レース編みの光を浴びて
午後の光というのは、どこか穏やかなようでいて情熱を秘めていたりするので、なんとも好ましいなあと思う。
桜が散ったあとの季節の太陽の光は、春にしてはやや強すぎて、夏というにはまだまだ未熟だけれど、私にはちょうどいい。やさしくてほがらかでさわやかで。風がぬるくて気持ちがいい。木かげがひんやりしていて気持ちいい。
大体、季節というものは総じてたちが悪い。季節は私の手をとって巧みにエスコートし、心底楽しそうに踊ってくれるけれど、こちらがその気になってきたころには、私の手の甲にキス