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【紙の本で読むべき名作選#8】「八つ墓村」で電子書籍を越えてゆけ!

たぶん1977年の松竹映画版が有名すぎるせいなのでしょうが、横溝正史の『八つ墓村』をホラーやオカルトの一派とみなして食わず嫌いしているなら、あまりにも勿体ない

原作小説を読んだ人間として、声を大にしたい。

これは実は「宝探しの冒険小説」なのです!

なるほど、因習にまみれた地方の名家の閉塞感や、謎めいた連続殺人は描かれていますが、

後半、隠された財宝をめぐる地下迷宮の探索が始まると、がぜん読者は子供の気持ちに戻って、主人公と一緒にハラハラドキドキのダンジョン探索を体験することになります。サポートしてくれる健気なヒロインのキャラクターも、魅力たっぷりです。

残念ながら松竹の映画版は、この楽しい「宝探し」の要素をカットしてしまっています。

それゆえに、私としては、「海外小説でいうアルセーヌ・ルパンや宝島に匹敵する、『子供から大人まで楽しめる宝探しの冒険小説』は、日本では八つ墓村なのだ!」とぶち上げておきましょう。

横溝正史の八つ墓村といえばホラーテイストの連続殺人もの、とばかり思っている方にこそ、ぜひ原作を体験していただきたい!

横溝正史という稀代のエンターテイメント作家に対する印象が、ガラリ変わることでしょう!

※1977年の映画版も名作には違いありませんが、「横溝正史=オカルトっぽい」という一面的な印象を世に植え付けてしまった点、功罪相半ばなところがあります。面白くできてますけどね。↓

※本記事は以下、「紙の本で読んでほしい名作選」マガジンの一記事となります↓



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子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!