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【シロクマ文芸部】花吹雪

お題:花吹雪


「花吹雪凄いねー!」

 ぶわりと吹いた強風は、ベランダから地上を見下ろす俺達にも右から左へと通過した。地上では川沿いに根を張る桜が、勘弁してくれと言わんばかりにピンク色の花びらを散らしている。ようやく満開を迎えた桜だが、どうやら散るのも早そうだ。
 隣で缶ビールを傾けていた彼女はいつの間にか携帯電話を構え、楽しげにシャッターを押す。まるで台風のような強風が豪快な花吹雪を作るその様が面白いのだろう。「こんなに凄いのはそうないね」と言って、今し方撮った写真のチェック。その出来栄えは満足のいくものだったようだ。彼女は上機嫌にまた缶ビールを傾けた。

「後でお母さんに送ろ」
「今じゃなくて?」
「今送ったら返信で時間潰れちゃうじゃん」



花見がしたい。
ちくしょう……花粉と黄砂さえなければ……!

下記に今まで書いた小説をまとめていますので、お暇な時にでも是非。


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