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「風呂で死ぬのが幸せ」は本当なのか?

「お風呂で死ぬのだけは絶対イヤ。だって発見された時は裸でしょ? 人に見られるの恥ずかしいわ~」と言うのは、整体をしながらお喋りをした女性の言葉です。

私の耳にずっとこの言葉は残っていて、お風呂に入るたびに思い出します。この話が出たのは、もう3年ほど前のことです。プロ野球の元監督の野村克也さんがお亡くなりになったニュースを聞いた時でした。

2020年2月11日に、野村さんが自宅の浴槽でぐったりしているところを発見され、その後死亡が確認されました。熱いお風呂に長く入ったことによる熱中症で亡くなったと考えられるそうです。

「人間は体温が40度を超えると、入浴中でもⅢ度熱中症の中枢神経症状(意識障害、けいれん発作など)を生じやすいことがわかっています。肩まで湯につかった場合、41度の湯なら33分、42度なら26分で体温が40度に達します。健康な人ならその前に、めまい、動悸、頭痛、嘔吐などの熱中症の症状によりお風呂から出るのですが、高齢者の場合は神経系の老化の影響でそうした症状を自覚しないまま、突然の意識障害に陥ることが多い。その結果、重篤な熱中症に陥ったと考えられるのです。その意味ではあまり苦しまずに亡くなったと考えていいでしょう

自宅で一番多く死亡する場所が「お風呂」だそうです。とくに冬が多いそうですが、夏がゼロになるわけではありません。湯船で溺死した人の90%以上が65歳以上の高齢者であったことから、高齢化が進むこれからは、さらに増えていく可能性があると言われています。

2011年の調査結果

浴槽に浸かっている間に、気持ち良くなって意識障害を起こし、そのまま亡くなることを考えると、苦しまずに最後を終えるという意味では、本人はもしかしたら幸せなのかもしれません。

ただ冒頭で紹介しました女性のように、裸を他人に見られることになります。死んだ本人には恥ずかしさという意識は当然ありません。それでもイヤだと言われるのは、女性はいつまでもレディでありたい表れなのでしょう。

自宅で亡くなった場合、警察が来て事件性の有無を調査するそうです。変に他殺を疑われないよう、発見した場合は触らず通報することが良さそうです。可哀そうだからと言って、引き上げたり手をかけると後で厄介なことになります。

痛み無く苦しむこと無く最後を迎えることができると本人は良くても、家族にとっては突然の別れになります。私たちは、いつ、どんな死に方をするかは分かりません。とりあえず、遺書は書いておくようにしますかね~。

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