Morning Call
灼熱の太陽が
この身を照らした後の
蒸し暑い夜
僕は冷やしたワインを出して
渇いた喉に流し込んだ
君は僕を
遙か昔から知っていた
ふたりが生まれる前
遠い前世の
混み合う町角
ふたりは手を携え
遠くへ逃げようと
歯痒くも進まない足取りで
よろけつつ走っている
やがて町外れの
苔生す川べりで
ふたりは互いを抱き締め
永遠を誓い
厳かな死を選んだ
そんな情景を
浅い夢に見て
目覚めた僕は
君に電話をして
おはよう、と
上気した声で言い
どうしたの、と
君は心配げに答えた
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