[小児科医ママが解説] 「じんましん=アレルギー」ではありません。
ボコッとふくらんだ、赤い「じんましん」。
虫さされのような見た目で、医学的には「膨疹(ぼうしん)」といいます。
突然お子さんにじんましんが出ると、びっくりしますよね。
特にアレルギーかどうかは、非常に多くご質問いただきます。
が、必ずしも「お子さんのじんましん=アレルギー」ではないですよ、というお話を今日はしていきます。
じんましんは、風邪の症状のひとつ。
お子さんのじんましんは、医学的には「特発性」というカテゴリーのものが多いです。
これは「特定の、直接的な原因は見当たらない」じんましん、ということです。要は「これといった原因はない」じんましん、ということですね。
とはいえ、じんましんが出る「引き金になるようなキッカケ」については、研究があります。
それによると、お子さんは「風邪など、感染症がきっかけとなって、じんましんが出ることが多い」というものです。(蕁麻疹診療ガイドライン2018)
つまり、じんましんは、風邪の症状の1つということです。
何かのアレルギーかと、つい気になってしまうじんましんですが、お子さんで多いじんましんの原因は「風邪」なんですね。
アレルギーだとしても、皮膚の症状だけなら、急ぎの受診は必要なし。
もちろん、食べ物のアレルギーの一症状として、じんましんが出ることがあります。
食べ物のアレルギー症状として、じんましんが出る場合は、
こんな特徴があります。
0歳で多いアレルギー食材は「卵・乳・小麦」なので、
もしこうした食材を食べた後にじんましんが出る場合は、
アレルギー症状として、じんましんが出ている可能性があります。
ただしアレルギー症状だとしても、
もし「じんましん」だけの症状であれば、
緊急で受診する必要はないケースがほとんどです。
じんましんだけであれば、数時間〜24時間以内に、
あとを残さず消えるからです。
ただし、たとえば卵を食べた後にじんましんが出た場合、
などを判断するために、後日、受診はしてください。
じんましんだけに症状がとどまらず、
こうした全身の症状がある場合は、急いで受診する、
あるいは救急車を呼んでください。
全身のアレルギー症状である「アナフィラキシー」を疑う症状だからです。
いかがでしょうか。
という内容でした。
もし今後、お子さんにじんましんが出た場合も、
少しでも安心して対応いただける一助になれば幸いです。
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