シマ

読書メモとして、読書メーターやブログ投稿していたものなどを読み直しての投稿がメインです…

シマ

読書メモとして、読書メーターやブログ投稿していたものなどを読み直しての投稿がメインです。めざせ、十四歳で理解できるものを。

最近の記事

グローバリズムは可能なのか

グローカル(glocal)という言葉があります。グローバル(global世界的な)とローカル(local地方的な)の合成語で、〈「Think Globally,Act Locally」を略した言い方〉(『現代社会用語集』山川出版社)、〈世界的であるとともに、地域的であること〉(『現代カタカナ語辞典』旺文社)とあります。よく耳にするのは、カレーを例にとったもので、カレーというインド由来の料理を、日本人の口に合うようにアレンジしたおかげで、国民食と呼ばれるようになった、というもの

    • パーティー券収入と日産の不当減額

      パーティー券収入の還流という問題が、取りざたされています。ある程度は派閥に収めるノルマがあって、それを上回る金額は、議員に還流される、という仕組みだそうです。それを受け取った議員たちは、おそらく政治活動費(選挙活動費かもしれません)にあてていたように見受けられます。そして、還流を受けるためには、パーティー券収入を増やすような活動もされなくてはなりません、本来の職務を差しおいても。 しかし、政治の現場では、表面に出せないような「お金」の流れの必要な場合もあるでしょうし、それが

      • バブル?

        株式や投資などについての知識は、ほとんど持っていないに等しいのですが、以前から気になっていたことがあります。日経平均株価はたいてい100円単位の変動ですが、ダウ平均株価は100ドル単位の変動をよく見かけます。一日に何百円価の変動なら理解できますが、一ドル百五十円として、百ドルでは一万五千円の変動って、なんだか空恐ろしくありませんか。 昨日の26日に、日経平均株価が3万9233円71銭 で22日の終値の史上最高値を更新しました。 これをどう評価すべきなのでしょうか。バブル経

        • 父という余分なもの

          「父」という存在は「母」の配偶者であることを、その存在の拠りどころとしてしか、実感できない存在です。母は「受精」「懐妊」「妊娠」「出産」という経験をともないますが(受精・懐妊は後からわかるのですが)、父は母の膣内に、気持ちよくなって射精するだけの存在でしかありません。だから、「父だ」という確信を自律的にもつことはできないのです。 たとえば、私たちは「地動説」によって説明されている世界に生きていますが、地球が太陽の周りをまわっていることは実感できません。実際、「陽が昇る」とか

        グローバリズムは可能なのか

          選択的夫婦別姓制度への道

          特権階級が、己の既得権益と権力を維持するための障害を、取り除くのが唯一の目的となり、政策などにかまけている暇はない、という姿勢ですね。だから、弊害が明確になっても、改革などはできず、悪弊におちいる結果になります。これも、百姓一揆に端をもつ〈政治はすべて武士にお任せ、ただし増税だけは一切拒否〉(256頁)という庶民の政治への無関心が原因であるといえそうです。 このようなことを、思い出したように挙げたのは、『「夫婦別姓」経済界動く 世界に通じぬ旧姓通称』(毎日新聞2024/2/

          選択的夫婦別姓制度への道

          愛知 みよし市 非正規公務員の時給 最大9.5%引き上げへ (https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240207/k10014349921000.html) 保護規制から取り残されている「非正規公務員」。その待遇改善の先駆けとなるか

          愛知 みよし市 非正規公務員の時給 最大9.5%引き上げへ (https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240207/k10014349921000.html) 保護規制から取り残されている「非正規公務員」。その待遇改善の先駆けとなるか

          グローバルで人気の「SUV」はツラいよ⁉フランスのパリは住民投票でSUVの駐車料金が普通車の3倍に‼(https://bestcarweb.jp/feature/column/778668) 昨年のヨーロッパでのマイクロプラスチックの原因となるラメの使用禁止につづいての環境への配慮

          グローバルで人気の「SUV」はツラいよ⁉フランスのパリは住民投票でSUVの駐車料金が普通車の3倍に‼(https://bestcarweb.jp/feature/column/778668) 昨年のヨーロッパでのマイクロプラスチックの原因となるラメの使用禁止につづいての環境への配慮

          「和」と「寛容」

          日本は西洋文明国以外で、最初に西洋化された国だといわれています。戊辰戦争が一八六八年、日清戦争が一八九四年、日露戦争が一九〇四年にに始まり、これでいわゆる西洋国家の仲間に入ったとされています。しかし、私たちが西洋文化を取り入れているか、といえば、それは表面的なものにしかすぎません。 「和」と「自由」を対比して述べられている点は、非常に説得的である、と同意します。両者は、対極の位置にある、とさえ考えられます(「社会」か「個」か)。そしてその対立は、日本に特徴的に表れている、と

