佐崎紫郎

小説とエッセイを書きます。よろしくお願いします。noteの機能が良く分からないので、試…

佐崎紫郎

小説とエッセイを書きます。よろしくお願いします。noteの機能が良く分からないので、試行錯誤です。いろいろ乱れるところがあり、申し訳ありません。最終的には一週間に一回ぐらいのペースで安定して投稿することを目標にしたいですが、最初は不規則に始まるでしょう。

マガジン

  • 保存記事

  • 改訂版 自然と時間

    この作品の旧版は、2023年にこのnoteで掲載していました。あまり計画的に書き出したのではなく、しかも途中でモチーフが大きく変化したので、記述に混乱が残っていました。それは書いている段階でも気になっていたのですが、その後、続編を書きだしてから改めて意識せざるを得ず、去年の夏以降、この作品に立ち返って改訂にとりかかりました。特に多かった作中の年譜的進行を飛び越えた記述は削除して、ほぼ続編にゆだねることにしました。この改訂作業は、結果的に、文章がすっきりして、作品として飛躍的に分かりやすくなったと思います。 (Kindle版の発行に手こずっているので、その間は無料公開することにしました。こちらの方も、その設定にずいぶん手こずりましたが、結局、各章を新規に投稿し直しました。)

  • 森を歩く

    2020年7月15日から「犬の物語」と題して note に連載していた小説を完成させ、多くの加筆訂正を行い、12月31日にこの有料マガジンに移しました。その時に、「森を歩く」とタイトルを変え、語り手も一人称から三人称に変え、さらに必要な修正も加えました。そして、ようやく21年1月15日に、Amazon の Kindle 版の発行にこぎつけました。ただし、連載時のタイトルを副題に採用して、内容が推測できるようにしました。これで、そもそもの書き始めから6年で、ようやくゴールに到達できたことになります。 【追記】23年3月に「自然と時間」のKindle版と紙書籍版をAmazonで発行したのを機に、この拙いけれど素材的に関係がある「森を歩く」も、Kindle版に加えて紙書籍版も作成しました。また、非公開にしていたこのマガジンも再公開しました。いずれも、「犬の物語」という副題は削除ました。

  • 兄と私(素材)

    あれこれ書いているうちに状況が変わってしまい、文章に別の要素も入ってしまいました。小説の体をなしていませんが、これらの文章を元に、小説としてまとめようと思っています。そのままエッセイになってしまうかもしれませんが、取りあえず、素材集としてここにアップして一区切り付けます。 しばらくぶりに note を開いたら、生かじりだった操作方法がさらに少し変わったみたいで、初心者として再スタートです。編集や公開に不備があるかもしれませんがよろしくお付き合いをお願いします。

  • 小品集

    作品として一応のまとまりを持った文章をまとめていく予定です。

最近の記事

今回の「改訂版 自然と時間」では、Kindle版の電子書籍版と紙書籍版とで同一価格を付けました。note掲載版の方は当面、無料公開を継続いたします。もし、まとまった形でお読みになりたければ、AmazonのKindle版をどうぞ。各章ごとに読み進めたい方はnote掲載版でどうぞ。

    • 古い一太郎を使っているせいなのか、そこで紙書籍用の目次設定がしてあると、そのままではepub=電子書籍では、二種類の目次が付いてしまう。最初は、電子書籍版と紙書籍版で目次を外したり付けたりしてアップしていたが、その後の再アップ作業で混乱するので、今は目次付きのままアップしている。

      • Kindleの電子書籍版の発行は、epub版に変換してアップする作業になる。プレビュワーで見ると引用元の表記を右寄せにしてあるところが、引用文全体に反映してしまっている。noteに投稿したときも類似の問題があり、今回も根本修正とはたぶん違う工夫を少しして何とか繕い、発行した。

        • Kindle版のペーパーバックは、本文も表紙画像も最終的にPDFファイルでアップする。その作業の過程で、特に本文の不備が、目に付くごとに修正したくなる。「完成はない。諦めがあるだけだ」という、昔読んだ誰かの言葉を思い出しながらの作業になる。noteにも時折、アップし直す。

        今回の「改訂版 自然と時間」では、Kindle版の電子書籍版と紙書籍版とで同一価格を付けました。note掲載版の方は当面、無料公開を継続いたします。もし、まとまった形でお読みになりたければ、AmazonのKindle版をどうぞ。各章ごとに読み進めたい方はnote掲載版でどうぞ。

