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読書日記

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読んだ本を気ままに紹介します。
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読書日記#3 猫語の教科書/ポール・ギャリコ 〈人間の家の乗っ取り戦略〉

読書日記#3 猫語の教科書/ポール・ギャリコ 〈人間の家の乗っ取り戦略〉

あなたの猫も読んだに違いない、猫界震撼のマニュアル本 猫の飼い方を説くマニュアル本は多数存在しますが、猫の飼われ方を説く本はそう多くはないでしょう。この本は猫がどのように人間に取り入り、快適に可愛がられるかを教えてくれる画期的な本です。

 そして人間のあなたがこの本を読めば、あなたの猫もどこかでこの本を読んだに違いないと思える箇所がいくつも見つかるでしょう。

猫の猫による猫のための、戦略的家庭

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読書日記#2 どうしても生きてる/朝井リョウ

読書日記#2 どうしても生きてる/朝井リョウ

どうしても生きてる/朝井リョウ レビュー最近、一番読みたかった本であると同時に、手が出なかった小説。だって朝井リョウだし・・・きっと今回もきつい、重い作品なんだろうなあ、と。なんたってタイトルが「どうしても生きてる」です。

 前作の「死にがいを求めて生きているの」(以前の記事)はどちらかというと平成生まれ特有の生きづらさ、若者の本音や不安を凝縮したような作品でした。

 今回はサラリーマン、派遣

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読書日記#1 死にがいを求めて生きているの/朝井リョウ <平成生まれの生き辛さの正体>

読書日記#1 死にがいを求めて生きているの/朝井リョウ <平成生まれの生き辛さの正体>

ネタバレを避けるために、あまりストーリー自体には触れません。

この小説は「螺旋プロジェクト」という、伊坂幸太郎を中心とする競作企画の一作品です。原始時代から、今からおよそ100年後の未来まで、それぞれの時代を8人の作家が分担して描かれる壮大な一つのストーリーの中で、作者の朝井リョウは平成の時代を担当しました。

朝井リョウとは 1989年生まれ、 早稲田大学文化構想学部卒業。デビュー作「桐島、部

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