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日本ラグビーは確実に強くなっている。W杯で2大会連続の8強入りとはならなかったが、強豪相手に接戦に持ち込んだ

ラグビーワールドカップ(W杯)で日本代表が確実に強くなっていることを証明してくれた。勝てば決勝トーナメントに進むアルゼンチン代表とのビッグマッチ。惜しくも敗れて、2大会連続の8強入りとはならなかった。ただ、華麗なトライや芸術的なドロップゴールを決めるなど、近年の成長ぶりを世界に見せつけた。「あっぱれ!」と言いたい戦いだった。

試合開始早々にトライなどを決められて追う展開となった日本。しかし、16分にロックのファタカバ選手が左サイドでパスと受けると浮き球のキック。そのボールを自らつかみ、一気にインゴールまで持ち込んだ。すぐさま同点に追いついた。

前半は14-15と僅差の展開。十分に逆転できる。相手にこの日3つ目のトライを奪われた後、松田力也選手のペナルティゴール(PG)、そしてレメキ選手のドロップゴール(DG)で2点差に詰め寄る。

松田選手のプレースキックの正確性は世界トップレベルと言っても過言ではない。今大会、松田選手の右足から放たれるトライ後のゴール、PGは16本蹴って15本成功。厳しい角度からでも難なく決めた。

レメキ選手のDGは約35mと距離のある地点から蹴り込まれた。アーチを描くように芸術的だった。相手が分かっていてチャージをかけてきたが、より高く放ったキックを止めることはできなかった。

後半の相手の攻撃はシンプルだった。高くボールを蹴り上げて、空中でボールの争奪戦に挑み、トライチャンスを狙う。

シンプルだが、これがやっかいだった。この日はデーゲーム。日差しが強く、後半の日本は逆光で戦った。相手の高く蹴り上げられたボールをキャッチしようとするが、相手はジャンプ力が高い。日本はボールの争奪戦で劣勢となった。

デーゲームというと、4年前に日本で行われたW杯の強豪アイルランド戦を思い出す。蒸し暑い試合環境に、相手の疲労が増す中で、日本は最後まで力が落ちなかった。優勝候補を下す大金星を手にした。

それだけに、W杯で4強入り2度のアルゼンチンをデーゲームでなら下せると思った。しかし相手に逆光を利用されてトライを重ねられたのは、「不運」とも言えた。

実力としては互角だったはずだ。逆光を巧みに利用されたことだけが勝負の行方を左右したように思える。27-39。最後に突き放されたが、私は接戦に等しいと思う。

日本は2015年W杯で優勝候補の南アフリカを下した。4年前は悲願の8強入りを決めた。そして今回は、決勝トーナメント進出まで「あと一歩」まで詰め寄った。

日本ラグビーは確実に強くなっている。それを証明する戦いぶりだった。4年後、2度目の決勝トーナメントへと勝ち進もう。

それが日本にはできるはずだ。日本ラグビーのさらなる強化へ希望を抱き続けたい。

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