さぜ@Uターン

福島県在住。 東京などでソフト開発・技術営業・SE職などで働くも色々と限界を感じ郷里へ…

さぜ@Uターン

福島県在住。 東京などでソフト開発・技術営業・SE職などで働くも色々と限界を感じ郷里へ。現在は総務・経理・兼社内システム全般担当。 定時退社を有効活用し自己主張を公開。地方、中小企業、ICT関係のトピックが多め。

マガジン

  • 元SEが中小企業の人事制度をゼロから完成させた話

    「元SE」として地方企業のDXをしたかった筆者は、なぜか数年の総務経験を買われてスカウト転職の上、課題まみれの製造企業で「半年で人事制度を完成させる」というミッション・インポッシブルを課せられるのだった・・・

  • テレワークするなら知っておきたいWEB会議にまつわるアレコレ

    テレワークに欠かせない、遠隔会議システムのノウハウを書いた投稿を集めました。

  • SEに疲れたら経理をやろう。地方の中小企業で。

    筆者の経験に基づき、「都会のSEが」「地方の中小企業の」「経理になる」ことによる素晴らしい効果について書いたコラム16本。

最近の記事

  • 固定された記事

中小社長が「人事制度」を欲するまでの思考

地方中小企業の「人事」は、夢しかない私はもともとシステム関係の仕事をしてきましたが、Uターン転職先でたまたま総務・人事課として採用され気付けば5年。その経験を買われ、別の中小企業にスカウト転職し、人事課として人事制度刷新を命じられました。人事どころか自分のキャリアもコントロールできてないのに、わからないものです。 これで中小企業は2社目ですが、両方とも、お世辞にもまともな人事制度がない状態でした。 1社目は、まともどころか、人事制度ゼロ。数人の会社ならともかく、数十人いて、

    • 『年功制』給与制度の危うさをあらためてつまびらかにする

      もし現在の年功序列的な人事制度を継続した場合に、賃金はどうなっていくか。前回の記事では、簡易的な回帰分析によってそれを類推しました。 ただしあくまで回帰分析ですから、誤差はつきものです。 そこで今回は、その推測に後ろ盾を与えるような、「制度上の限界」についての可視化をしていきます。 「年齢給」の良し悪しは、社員構成次第昔ながらの給与制度によくあるのが「年齢給」。 たとえば高卒新卒入社の19歳なら年齢給10万円、その後毎年1,000円ずつUP、ただし上昇するのは45歳まで、

      • 中小企業に「効く」人事制度:データ分析で会社の行く末を語る

        前回の記事は、経営者の背中を押すために必要な「人事制度の大原則」を自分なりに述べましたが、その中で今回は下記を取り上げます。 なぜ人事制度を刷新しないといけないのか。 経営者はいろいろとそれらしい言葉を並べますが、結局一番の問題と思っているのは「今の制度では人件費が膨らんで会社がもたない」と感じているからでしょう。 年功制からの脱却人件費が会社経営を圧迫する場合の原因が”年功的賃金体系”であることが多いわけです。 なにせ、しっかりした人事制度がないと、毎年皆同じことをして

        • 中小企業に「効く」人事制度刷新ストーリー

          ひょんなことで、転職により中小企業の人事制度刷新を任され「プロジェクトひとり」となった私。 システム職の経験を活かして地方DXをしたかったはずが、頼りない数年の総務経験だけでDXならぬ「JX(人事トランスフォーメーション)」をすることに。Let it be の人生ここに極めり。 十月十日(とつきとおか)で為す母の偉大さよ 社長から告げられたターゲットスケジュールは、「10ヶ月後に運用開始」です。 後から気付いたわけですが、人事制度刷新というのは会社にも社員にも大きな影響が

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        中小社長が「人事制度」を欲するまでの思考

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        • 元SEが中小企業の人事制度をゼロから完成させた話
          4本
        • テレワークするなら知っておきたいWEB会議にまつわるアレコレ
          6本
        • SEに疲れたら経理をやろう。地方の中小企業で。
          16本