          「和」と「寛容」

          インセストタブー

          近親婚について、『法律学小辞典 第5版』(有斐閣)によると、〈優生学的配慮と倫理的見地から、一定範囲内の近親婚は禁止される〉、とされています。その「一定範囲内」とは、 イ 直系血族間(祖父母、父母、子、孫) ロ 3親等内の傍系血族間(キョウダイ、オジ・メイ、オバ・オイ) ハ 直系”姻族“間(ヨメ・シュウト、ムコ・シュウトメ) であり、それは民法によって禁止されています。 ちなみに、一親等とは親子、二親等はキョウダイ・祖父母/孫、三親等はオジ/メイ・オバ/オイの間柄であり、直

          インセストタブー

          夫婦同姓と異性婚

          夫婦別姓や同性婚について、保守派が、日本伝統の「家」を基盤とする基盤とする(近代)「家族」というシステムの崩壊の可能性を危惧し、「家」という規範の崩壊の可能性があるとして、認めようとはしません。そのような規範はいつからのものなのでしょうか。 遠藤正敬『犬神家の戸籍 「血」と「家」の近代日本』(青土社 2021)を見てみます。 「家族」という概念が制定されたのは、一八九八年七月十六日に施行された「明治民法」からだ、といわれています。明治民法の定義では「家族」とは、第七三二条

          夫婦同姓と異性婚

          消費税と派遣労働

          消費税とは付加価値税の一種で、単純に「利益にかかる税金」という認識だけしかありませんでした。。しかし、三木義一『日本の税金 新版』(岩波新書 2012)に次のような記述があり、少し長いですが引用します。 つまり、パートなどを含む従業員の給与は、課税仕入れではないのですが、派遣労働者の場合は、給与ではなく、労働者派遣料として、受け入れた会社が対価として支出(!)しているのです。これをはじめて読んだときは、しばらく目が釘づけになってしまいました。労働者は労働を商品としているので

          消費税と派遣労働

          タブーの謎を解く

          韓国で、食用目的で犬の飼育や繁殖をし、肉を販売することを禁止する法案が国会で可決しました。犬は広くペットとして認識されていて、そのことが忌避観をもたらしたようです。また〈日本でも、「左前を着るな」、「敷居を踏むな」、「二人箸を使うな」、「さかさ水を注《さ》すな」、「夕暮れに隠れん坊をするな」といった禁戒〉(10頁)というのがありました。かつてと今日ではタブーの範囲が大きく異なっているようです。それについて著者は述べています。 リーメントとは境界という意味です。 ペットは、

          タブーの謎を解く

          日本国民であるために その2

          前回、個別社会が孤立して存在し、一般意志が成立していない状況までをみました。これは日本社会において、顕著にみられる特質といえるのではないでしょうか。世界中で社会が分断され、対話が成り立つ土壌の喪失が言われていますが、日本の状況は少し異なるように思えてなりません。その理由は「主権者」という概念にあるように思われます。 大日本帝国憲法では「天皇主権」、日本国憲法では「国民主権」がうたわれています。しかし、帝国憲法では天皇は「主権なき主権者」(天皇機関説!)であったことは自明です

          日本国民であるために その2

          日本国民であるために その1

          1 割り込みをすることは悪いことか。 2 選挙で自分に投票することは「ずるい」ことか。 3 無関心ではないのに、政権にも、政権に反対する人にも賛成も反対もできないことは認められるか。 4 過去の日本人の罪を現在の日本人は謝罪しなければならないのか。 これら四つの問いを、著者は〈まだ答えられていないふつうの問いを、ただ普通に問うてみ〉ることをとおして、〈日本という国家の特殊なあり方〉を〈浮かび上が〉らせようと、とりあげています。 まずは、憲法をもつ国の原則から始めています。

          日本国民であるために その1

          ほんとうの憲法

          とくに政府発表の表明などでは、「国民の皆様」に向けて発せられています。日本の場合、「国民」とは「国籍」を有している者のことですから、日本に在住していて、国民ではない者は?と、どうも違和感を感じてしまいます。たとえば憲法第十一条です。「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵《おか》すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」 国民でない者の基本的人権や政治での適応は、どうするの、と疑問に感じます。 なぜ

          ほんとうの憲法

          主権者を疑う

           国民は「一人で三役を熱演している」とまず述べています(16~20頁)。  まず、「主権者」としての役割。日本国憲法の前文を引用しています。   「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって、再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」  つまり、「主権者」とは

          主権者を疑う