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企業型確定拠出年金とは〜iDeCoとの違いは?〜

前回記事では、iDeCoについて記載しました。

確定拠出年金には個人型と企業型があるとお伝え
しました。

前回は個人型確定拠出年金(iDeCo)について
でしたので、今回は企業型確定拠出年金について
見ていきます。

確定拠出年金がよくわからないという方や、
日本の年金制度をそもそも理解しておきたい
という方は、前回記事から読んでみてください。

それではいきます!

企業型確定拠出年金とは

個人が加入して自身で掛金を拠出して運用
していく個人型確定拠出年金(iDeCo)とは
異なり、

企業型確定拠出年金はお勤め先の事業主である
会社が掛け金を拠出し、運用を行うのが個人
という制度です。

日本の年金制度である公的年金(国民年金および
厚生年金)のさらなる上乗せとして、企業が任意
で従業員の福利厚生として導入しています。

この上乗せを個人でしているのか、会社が負担
してくれているのかの違いです。

企業型確定拠出年金は一般的に「企業型DC」
という呼称があります。

DCとは、Defined Contributionの頭文字で、
確定拠出年金を指す言葉です。

企業型の確定拠出年金であることから、
企業型DCと呼ばれます。

企業型DCとiDeCoは自身が運用するという点
においては同様ですが、掛け金を拠出するのが
会社という点が一番の違いですね。

では、企業は従業員の福利厚生として行う
わけですが、一定メリットがないと従業員に
対して無償の愛すぎますからやりません。

企業としてもこの企業型DCを導入することで
得られるメリットがあるため、最近は多くの
企業で導入されています。

メリットは以下の通り。

①掛金が全額損金可能。場合によっては、
 社会保険料の削減効果もあり。

②退職金積立を効果的に行える。
 退職金準備はかつて、DBと言われる確定企業
 給付年金が主流でした。これは会社が拠出だけ
 でなく、運用管理も行います。
 しかし、このご時世退職時に必ず確定した
 年金を支払うことはリスクでもあります。
 そのため、この運用部分を従業員に任せ、
 かつ運用がうまくいけば退職金も上振れする
 という恩恵があります。
 企業にとっては、退職金積み立てを効率的に
 行える方法です。

③福利厚生の充実度向上。能力の高い人材の
 流出を防ぐことや、新たな人材の確保として
 エントリー側に魅力ある制度としてアピール
 可能です。


このように企業としても、企業型DCを活用する
メリットは高いため、制度として導入する会社
も増えてきています。

では、従業員としてのメリットはどうでしょう。

これは前回のiDeCo同様のメリットがあります。
前回記事から抜粋します。

“◯全額所得控除

加入者の掛け金は「小規模企業共済等掛金控除」
として全額所得控除となります。 

簡単に言うと、この控除により税金を減らす
ことができます。

生命保険料控除の活用〜個人ができる節税法〜|りょーま@ソリシターの独り言 #毎日投稿98日目|note
生命保険に加入されている方はそろそろ 自宅に届いた頃でしょうか? 『生命保険料控除証明書』 会社の年末調整の提出で使
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◯運用益が非課税

一般的に株式投資などを行うと、運用益に20%
(所得税15%、住民税5%)が課税されますが、
個人型確定拠出年金で得た運用益は非課税として
扱います。

そのため、通常の運用より税金がかからないため、
効率的に老後資金を準備出来ます。


◯受取時の控除

60歳以降の受取は「一時金」と「年金」から
選びます。

一時金で受け取る場合は、「退職所得控除」
が利用できます。

年金で受け取る場合は「公的年金等控除」
が利用できます。

そのため、受け取り時に控除を活用することで、
通常の税金のかかり方と比べて大きな差が
生まれます。”

企業型DCもiDeCo同様3つの税制優遇が
受けられるんですね。

さらに、企業型DCならではのメリットも
あります。

それは、口座管理手数料の個人負担がないが
ないことです。

iDeCoですとどうしてもiDeCo口座の管理手数料
が発生します。
しかし、企業型DCであれば従業員としては、
会社が負担してくれるため必要がありません。

また、この企業型DCは退職の時にも柔軟性が
高いです。

それは、「ポータビリティ」という機能がある
からです。
退職した場合でも、次の会社の企業型DCに
移行ができたり、ない場合は個人型に移行する
ことも可能です。

では、この企業型DCのもう1つ押さえておくべき
ポイントを最後にお伝えします。

それは、「マッチング拠出」です。

マッチング拠出とは、会社が負担してくれる
掛け金に追加で、自身も手出しで上乗せを
行う制度です。

これは、企業側がマッチング拠出制度を導入
していることが条件になりますが、もし制度
が導入されている場合は、確定拠出年金の
上記3つの税制優遇メリットを享受しながら
資産形成が可能であるため、ぜひ利用を
おすすめします。

しかし、マッチング拠出の掛金の上限額には
縛りがあります。

それは、会社の掛金と自身の掛け金をあわせて
月額55,000円まで (他の企業年金などの加入
もある場合は月額27,500円まで)であり、
かつ自身の掛金が事業主掛金を超えないこと
という条件があります。

そのため、会社の掛け金が1万円であれば、
自身の手出し上限は1万円といった形です。
しかし、それでも少額からマッチング拠出を
利用していくことは大いにメリットがあると
思います。

iDeCo同様、自身で運用を行うため、投資の
勉強にもなります。

iDeCoは掛け金5,000円からですが、
マッチング拠出は上限を越えなければもっと
少額から投資が可能です。

目的はiDeCo同様、老後の資産形成としての
色が強い投資かと思いますので、もう少し短期
の資産形成であればつみたてNISAも活用する
といいかもしれませんね。

会社によっては、企業型DCは任意のため、
毎月DC掛け金とせず給与受け取りも選択が
可能な場合もあります。


しかし、せっかく会社が企業型DCを導入して
くれているのであれば、ぜひ活用していった方が
いいかと個人的に思います。

それでは。

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