        • 古い一太郎を使っているせいなのか、そこで紙書籍用の目次設定がしてあると、そのままではepub=電子書籍では、二種類の目次が付いてしまう。最初は、電子書籍版と紙書籍版で目次を外したり付けたりしてアップしていたが、その後の再アップ作業で混乱するので、今は目次付きのままアップしている。

        • Kindleの電子書籍版の発行は、epub版に変換してアップする作業になる。プレビュワーで見ると引用元の表記を右寄せにしてあるところが、引用文全体に反映してしまっている。noteに投稿したときも類似の問題があり、今回も根本修正とはたぶん違う工夫を少しして何とか繕い、発行した。

        • Kindle版のペーパーバックは、本文も表紙画像も最終的にPDFファイルでアップする。その作業の過程で、特に本文の不備が、目に付くごとに修正したくなる。「完成はない。諦めがあるだけだ」という、昔読んだ誰かの言葉を思い出しながらの作業になる。noteにも時折、アップし直す。

        マガジン

        • 保存記事
          2本
        • 改訂版 自然と時間
          6本
        • 森を歩く
          3本
        • 兄と私(素材)
          5本
        • 小品集
          1本
        • 雑文集
          0本

        記事

          ペーパーバック版の表紙画像は、最後にもバーコードの設定を忘れて発行手続きをしてしまい、翌日、Amazonから【重要】の確認メールが届いた。今回の画像アップ前の作業中も、それ以前の発行でも同じミスを何回か繰り返しては直したのだが、結局、ゴール寸前でもそれで時間をロスしてしまった。

          ペーパーバック版の表紙画像は、最後にもバーコードの設定を忘れて発行手続きをしてしまい、翌日、Amazonから【重要】の確認メールが届いた。今回の画像アップ前の作業中も、それ以前の発行でも同じミスを何回か繰り返しては直したのだが、結局、ゴール寸前でもそれで時間をロスしてしまった。

          「改訂版 自然と時間」のKindle版をようやく発行し終えた。紙書籍(ペーパーバック)版は、特に表紙の作成で手間取ってしまった。一年前の旧版の手直しだから簡単なはずだったが、文字の位置合わせとサイズの調整で、作業の精密さを欠いて何度もやり直しになり、時間を浪費してしまった。

          「改訂版 自然と時間」のKindle版をようやく発行し終えた。紙書籍(ペーパーバック)版は、特に表紙の作成で手間取ってしまった。一年前の旧版の手直しだから簡単なはずだったが、文字の位置合わせとサイズの調整で、作業の精密さを欠いて何度もやり直しになり、時間を浪費してしまった。

          本文の修正が必要な箇所は読み返すごとに見つかるが、そろそろ再び続編にとりかからねばならない。いや、その前に、この改訂版のKindle版表紙作りだ。いつも手こずっていたが、旧版「自然と時間」からページ数が増えたことでつまずいている。これも、やはり勉強不足だ。

          本文の修正が必要な箇所は読み返すごとに見つかるが、そろそろ再び続編にとりかからねばならない。いや、その前に、この改訂版のKindle版表紙作りだ。いつも手こずっていたが、旧版「自然と時間」からページ数が増えたことでつまずいている。これも、やはり勉強不足だ。

          去年も同様に、「自然と時間」のオリジナル有料版とその校正ずみ無料版が併存していて、前者を非公開にしていたはずなのに同名各章のビュー数が別個に推移した。noteでのマガジンと各記事の関係は、PCの記録媒体でいうフォルダーとその中の各ファイルの関係とは違う。まだ勉強不足だ。

          去年も同様に、「自然と時間」のオリジナル有料版とその校正ずみ無料版が併存していて、前者を非公開にしていたはずなのに同名各章のビュー数が別個に推移した。noteでのマガジンと各記事の関係は、PCの記録媒体でいうフォルダーとその中の各ファイルの関係とは違う。まだ勉強不足だ。

          ようやくまとめた「改訂版 自然と時間」の最新の文章を無料版のマガジンとして公開した。しかし、ダッシュボードの各章ごとのビュー数を見ると、同タイトルの初期バージョンで非公開にしたマガジンの各章のビュー数も増えている。最新版を読んで欲しいので、非公開マガジンの方は削除した。

          ようやくまとめた「改訂版 自然と時間」の最新の文章を無料版のマガジンとして公開した。しかし、ダッシュボードの各章ごとのビュー数を見ると、同タイトルの初期バージョンで非公開にしたマガジンの各章のビュー数も増えている。最新版を読んで欲しいので、非公開マガジンの方は削除した。