        記事

          労基署にメールしたら匿名でも動いてくれた話【立ち入り調査編】

          とある地方中小企業の総務課長であるSさん。 社長が残業代を意図的に支払わおうとしない態度に我慢ならず、労働基準監督署への申告を決意。 とはいえ会社に身バレしたくないので、厚労省の「労働基準関係情報メール窓口」を利用し、匿名にて情報提供するに至りました。 前回の記事: 悪魔は突然やってくる情報提供してから約2ヶ月後、それは突如やってきました。 受付担当が総務部長にそう伝えます。 入り口には、何やらソレらしい細身の男性が立っています。 宮川大輔のような風貌の、こざっぱり

          労基署にメールしたら匿名でも動いてくれた話【立ち入り調査編】

          労基署にメールしたら匿名でも動いてくれた話【書き方編】

          とある地方中小企業の総務課長であるSさん。 社長が残業代を意図的に支払わおうとしない態度に我慢ならず、労働基準監督署への申告を決意。 しかし、自分の身を投じて滅私奉公するほどの覚悟はないので、厚労省の「労働基準関係情報メール窓口」で匿名申告することにしました。 前回の記事: さて、厚労省メール窓口には、「情報提供のポイント」という資料がご丁寧に提示されています。 ここには3つのポイントが記載されています。 しかも丁寧にも、送信フォームには「情報提供内容」として以下の

          労基署にメールしたら匿名でも動いてくれた話【書き方編】

          労基署にメールしたら匿名でも動いてくれた話

          あるところに、残業代を支払う気のない経営者の会社・A社と、その会社で働く総務課長のSさんがいました。 Sさんは総務課長ですから、社員のモチベーションアップも大きな仕事の一つです。 しかし、どう頭をひねっても、残業代も払われないような環境では社員のやる気など上がるはずもありません。 しかもその経営者は、「残業代を払っていない」という事実を客観的に記録されることを避けるために、出退勤時間打刻さえさせていませんでした。狡猾なやり口といえます。 これはつまり、誰がどれだけ働い

          労基署にメールしたら匿名でも動いてくれた話

          日本の駄目なところを集めたものが、農薬汚染問題

          次の書籍を読みました。これはあまねく日本国民全員に紹介しなければいけないものでした。 この本(以下「本書」)で指摘される、日本の残留農薬における問題を俯瞰すると、現在の日本をダメにする悪しき慣習たちが無邪気に手をつないで輪になって、かごめかごめを歌っている情景が浮かびました。 手で目隠しをして輪の中央に座らされているのは、私達国民です。 その悪しき慣習を挙げると、次のようなものです。 ・産業優先、学術論文軽視 ・政治的、恣意的な「業界基準」作り ・天下りによる、組織

          日本の駄目なところを集めたものが、農薬汚染問題

          ワクチンハラスメントを支える「免罪符」思想から脱却するために

          (TOP画像引用元:いわきコロナアクション) 新型コロナワクチンを打つ・打たないは自由。 自分がどちらなのか表明する必要もなければ、聞くこともしない。 それが自由ということ。 こういった風潮になりつつあると感じています。 これは「反ワクチン派」の敗北なのか。 はたまた、結論が見えない、というよりしばらく結論などありようもないが故の折衷案なのか。 いずれにせよ私は上の空気感で良いと思っていますが、次のようなびっくりアイテムが誕生してくると、いろいろと考えさせられてしまい

          ワクチンハラスメントを支える「免罪符」思想から脱却するために

          地方中小企業で人事評価制度構築を丸投げされて考えること

          こちらのnoteでは、私が約4年前に中途入社した地方中小企業での経験をベースに、地方、それから中小企業が抱える問題点を記述してきました。 一部上場企業には当たり前にあるような、組織として機能するための基本となる仕組みも、最低限しか無い状態でした。 必要な会議体が無いとか、情報セキュリティ基準が無いとか、そういった「あるべき」くらいのものならまだしも、勤怠管理ができておらず法律を守れていないといった「なければいけない」ものまで大小あり、枚挙にいとまがない状態です。 私はそ

