整形外科で働く柔道整復師

整形外科で働く柔道整復師です。 臨床の記録や、学んだことのアウトプットの場として使いま…

整形外科で働く柔道整復師

整形外科で働く柔道整復師です。 臨床の記録や、学んだことのアウトプットの場として使います。 #seikeijusei

最近の記事

「足をつきたがらない幼小児(こども)」#155

お久しぶりです。 久しぶりに書きたい欲求がうずうずしてきたので今回は、「足をつきたがらない幼小児」というテーマについてまとめていきたいと思います。 「特に何もしてないのに、こどもが足をつきたがらないんです…」 母親とともに足を引き摺りながら、もしくは足をつけない状態で診察室に入ってくるこどもが今年に入りすでに2件いらっしゃいました。 痛みの訴えは2名とも下腿の中央から遠位部のようです。 みなさんなら何を考えますか? 実際にあった症例を提示していきます。

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    • 「画像所見は嘘をつかない。」#書く習慣154

      日々の診療お疲れ様です。TROT(トロット)です。 先日改めて画像所見の大切さについて考えさせられることがあったのでシェアします。 「傘をさしながら自転車に乗り転倒しました。」 60代女性。 タイトル通り傘をさしながら自転車に乗っていて転倒してしまったとのこと。 XPを撮影して画像を確認してみると… 上記画像のように明らかな骨折線を認めませんでした。 患者さんの訴えと所見 改めて患者さんの訴えをかき出してみると… と問診や触診から肘外側に熱感があり、可動域制限

      • 「腰椎分離症の固定中の運動療法」#書く習慣153

        日々の診療お疲れ様です。TROT(トロット)です。 本日は腰椎分離症患者さんが装具固定中にできるリハビリについてまとめてみました。 参考にした文献はこちらの「骨癒合を目指すときの装具下運動療法」の章より。 以前の腰椎分離症のまとめはこちらから。 まずはどの治療でも重要なフェーズ分けを行います。 ただでさえ腰椎分離症の固定は固定期間が長く患者さんのストレスが高い治療になります。現在患者さんがどのフェーズにいるかによって、行うことができる運動療法が異なりますので、必ず分類

        • 「症例報告:橈骨遠位端骨折(AO分類:C2)」#書く習慣152

          日々の診療お疲れ様です。TROT(トロット)です。 本日は久しぶりに緊張感のある橈骨遠位端骨折の整復を対応させてもらいました。 ちょっとこのままでは興奮して眠れそうにないので、僕の心の安定のためにも症例報告をさせていただければと思います。 「骨が変形しているみたいなんです…」 午前診療中に、当院へと一本の電話が入りました。骨が変形していてどうやら骨折しているようなんです、とのこと。 2つ返事で受け入れの許可をして、1時間後に患者さんが来院されました。 患者さんは、50

        「足をつきたがらない幼小児(こども)」#155

          「鎖骨骨折の保存療法」#書く習慣151

          日々の診療お疲れ様です。TROT(トロット)です。 今日は先輩柔道整復師から聞いた話を備忘録として書き記しておこうと思います。 鎖骨骨折のRobinson分類でTypeⅡの壁にぶち当たることは柔道整復師であれば、一度は必ずあることだと思います。 かくいう僕もなかなかうまく整復ができなかったり、整復が出来たとしても再転位してしまったり…歯痒い思いをたくさんしてきました。 で、僕の中の治療のプライオリティとしては完全整復を目指すよりも、接触面積がないtypeⅡから接触面積が少

          「鎖骨骨折の保存療法」#書く習慣151

          「偽痛風のレントゲン所見」#書く習慣150

          日々の診療お疲れ様です。TROT(トロット)です。 先日高齢女性が来院されました。 転倒や外傷の既往はありませんが、手関節が腫れていてXP、エコーで確認してみると骨折の所見を認めませんでした。 しかし、ドクターはレントゲンを見るや否や「偽痛風だね」とひとこと。 ドクターと仕事をする上でこういった所見を見逃さないように本日はレントゲンから見る偽痛風の所見についてまとめていきたいと思います 偽痛風とは 偽痛風とはピロリン酸カルシウムが軟骨などに沈着することで生じる関節炎

          「偽痛風のレントゲン所見」#書く習慣150

          「膝蓋下枝の基本情報の整理」#書く習慣149

          日々の診療お疲れ様です。TROT(トロット)です。 先日、交通事故の患者さんが来院されました。 膝をついて受傷したのですが、痛みが取れないためMRI撮影をすると、膝蓋骨下部に骨挫傷を認めました。 少し経過してから患者さんを担当することになり改めて評価をしてみると、可動域や筋力に関しては問題ないものの膝関節の表面にピリピリとした痛みと、ぶつけたことによる感覚鈍麻を認めました。 挫傷部の圧痛は落ち着いていたため、伏在神経の膝蓋下枝による問題かなと推察してリハビリに当たりまし

          「膝蓋下枝の基本情報の整理」#書く習慣149

          「外側上顆炎に対する一考察」#書く習慣148

          日々の診療お疲れ様です。TROT(トロット)です。 今日は難渋しやすいテニス肘に関してまとめてみました。 外側上顆炎とは? ・外側上顆炎は肘関節外側部痛を主訴とする疾患である。病態としてはECRB起始部の付着部症が考えられている(*1) 疼痛出現のタイミング ・重い物を持ち上げる、雑巾を絞る、ビンの蓋を開けるといった力強い把持を必要とする動作で疼痛が出現する(*1) ・別名テニス肘とも呼ばれるがテニスと関連のない症例も多く、最も多くみられた発症原因は重量

