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痩せられない: 高値インシュリンのせいかも

インシュリンが問題になるのは糖尿病の人だけ、と思っているなら大間違いだ。インシュリンは食べ物からエネルギーを細胞に取り込み貯蔵するためのホルモンで、糖尿病だけでなく心臓病やアルツハイマー、癌にもにも影響する。

このインシュリンがうまく働かず、血中の糖分が増えてくると、膵臓β細胞はよりハードに働いて、そのポンプからインシュリンを大量に放出する。このインシュリンの分泌量が通常以上に増えると、確かに血糖値はさがるものの、一方脂肪は細胞内に貯蔵され、内臓脂肪はどんどん増えていくことになる。

これまでの医学はこのインシュリンの重要性を見逃してきた、とロバート・ラスティグ医師・博士はその著書Metabolicalで述べている。加工・工業化された食生活による健康リスクをテーマにしたこの本では、加工食品の危険性とメタボのつながりについて詳しく説明されている。

糖尿病患者にインシュリン注射をしていたのはもう昔の話だ。いまでは身体にあるインシュリンがきちんと機能しないことに注目し、ただ単にインシュリンの量を増やすことが解決にならないどころか、返って身体を痛めることがわかってきている。

そして身体に貯まった脂肪がきちんと消化されない理由の背景に、この過剰なインシュリンがある。なんたってインシュリンは脂肪を細胞に溜め込むのがその使命なのだから。

インシュリンの量が多いと、それはさまざまな部位に支障として現れる。
例えば肝臓は肝脂肪二型糖尿病に、脳はアルツハイマーに、子宮は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に、そして内脂肪は頑固な肥満となる

インシュリンの抵抗性が増大する原因としては内臓脂肪の蓄積がある。内臓脂肪の蓄積によってTNFαの増加やアディポネクチンの低下することがインシュリンの抵抗性を増大させると考えられている。そして、インシュリン対抗性は、次なる内臓脂肪の原因となる。つまり悪循環の関係にあるのだ。

そこで、うまく機能していないインシュリンの対抗性を和らげ、その量を減らして少なくてもうまく機能するようにするにはどうしたらいいのか。博士の著書ではいくつかの方法があげられている。

加工食品を断つ

加工された食品はもはや食品ではなく工業製品と考えるべし。素材から栄養素を抜き取り、後から『食物繊維』や『ビタミン』で強化したとか言ったって、所詮歯磨きチューブに歯磨きを戻そうとして戻せないことと同じ。素材の元にある栄養には程遠い。

コーラやエナジードリンクを経つ

これらに使われている人工甘味料は、肝臓にとっては異種のもので、通常の自然食物のようにプロセスするには無理がある。例えばコカコーラやペプシはその2/3の量で、肝臓の最大許容プロセス量を超え、脂肪肝を作る元になる。

ファスティング

毎日24時間の内、何も食べない時間を14-16時間もつことをインターミティンファスティングと呼ばれているが、これは非常に効果的に肝臓に溜まった脂肪を吐き出す効果がある。3−4日間の本格的な断食よりもやさしく、失敗も少ない。

ストレスを下げる

ホルモンであるインシュリンは、ストレスに大きく影響される。コルチゾールもストレスホルモンであるけれど、ストレスによって高まったコルチゾールはインシュリンを必要以上に排出させる力をもっている。

エクササイズ

またエクササイズか、とうんざりするかもしれないけれど、HITや筋トレはインシュリンなしで食べ物を効率よく細胞に取り込むプロセスの役目をはたしてくれる。つまりインシュリンの対抗性を飛び越えて、食物のエネルギーを潤滑に身体にとりこむことにより、膵臓をムチ打つことなく、休ませることができるのだ。

睡眠

睡眠不足はインシュリンの安定性にひどい悪影響を及ぼす。睡眠不足が続くと、食欲も制御できなくなり、二重の負担を体にかけることになる。

ローカーブ

ここでいうカーブとは白米やパンなどのシンプルカーブ。さらに人工甘味料を使ったソーダやジュース、箱や瓶に入ってくる加工食品は、隠れた糖分が身体に負担をかける。それを取り除こうとして、インシュリンはより多く放出されることになる。ローカーブを制御することはインシュリン対抗性と取り組む基本中の基本となる。







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