          地方中小企業で人事評価制度構築を丸投げされて考えること

          中小企業のジェンダー問題に抗う

          私は中小企業で総務をしています。業務の中で法令の改正を通じて世の中の変化を否応なしに知ることがあります。中でも女性の労働環境、特に出産・育児支援に対する制度改正は頻出トピックかつ要チェックです。 例えば男女雇用機会均等法関連の改正により、育児を行う労働者が子の育児休暇を時間単位で取得できるようになり、就業規則改定の検討が必要となりました。また、職安や人材紹介サービスに提出する求人票には、育児休暇制度の有無や、過去の取得実績を記述する必要があります。 女性を意識した職場環境

          中小企業のジェンダー問題に抗う

          公立学校教員への「変形労働時間制」適用の意味を、中小企業総務観点で考える

          私が総務として働く会社では「1年単位の変形労働時間制」を採用しています。 うちの会社の場合は、事業分野の性質から特定の時季に仕事量が偏るので、この制度の採用は一見納得のようにも思えます。しかしながら実際は多くの問題をはらんでいます。 また、最近の話題として、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」を改正する法律案に1年単位の変形労働時間制を適用することができる条文改正があったということが、大きな反対運動を生み出しました。 この「1年単位の変形労働時

          公立学校教員への「変形労働時間制」適用の意味を、中小企業総務観点で考える

          補聴器のウェアラブルデバイスとしての可能性

          突然ですが、私は定期健診の聴力検査で右耳の4kHz40dBが聴こえません。 音圧レベルを上げてもらうと聴こえるので、その周波数帯の有毛細胞が完全に死んでいるわけではなさそうですが、常にその高さ付近の耳鳴りがしているので、検査音が耳鳴りに埋もれるのです。 どうしてそうなったのか、原因を考えると、大学生時代にライブだったりヘッドフォンだったりで耳を爆音に晒し、かけがえのない絨毛をいじめてしまいました。 あまつさえ、社会人になると軽音部に入って、部室で長時間、ドラマーのキックやス

          補聴器のウェアラブルデバイスとしての可能性

          西会津のイノシシ被害から都市生活の未来を問う

          (Photo by (c)Tomo.Yun) 私が勤める会社の営業さんが、朝礼で下記のような話をしていました。 最近農家のお客さんから、イノシシ被害の話をよくされる。中には、それが理由で農業をやめようと思っている人さえいる。何かよい対策方法がないものか? そう言ってくるお客さんは、皆、福島県の西端である西会津町にお住まいの方々です。 そして「営業の味方たる総務」を自称する私は、そんな悩みを何とかする方法がないか(あわよくばビジネスにならないか)を検討するために、まずはイ

          西会津のイノシシ被害から都市生活の未来を問う

          DXと中小企業。企業の社会貢献度が評価される日を夢見て

          前回の下の記事に続き、会津若松スマートシティー拠点AiCTに関する内容です。 特に今回は、「中小企業のDX」に焦点を当てます。 中小企業のDX遅れは日本にとって致命傷政府が国の政策として行政デジタル化に取り組む。そして一般企業に対しても「DXレポート」を発してDX化を推奨する。なぞるように大手IT系企業がこぞって「DX推進組織」を立ち上げる。コロナ禍で胸元を揺さぶられた眠れる巨人・日本にとって、経済停滞を抜けるためにはこの流れを止めずに走りきらなければいけません。 しか

          DXと中小企業。企業の社会貢献度が評価される日を夢見て

          スマートシティー拠点AiCTの今。なぜ会津若松か?が見えてきた

          10ヶ月ほど前に、会津若松市のスマートシティー拠点AiCTについて投稿しました。 超ローカルネタだったので閲覧数はまったく期待しておらず、だからこそあるのかないのかわからない話も含めて勝手に書いたのですが、これが未だにじわりじわりとコンスタントに閲覧され続けています。 それだけこの取組は、世間的な注目を得るだけの価値のあるトピックなのだとわかりましたし、昨今のDXブームと相まって、自分ごととして捉えるIT関係者、行政関係者も増えているのかなと思います。これも会津若松市、及

          スマートシティー拠点AiCTの今。なぜ会津若松か?が見えてきた