春風アイ

普段は仕事と子育てをしながら声優を目指しています。noteではオリジナル小説を書いてい…

春風アイ

普段は仕事と子育てをしながら声優を目指しています。noteではオリジナル小説を書いていますが、HPからはボイスサンプルを聞いてください!朗読劇やナレーション等、ぜひお声がけください♪ https://harukazeai.flag.gg/

最近の記事

追悼 鳥山明先生、ありがとう!!

ここしか書くところが無いので書かせて下さい。 鳥山明先生ほんとうにありがとうございました。 小学校入学直前に引っ越して来て、友達のあまりいなかった私。ある日突然、母がドラゴンボールの単行本を何冊も「大人買い」してくれた。 何故だったのか、それは今も分からないけれど 夢中になったその一冊を教室に持っていくと 周りの子達が自然と話しかけて来てくれて、 私は暗い小学校生活を抜けることが出来た。 やがてドラゴンボールが好きな女の子と親友になり、30年以上たった今も彼女は1番の親

    • 梅の実を拾いました

      • エッセイ『今日みたく青い空の日に珈琲を飲むことができる、幸せ』

        24年前の6月の「よく晴れた日」。 今日のように空は本当に青かった。 まるで南の島の台風の後のように 文句つけようの無い、青空だった。 19歳だった僕ら。 安全な大学の中ではしゃいでいた。 誰もがまるで舞台の主人公のよう。 でもその日、仲間がひとり死んでしまった。 とても輝いている人だった。 それはあまりにも突然過ぎて、時を止めた。 誰にもどうにもならない事故だったけれど ガラスの割れる音で、その日時が止まった。 あれから事あるごとに自分に問うてきた。 僕は、思いっきり

        • エッセイ「今日、生きることが苦しいこどもたちへ」あの時、死ななかった私の話

          私が高校生の頃の話をしよう。 辛すぎてエッセイにしよう、などとは これまで思わなかったけれど… 私がもし辛い経験を活かせるとしたら、 同じように苦しむこどもたちへの応援賛歌だ。 いま死にたい、と思っているこどもたちへ。 「こども」というのは何歳でも構わない。 40歳の子供もいるだろう。 暗闇の中、ヒカリが見えないひとたちへ。 私は16才だった。 地味で多感で、ありふれた高校生。 でも、ようやく少しおしゃれも覚えて これから楽しい学校生活が待ってるかも!と期待に胸を膨らませて

        追悼 鳥山明先生、ありがとう!!

          エッセイ『大好きだよ』捨て犬だった君へ

          彼女は幸せだっただろうか 彼女は淋しくなかっただろうか 彼女は 今も私たちを愛してくれているだろうか  「よく頑張ったね!」 私たちの姿を見つけた彼女は、力弱く、でも嬉しそうに微笑んで応えた。 久しぶりと言っても三日間だが、私たち家族にはとてもとても長い三日間に思えた。  彼女が癌に侵されていると分かった時、それは既にかなり進行していて、体中に広まってしまっていた。年齢も若くないから手術自体に耐えられない可能性もあるし、たとえ手術をしても助かるか分からないと、お医者さんに

          エッセイ『大好きだよ』捨て犬だった君へ

          オリジナル短編小説「私の愛した犬たちへ」

          私はこれまでに3匹の犬を飼ったことがある。 最後の子が死んでしまって、 もう5年は過ぎてしまったか…。 プライドが高くて凛々しかった柴犬 とても優しくて賢かったビーグル犬 わがままでチャーミングだったミックス犬 最初の柴犬は自分が幼すぎて まだ少し犬が怖かったけれど 私はどの子も心から好きだった。   実は2匹目と3匹目の子たちは 今も私のそばにいてくれている。 あまり人には話さないけれど、 いつもそばにいてくれるのだ。 それは守護霊、と呼べばいいのだろうか? 私はその

          オリジナル短編小説「私の愛した犬たちへ」

          オリジナル短編小説「桜が散る頃には」

          もしも、あの時結婚していなかったら。 もしも、子どもを産んでいなかったら。 ほとんどが葉桜に変わった春の終わり。 新緑に混じって、残った僅かな花びらが舞い散る 私が代わりに!僕が代わりに!と言わんばかりに 桜の木の下で息を潜めていた小さな野花達が 地味なりにも、色とりどりに咲き乱れている。 桜と一緒に咲き誇った菜の花の大群だけが 共に咲いた最後の桜吹雪を惜しんでいるようだ。 篠田カレンは、20年この景色を見て来た。 待ち望んだ春が来て、そして去っていく。 「もう、20年か

          オリジナル短編小説「桜が散る頃には」

          夏祭りの金魚のように

          明日、学校に行くのがとても苦しい。 明日、玄関のドアを開けるのがとても苦しい。 でも、死んじゃダメ。 今、君の知っている世界が全てではないから。 今、君の住んでる世界は本当の世界のほんの一部でしかないから。 死ぬ必要が、ない。 狭くて息苦しいその世界は 夏祭りの金魚の水槽 今は自分で飛び出す術がないけれど ほんの数年で気がつくはず 生きてさえいれば、どんな選択もできる 生きてさえいれば、世界は変わる 見たことのない明るい場所へ どんな地味な金魚も行け

          夏祭りの金魚のように