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東大入って鬱になった。
阪田健太郎です、塾の経営やあやふやなことをしています
1982年6月2日。広島県で誕生。2000gを切るほどの低体重児としてスリムかつスマートに生まれる。
幼稚園時代。NHK『人体の不思議』を見て、キラーT細胞とマクロファージのかっこよさに心酔し、祖母の買ってくれた本版を舐めるように読む。幼稚園の先生の「音が聞こえるのはなぜ〜?」という質問に周りが「耳ー!」と答えるなか、「外耳道を通って鼓膜を
『花束みたいな恋をした』感想
観よう観ようとは思いながら、忙しさにかまけている間に最寄の映画館でかかるようになったので、遅ればせながら『花束みたいな恋をした』を観てきたら、時間が経つごとに脳が侵食されて感想が湧き出てきたのでめちゃくちゃ久しぶりにnoteを開いています。刺さる!という前評判は聞いていたものの、鑑賞直後は「は~良い映画だったなぁ」くらいの気持ちでしたが、考えるにつれ、いやこれほんとにすごい作品なんじゃないか、と思
もっとみる次はあの子が望む番。強い子よ。今日がお誕生日なの。
『ジュンのための6つの小曲』古谷田奈月
38歳の誕生日を大鬱からの立ち戻りのさなかで迎える。
多少乗りこなせるようになったとは思っても、実際に大波の中に捕らわれてしまうと誤差の範囲内でしかない。
あ~もう仕事向いてないんだろうな、とか思うけれど、仕事をやっていなくたって鬱はやってくるだろうので、もうどうしようもない。
嫌なことがトリガーになるけれどそれが仕事とは限らないし、誰かに笑われた気
あなたの脳のきらきらにしたがって
『バームクーヘンでわたしは眠った』柳本々々(春陽堂書店)
昨年の11月からこっちずっと体調が悪く、ばたばたと日々が過ぎ、あらゆることが流れ去っていく。さすが裏運気、大殺界。マイコプラズマ、ノロウィルスときて、冬季鬱にコロナウィルスときたもんで(コロナウィルスかかってないけれど)まったく心が休まらず、大抵このくらいの暖かい時期にでもなれば、おら躁が来たぞ!引越しだ!旅行だ!と思うくらいには回復して
さあ下りて。ここから入るのよ。迷子にならないように。ちゃんとついてくること。
堀江敏幸『ゼラニウム』中公文庫
仕事が再びばたばたしていたので、少しメンタルがやられていたが、ちょっと休んだので回復した。
社交をしなくてはいけないのだけれど、社交には大変エネルギーを使うので、初対面の人との社交は相当元気ゲージが溜まっている時でないと難しい。自分の話をする意味もあまり見出せないし、なんなんだろうなーと思いながら時間を過ごしている。会話から得るものなど副次的なものでその時間をな
だから、雨が降ってもいいから、すべての人、長生きをしてください。
最果タヒ『恋人たちはせーので光る』(リトルモア)
今年前半戦は死ぬほど具合が悪く、さすが細木数子の言う通りだな、と思いながらのたうちまわっていたのですが、後半に入ってくると徐々に健やかな気持ちになってきて、ワンワン!と大きな声で吠えられるようになってきました。ワンワン!
迫り来る締め切りとがっぷり四つに組んで見事寄り切り、後ろに倒すことに成功するも、その結果すべての締め切りが一気に集中してしま
スーパームーンに叢雲
色を移した葉の落ちる音。冬の足音が近づいてくるとは言うけれど、いわゆるその足音は、のっしのっしでもどしんどしんでもなく、しんと静まり返ったなかにそっと微細に鼓膜を震わすものなのだろう。大きな声で騒いでいては、その足音を聞き逃してしまう。わあわあわいわいというのも楽しいものだけれど、小さな季節の訪れを聞き逃してしまわないようにしたい。温度にともなって生物の活動力が低下し、しんと静まり返った冬の世界
もっとみるその半球の頂にそっと、小さな珠を。
こども用の傘は先端が丸くなっている。振り回して当たったりするときの危険を考えてのことなのだろうか。利便性はともかく、半円球のちょうどてっぺんに小さな球がくっついているのは、デザインとしてとても愛らしい。ただそう思うようになったのは、こどものころから遠く離れて、いわゆる大人になってしまったからかもしれない。こどものころは、先端の丸っこくなった小さな黄色い傘よりも、金属製で固く先端がしゅっとまっすぐに
もっとみるみんなのいえ・ひとりのいえ
わたしはあまり家庭環境がいい方じゃなくて。だからうらやましいな、こういう家族って。暖かい家族ってわたしは知らなくて。家の中でさえ心をがちがちに固めていなくちゃいけなくて、そしてそんな自分が悪い子みたいで。家族にさえ心を許せないだなんて。わたしを生んでくれたこと、わたしを育ててくれたこと、わたしにお金をかけてくれたこと、わたしを気にかけてくれること。ぜんぶぜんぶわかるんだけれど、どうしても心があの人
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