走しそこで再び3着に好走する。いよいよ勝利が近付いてきたのではとワクワクしながら次走の予定の発表を心待ちにしていた。
「レース後も脚元など特に問題ありません。この感じだと感覚を空けず続戦出来ると思います」
レースの2日後に厩舎からのコメントがホームページにアップされていた。
(という
コトヴィア〜いつかあのウィナーズサークルで〜1
2023年2月
4コーナー5番手から良い手応えで上がっていく。
「よし!勝つぞ!」
そうつぶやきながら自然とウィナーズサークルの方へ歩き出す。レースは最後の直線へ。
「いけ!いけ!!」
段々と速歩きになる。しかし逃げた馬を捕える事が出来ず3着。
「あー!惜しかった!今日も入れなかったか···」
朝から降る雨の中、ウィナーズサークルの方を向いてると悔しさが込み上げてくる。
「今日も
ロディニア〜個性派の弟〜7
火曜日
私の勤務先は火曜日が定休日なので毎週火曜日は大体休みだ。平日が休みでも競馬メインに過ごす事が多い。この日も例外ではなく···
「お父さん今日は休みなんやしたまにはお父さんに保育所送ってもらう?」
「いや!お母さんがいいの!」
私が休みの日は絶対といっていいほど行われる妻と娘のやり取りだ。娘はどうしても朝はお母さんと一緒に保育所に行きたいらしい。この頑固な性格、誰に似たのか。結局今日
ロディニア〜個性派の弟〜6
ロディニアはその後11月末にようやく美浦トレセンに入厩。デビューに向けてまずはゲート試験に合格。年明け1月の中山競馬場で、兄パンサラッサの主戦ジョッキーだった吉田豊騎手騎乗でデビュー予定と発表された。しかしレース前の追い切りではまだ満足のいく動きが出来ておらず調教タイムも詰めれなかったため、再び育成牧場へ移動。デビューが一旦白紙になる。
育成牧場でしっかり調整をした後2月末に美浦トレセンに帰厩。
ロディニア〜個性派の弟〜5
2023年3月
ミスペンバリーの21は馬名が決まり「ロディニア」という名前になった。そのロディニアだが募集を開始してから半年以上過ぎたが、依然売れ残っている状況だった。
しかし兄のパンサラッサがサウジカップを制すと弟のロディニアにも注目が集まり、どんどん売れて行き約1週間で満口に。ロディニア自体は特に何かが変わったという訳ではないのだが···こうして弟にも期待が高まっていく。
そんな頃真平か
ロディニア〜個性派の弟〜4
2022年6月
そろそろカタログが届く頃だ。仕事終わりの車の中で思う。ホームページ上では既に募集馬のラインナップ、価格、馬体は見る事は出来る。でもやっぱり紙ベースのカタログを見る方がいいんだよなぁ。アナログ人間、時代に取り残されないようにはしたいが。
帰宅すると予想通りカタログが届いていた。夕食後、娘が妻のスマホでYouTubeを観てる隣でカタログを開く。倶楽部に縁のある血統の馬が今回は多い。
ロディニア〜個性派の弟〜3
「DMMは2000口募集で基本的には1頭につき4口までしか出資出来ないけど先着順で出資出来るからほぼ希望の馬に出資出来るよ!募集馬の血統レベル、質はシルクやキャロットと遜色ないと思うで。ただ募集馬はセレクトセールで仕入れてくることが多いから価格はちょっと割高な感じ。
広尾サラブレッド倶楽部は新規会員は4口分馬代金無料で出資できる。但し馬の当たり外れがかなり大きいイメージ。パンサラッサみたいな馬を
ゴールドブレス〜蘇る名馬の記憶〜4
ゴールドブレスのデビュー当日。土日は基本仕事の私はこの日も普段通り仕事へ向かう。
(土日が仕事って一口馬主にとっては痛いなぁ。でも仕事をしないと家族を養えないし、もちろん一口馬主も出来ない。だから仕事をするんだ!)
出資馬が走る時はいつもそう思う。もう何千回同じ事を考えた事か。そんな事を思って仕事のモチベーションを保っている。
小倉競馬の6レース12時30分過ぎの出走、もうすぐだ。小倉は天
ゴールドブレス〜蘇る名馬の記憶〜3
ブーケドロゼブルーの21はその後出資者から馬名を募り、投票の結果「ゴールドブレス」という馬名になった。父ゴールドシップの「ゴールド」に息吹という意味の「ブレス」。黄金の血脈の覚醒を願って、とホームページに書いていた。そんな想いを背負い(馬自身はそんな気はないだろうが)デビューへ向かっていく。
ゴールドブレスは2歳の1月時点では400kgにも満たない小柄な馬体だったこともあり、馬体の成長を優先
ゴールドブレス〜蘇る名馬の記憶〜2
2次募集馬のラインナップでは馬格も小さく募集開始後数ヶ月が経ってもまだ売れ残っていたブーケドロゼブルーの21。兄弟達もそれほど目立った活躍馬がいない。しかし私はこの馬の血統表を見てある名馬の思い出が蘇ってきた。
このブーケドロゼブルー、実はコスモバルクの妹なのだ。
コスモバルク
2003年、当時私は19歳だった。俊と同じ専門学校に通ってたその年の年末の2歳重賞レース「ラジオたんば杯2歳ス
ゴールドブレス〜蘇る名馬の記憶〜
一口馬主を始めて約六年。私はとある一口クラブに興味を惹かれた
「YGGオーナーズクラブ」
活躍馬には全日本2歳優駿などを制したドライスタウトなどが在籍するクラブ、募集価格が他クラブよりも安く設定されておりコストパフォーマンスが良いのが特徴。
何故私はこのクラブに魅力を感じたのか。それはこのクラブが地方競馬でデビュー予定の馬が募集されているからだ。地方競馬の中でも規模が大きく賞金も高額な南