          あとがき

           タイトルの「自然と時間」は、朝日新聞国際報道部次長の青山直篤氏の次の文章中の文言に拠っている。  これは、経済学者ブランコ・ミラノビッチ氏への「二つの資本主義 危うい対立」というインタビュー記事に付けられた「『細雪』の日本 役割は」という、「取材を終えて」という趣旨の文章である。オートフィクション風の文章を書きながらそのタイトルを考えあぐねていた私は、青山氏の文章中の、「美しくも時に残酷な」という語句に惹かれて、私の本の書名を決めた。  しかし、当初は中扉の表題の脇にこの

          五 近江

           一九六五年(昭和四十年)の晩秋、当時の住所表記で近江(おうみ)の沢木家の新居が完成し、兄弟はアパートからそこに転居した。  この住所の「おうみ」は「淡(あわ)海(うみ)」つまり湖のことで、もともとは古代日本の中心地大和(やまと)で近隣の湖である琵琶湖とその周辺を指す地名だった。琵琶湖は「近(ちか)つおうみ」という呼称もあり、それは東海道の浜名湖一帯を「遠(とお)つおうみ」つまり「とおとうみ」と言うのと区別するためで、結果として両者を対比的にあつかう「近江(おうみ)」と「遠(

          四 信濃川左岸

           兄秋生との険悪な関係は無限に続くように思われた。だが、父の転勤も幸いした。家がまた新潟市の中心部に移ることになったが、兄は中学三年生で高校受験を間近に控えていたので転校せずに、そのまま郊外の元の中学校にバス通学することになった。  春生も小学六年生だったので、最初、転校することには気乗りしなかったが、以前から受けていた家庭教師の先生が、今度の転居先がその校区内に位置することになる小学校の教育環境が良いことを挙げ、  「自分の子供だったら即、転校させますよ」 と両親にアドバイ

          四 信濃川左岸

          三 通船川

           父の転勤で、春生が転校したのは小学二年になるときだった。新しい住居は当時の新潟市の東方郊外で、広く言えば山の下地区にある長屋形式の社宅だった。ここに住んだのは四年二ヶ月で、春生が新潟県内に住んでいた間では一番長く住んでいたことになる。  社宅は、表通りから裏通りに突き抜ける路地に沿って建っていた。たぶん、かつて一本の廊下で繋がっていた建物を間仕切りして六軒の長屋とした、文字通り長い建物だった。また、それとは別に、その長屋の南側に戸建て一軒が並んでいて、社宅は全部で七軒が並ん

          三 通船川

          二 信濃川右岸

           父が新潟市に転勤になり、一家が転居したのはその年度の途中だった。新しい住居は信濃川の右岸、昭和橋の南の袂近くの社宅で、当時の家族の用語では「昭和橋」または「下所島」の社宅と言ったが、その地域は、今の住居表示では「下所島」に含まれていない。二軒ずつ隣り合った長屋風の建物が五、六棟並ぶ社宅の南西端の一軒だった。長屋形式も社宅も初めてで、二部屋ある住宅に住むのも初めてだったかもしれない。南向きに小さな庭を挟んで道路に面しているその家は、玄関から入って右側に確か六畳と八畳が並び、家

          二 信濃川右岸

          一 非日常の日々

           春(はる)生(お)が二、三歳ぐらいの頃だった。兄の秋(あき)生(お)と二人で、母に連れられて初めて北海道の母の実家に行った。  母の育った村には、丘の南側の中腹に神社があり、その下の傾斜地に役場があった。そして、その丘の向こうから一本の道路が大きくカーブして神社と役場の脇を緩やかに下って町の中心部に入って来る。祖父母の家は、その坂道の麓に建っていた。  春生がはっきり覚えているのは、バスがその坂道をゆっくり下りてきて祖父母の家の前に差し掛かったとき、春生の目の前で秋生が突然

          一 非日常の日々

          あとがき

           タイトルの「自然と時間」は、朝日新聞国際報道部次長の青山直篤氏の次の文章中の文言に拠っている。  これは、経済学者ブランコ・ミラノビッチ氏への「二つの資本主義 危うい対立」というインタビュー記事に付けられた「『細雪』の日本 役割は」という、「取材を終えて」という趣旨の文章である。オートフィクション風の文章を書きながらそのタイトルを考えあぐねていた私は、青山氏の文章中の、「美しくも時に残酷な」という語句に惹かれて、私の本の書名を決めた。  当初は中扉の表題の脇にこの青山氏の