          「外側上顆炎に対する一考察」#書く習慣148

          「所見を治療へと昇華できない」#書く習慣147

          日々の診療お疲れ様です。 昨日の東京ドームで解散となってしまったBiSHを思うと悲しすぎて今日は永遠リピートが決定したTROT(トロット)です。 今日は最近あった症例についてお話ししていきます。 「ステージ台に登ろうとして膝をぶつけました。」 小学生の男の子。体育館のステージに登ろうとして膝をぶつけ膝痛を訴えました。 安静時の痛みはあまりありませんが、膝を最大屈曲位に持っていった際に膝蓋骨上方に痛みがありました。 そこでXP撮影をしてみると、分裂膝蓋骨を認めました

          「所見を治療へと昇華できない」#書く習慣147

          「2023年度前期セラピスト資格取得研修会の事前動画のまとめ」#書く習慣146

          日々の診療お疲れ様です。TROT(トロット)です。 今日はこの間受けたセラピスト研修会の事前動画のまとめを記載していきます。 第1章 運動器リハとは? ・運動器:骨、関節、筋肉、神経の総称 ・運動器リハとは運動器疾患を持つ患者の心身機能と生活の活動性向上を図る治療 ・高齢者は65歳から、後期高齢者は75歳から ・日本はすでに超高齢化社会(現在29.1%/21%〜超高齢化社会) ・平均寿命 男81.47年、女87.57年:R2より短縮 ・高齢者の平均余命は平均寿命よりも長い

          「2023年度前期セラピスト資格取得研修会の事前動画のまとめ」#書く習慣146

          「2023年度前期セラピスト資格取得研修会」#書く習慣145

          日々の診療お疲れさまです。TROT(トロット)です。 今日はいわゆる、みなしPTの試験を受けてきました。 場所は品川のTKPというところです。 義母に駅まで送ってもらって1時間揺られて品川に到着。 14時少し過ぎに始まったのですが、全20問の5択問題でした。 合格点は何点なのかはわかりませんが、明確にわからなかったのは2問程度だったので、多分大丈夫だと思います。 事前動画か6時間。 往復で2時間。 試験は10分。 なんとも言えない気分になりますね。 久しぶりの何も

          「2023年度前期セラピスト資格取得研修会」#書く習慣145

          「肩の挙上制限への治療戦略」#書く習慣144

          日々の診療お疲れ様です。TROT(トロット)です。 先日初学者向けの肩の挙上制限の講義を受けました。 改めて、肩っていろんな側面を持っているなあと感じました。 そういった先輩セラピストを思い出します。 勉強会の箇条書きの内容にはなりますが、良い内容だったのでシェアしていきます。 寿命延長に伴い人生の活動時間が延長することで機能障害が増大するはず なぜ機能障害が生じてしまったのかを理解するためには機能解剖学が重要 肩関節の区画と治療対象 ・可動性を出すためにGHに

          「肩の挙上制限への治療戦略」#書く習慣144

          「診療の反省」#書く習慣143

          日々の診療お疲れ様です。TROT(トロット)です。 本日は頭がモヤモヤしているので少し書かせてください。 理学所見の精度 最近はコロナが明けたからなのか、患者さんが非常に増えてきております。 昨日もまさにキャパ越えの患者数でした。 そこで、17歳の女の子が部活中に走っていて止まった際に膝痛を訴え、膝が曲がらなくなりました。 そう言われて、ACL損傷を疑いながら徒手検査を行なってみると、脛骨の後方移動を感じ、前方移動および側方移動については確実に感じられませんでした。

          「診療の反省」#書く習慣143

          「腰椎分離症に対する理学所見」#書く習慣142

          日々の診療お疲れ様です。TROT(トロット)です。 今日は腰椎分離症の患者さんに対して行う理学所見についてまとめていきたいと思います。 腰椎分離症とは   ・発育期腰椎分離症は、スポーツを活発に行う青少年にみられる腰椎椎間関節突起部間部(Pars)の疲労骨折である(*2) 発生機序 ・西良らにより、腰椎の伸展、回旋運動の応力がParsにかかることで発症するとされている(*2) 発生頻度 ・成長期腰椎分離症

          「腰椎分離症に対する理学所見」#書く習慣142

          「膝伸展制限のナイトセミナー」#書く習慣141

          日々の診療お疲れ様です。TROT(トロット)です。 今日は、診療後に21時頃からナイトセミナーがありました。 内容は膝の伸展制限についてでした。 すごい話の内容の濃い勉強会で、しっかり咀嚼して患者さんに還元しなくてはいけないなと改めて刺激をいただく時間となりました。 まとめるのって大変だな、と思うこともありますが、自分の情報整理や伝え方の順序の確認として非常に重要であることを感じます。 新たな知識と、今まであった情報の整理をしてアップデートした治療や展開を考えていきた

          「膝伸展制限のナイトセミナー」#書く習慣141

          「腓骨神経麻痺」#書く習慣140

          日々の診療お疲れ様です。TROT(トロット)です。 今日は腓骨神経麻痺についてまとめていきたいと思います。 腓骨神経麻痺とは ・腓骨頭部(膝外側)の外部からの圧迫により生じるものです。下肢の牽引などで仰向けに寝た姿勢が続いたり、ギプス固定をしているときに、腓骨頭部が後ろから圧迫されると起こります。(*7) ・下腿の外側から足背ならびに第5趾を除いた足趾背側にかけて感覚が障害され、痺れたり触った感じが鈍くなります。足首(足関節)と足指(趾)が背屈が出来なくなり、下垂足(d

          「腓骨神経麻痺」#書く習慣140