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「雪に耐えて梅花麗し」。春の偉業は冬にどれだけ頑張ったか。競馬の皐月賞でジャスティンミラノがレコードタイムで戴冠。雪の季節に勝った勢いでクラシック制す

「雪に耐えて梅花麗し」。厳しい雪に耐えてこそ、麗しい梅の花が咲く。その言葉通りのレースだった。競馬のクラシックレース皐月賞をジャスティンミラノが制した。前走は雪の季節に行われた重賞レース。東京に大雪が降って1週間も経たない時期のレースだった。ここで勝って弾みがつき、大舞台の1冠目を手にした。まさに雪に耐えて、今がある。

14日に千葉県の中山競馬場で行われたクラシックの1冠目、皐月賞。芝2000mのレースに18頭が名乗りを挙げた。レース直前で1頭が故障のために、競走除外となる。そのため、スタート時間が遅れる。人馬ともに集中力を維持するのが難しい状況となった。

3歳馬によるレース。人に例えるならば、選抜高校野球に挑む新2年生かもしれない。大会前の冬の季節に、どれだけ鍛えてきたか。その成長分が左右する。

皐月賞に臨む馬たちのルートは大きく分けて3パターン。
①    昨年12月にあった2歳時のGⅠレースからの直行組。4カ月の間隔がある。
②    2月に行われる重賞レース共同通信杯から2カ月の間を置いてのチャレンジ。
③    3月に行われる弥生賞やスプリングステークスのトライアルレースから挑む。

ジャスティンパレスは②の共同通信杯を勝ってから、皐月賞への参戦となった。昨年11月の新馬戦で2着に1馬身4分の3差を付けての快勝。そして2戦目に選んだのが2月の共同通信杯だった。

2月11日に行われたレースも、ジャスティンミラノは力強さを見せて優勝した。2着のジャンタルマンタルに1馬身2分の1差をつけての勝ちっぷりだった。

ジャンタルマルタルは昨年12月のGⅠレース、朝日杯フューチュリティステークスを制して最優秀2歳牡馬に選出された。そんな強豪相手にも、ジャスティンミラノは動じなかった。

今年の2月5日は東京に大雪が降りしきった。2月は雪の季節。そんな時期のレースを勝って、ジャスティンミラノは勢いに乗った。

そして皐月賞。逃げ馬がハイペースでレースを進める中、ジャスティンミラノが5~6番手に位置して勝機をうかがう。最後の直線でジャンタルマンタルが先頭に立つ。このままゴールを駆け抜けるかに思えた。

そこへジャスティンミラノが猛スパートで迫っていった。雪の季節に下したジャンタルマンタルを追い抜こうと、鬼脚が炸裂した。ジャスティンミラノがゴール直前で追い抜いて1着でゴール。タイムは1分57秒1。レコードタイムを出しての劇的勝利だった。

ジャスティンミラノには、もう一つの後押しがあった。今月行われたレースで落馬事故にあい亡くなった藤岡康太騎手の存在だ。皐月賞1週間前にはジャスティンミラノの調教に乗って稽古をつけていた。藤岡騎手はきっと天国で、最後の一押しに加勢してくれたのだろう。

雪に耐えて梅花麗し。ジャスティンミラノは雪の季節に耐えて勝ち上がり、春に素晴らしい花を咲かせた。苦労してこその成功。人生においても「冬の時代」に、いかに自分を鍛えていけるか。大事なことを教わったような気がする。

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