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解剖学だけじゃない。解剖生理学を学ぶ: 『 皮膚 』

基本を知るということは
自分の身体の特徴を知ること
自分の強みを知ることができるということです。

そして、体の基本を知るのに
必要な知識は解剖生理学です。
解剖学だけでは足りません。

解剖とは形を知ることこと。
そして生理とは動き・働きを知ること

このnoteでは、皮膚を学びます。


■体を覆う最大の器官 

皮膚はからだの全表面を
覆う被膜で、面積は成人で
約1.5平方メートルとおよそ畳1枚分です。

重さは肝臓の約3倍、
人体でもっとも広い臓器で、
全身の健康を図るパロメーターと言われます。

皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の
3層に分けられ、さらに、付属器官として
皮膚腺(脂腺、汗腺、乳腺など)と角質器(毛・爪)があります。
以上を併せて外皮と呼びます。 

■皮膚の役割

皮膚は、痛覚、触覚、
圧覚、温度覚などを感じる
感覚器として重要な働きをするだけでなく、
外部からの様々な刺激や衝撃から体の中を守ります。

その他、体温調節をはじめ、
汗や皮脂の分泌、排泄、呼吸、免疫
のような生体防衛などさまざま役割を果たしています。

■皮膚の構造

○表皮

表皮の厚さは
外的刺激を受けやすい
手掌や足の裏は他より厚く、
良く動く場所(例えば、まぶた)は薄く、
いずれも歳とともに薄くなります。

表皮は内側から
基底層・顆粒層・有棘層・角層の
4つの層からなっています。

基底層から細胞が
分裂して分化し、
平らになって積み重なり角層を作り、
最終的に垢になって剥がれ落ちます。

この一連の流れを
ターンオーバーと言います。

一般的にターンオーバーは
生理周期と同じ28日とされていますが、
これは基底層から角層にたどり着くまでです。

そこから約14日かけて
剥がれていきますので、
45日前後で全ての細胞が生まれ変わると言えます。

○メラニンと紫外線とビタミンC

メラニンは褐色~黒色の色素で、
表皮の基底層の一部に点在している
メラニン産生細胞から作りだされます。

長く紫外線を受けると、
表皮の表面が厚くなり、
弾力性を保つ真皮のコラーゲンが
破壊・黄色変性し、シワやシミができます。

メラニンはこの有害な
紫外線を吸収するために増えますが、
過度に受けるとメラニン沈着の増加を招きます。

ビタミンCはこのメラニン生成を抑え、
日焼けなどで乱れたコラーゲンの修復・維持に役立ちます。
またLーシステインなども有効です。

○真皮

真皮は表皮の数倍の厚さです。
血管が豊富で、暑いときは拡張して
熱を放散し、寒いときは収縮して
熱の消失を防ぎ体温を調整しています。

コラーゲンやエラスチンなどの
線維が網目状に交錯しその間は
ヒアルロン酸で満たされています。

これらが皮膚の強さ、
弾力性・潤いを保ちクッションの
役割も果たしています。

シワとはこの層のコラーゲンや
エラスチンが崩れ溝ができている状態だと言えます。

また後述しますが、
感覚受容器が豊富にあるのも
真皮層と皮下組織であると言われています。

○皮下組織

疎性結合組織からなり
深在する筋膜や骨膜とゆるく結合します。

広い網目の間には脂肪細胞が豊富で、
皮下脂肪組織とも呼ばれます。

皮下組織は、大部分が皮下脂肪です。

皮下脂肪はクッションの
役割をして外部からの刺激や
衝撃をやわらげたり、熱を伝えにくい
という性質から断熱・保温の働きをします。

またエネルギーを
脂肪のかたちで蓄える役割もしています。

脂肪というと「ぜい肉」などの
悪いイメージがあるかもしれませんが、
実は、体を守る大切な働きを担っています。

■皮膚の付属器官

○脂腺・汗腺


脂腺は手掌、足裏をのぞく全身にあります。

脂腺からは皮脂が分泌され、
皮膚や毛の表面を覆って滑らかにし、
外からの液体の侵入を防ぎます。

汗腺は、真皮の深層から
皮下組織にありエクリン腺とアポクリン腺があります。

エクリン腺は
手掌や足に多く分布し
体温調節に関与します。

アポクリン腺は
液窩や外陰部の特定の場所に存在します。

アポクリン腺からの汗は
特有の臭気を持つものであり、
体温調節には関与しません。

エクリン汗は、
「汗をかいたな」と
感じなくても1日約1リットル、
真夏やスポーツ時などでは
3リットル程度もの量が分泌されます。

汗も嫌がる方が多いですが、
この汗が皮膚に住む常在菌の餌になるため
皮膚が若々しく保てるとの説があります。
たまに汗をかくことは美容にとっても大事なのです。

○角質器(毛・爪)

毛髪の役割は、体をガードすることです。
頭を少々ぶつけてもケガをしないのは
髪がクッションになります。

また眉毛やまつ毛は目に
異物が入りにくいよう守ってくれています。

そのほか、髪がそよぐことで
「風だ」と気付くという感覚器的な役割もあります。

毛髪は、手のひらや足の裏、
唇や陰部の一部を除いた体全体に生えています。

今、私たちの体に生えている
毛の大部分は軟毛ですが、
大昔は人間も体中が硬毛でおおわれていました。

そしてケガや寒さから身を守ったり、
猫のヒゲのような感覚器として役立ったりしていました。

進化の過程でそのような
機能は衰えましたが、
頭や目など大事なところは
今でも硬毛が守ってくれているのです。

爪は髪の毛と同じように
肌の角層が変化してできたもの、
つまり死んだ細胞が集まったものです。

人間のように歩く、
物を指で掴む動物では指先に効率よく
圧力が掛かるようになっており、四足の動物の爪は
長時間走ることができるように爪が蹄に成っていたりします。

指の爪がないと
指の力を指先に伝えられないため
物を掴む事が難しくなります。

また足の爪がないと、
つま先が蹴り出す力を伝えられない
ため歩くのが困難になったり、
体重を支え辛くなったりします。

毛髪が脳を守るものであるように、
爪は手足の指先を守るものです。

その他にも、指先や足先が
触れたものの素材を感知できるも
この爪のおかげです。

爪は光を通すため血管内の
殺菌をしているとの説もあります。

何の役割もないような爪ですが、
体にとってなくてはならないのです。

爪の一番の役割は

指先の肉を逃さないように
固定することによって強い圧迫力に
耐えるようにすることです。

もし爪がないと、
地面に足の指がついた時に
骨が地面にあたってしまい足を痛めてしまいます。

このことから巻き爪になっている人や
爪の形がきれいでない人は足に負担が
かかっていることが推測されます。

■爪の変形

特に巻き爪に関しては
運動に影響が大きいので
ここで話しておきます。

爪は本来曲がろうとしており、
指の下からの圧力によってその形を維持しています。

普段あまり歩くことのない
生活を送っていたり、運動不足が
続いていしまう結果、自然と爪が丸まってきてしまう。

また爪の切り方や靴のサイズ、
急ブレーキをかけるようなスポーツ、
水虫でもなりやすいとされています。

本日のnoteは皮膚でした。

0ホメオスタシス
1呼吸
2循環
3消化
4筋肉・骨
5皮膚
6感覚・神経
7脳・脊髄
8ホルモン(内分泌)
9自律神経
10小便・大便(泌尿器)
11生殖、12免疫

次回は、感覚・神経について
お話ししていきます。

今日はここまで

もう逃げない。ここで学ぶ!

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