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新戦力がチームをよみがえらせる。サッカーの川崎フロンターレ。スーパーカップでJ1王者神戸を下し戴冠。オランダ帰りの29歳、ベテランの34歳が頼もしい存在に

新戦力がチームをよみがえらせる。そう実感させるゲームだった。サッカーの富士フィルム・スーパーカップで天皇杯覇者の川崎フロンターレが、J1王者のヴィッセル神戸を下して3年ぶりに戴冠。J1で昨季8位に終わった川崎。オランダ帰りの29歳ファンウェルメスケルケン際選手に、ベテランの34歳丸山祐市選手の新戦力が攻守で存在感を見せた。

17日に東京・国立競技場で行われた大会には5万2142人の観客が熱戦を見守った。そのゲームで光を放ったのが川崎の新戦力だった。

まずはファンウェルメスケルケン選手だ。父がオランダ人、母が日本人の29歳。2歳から高校までは日本で生活し、卒業後オランダに渡った。1部リーグで9シーズン通算74試合に出場し、日本へ戻ってきた。

日本で生活していた頃も、ヴァンフォーレ甲府の下部組織でプレー。オランダに渡った後も日本U-23代表に選ばれた経験がある。日本サッカーへの関わりは深かった。

ファンウェルメスケルケン選手はスーパーカップで、いきなり大仕事をやってのけた。右サイドバックで先発出場し、名刺代わりの一撃を披露した。

両チーム無得点のまま迎えた後半3分。相手ゴール前へのFKのこぼれ球を、相手選手がクリア。このボールをファンウェルメスケルケン選手が右足ではねかえしてゴール左へ押し込んだ。これが決勝点となった。

そして守備面ではベテランの34歳丸山選手が相手の攻撃陣を封じた。今季、名古屋から川崎へ加入。日本代表経験をもつ丸山選手はこの日、センターバックでプレーし。最終ラインから声を張り上げ続けた。

ベテラン選手だけに鬼木達監督からはリスク管理を任されていた。センターバックでコンビを組む19歳高井幸大選手とは、試合中も密にコミュニケーションを取った。その連係で昨季得点王の大迫勇也選手をシャットアウト。

若手の高井選手にとっては、丸山選手の存在は頼もしかっただろう。試合を通じて、ベテランが若手を育てているように感じた。

川崎は今月13日のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝トーナメント1回戦(第1戦)から先発を総入れ替えして、スーパーカップに臨んだ。その試合で新戦力が攻守に貢献し、層の厚さを見せた。

天皇杯を制したとはいえ、昨季J1で8位に終わった川崎は、戦力の底上げが急務だった。ファンウェルメスケルケン選手と丸山選手の加入は、J1とACLを両方戦う上で、大きなプラスに働くことを証明したのだ。

今月20日はACL決勝トーナメント1回戦の第2戦、24日にはJ1開幕戦の湘南戦とタイトなスケジュールが続く。それでも新戦力の活躍で「二兎を追う者が二兎とも得る」ことは十分に可能となった。

新戦力がチームをよみがえらせる。戦力が充実した川崎。J1とアジアの舞台でどんな戦いを繰り広げていくか期待だ。

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