宮下宗三(鍼灸師)

自作イラストつきの東洋医学的な養生法を主に投稿していきます。/ 成鍼堂の堂主(東京都練…

宮下宗三(鍼灸師)

自作イラストつきの東洋医学的な養生法を主に投稿していきます。/ 成鍼堂の堂主(東京都練馬区の鍼灸院です) / 著書 :『江戸の快眠法』(晶文社) / 養生やまと歌 / 新著『侍の養生術』 https://amzn.to/36gvNcm

マガジン

  • 家庭の東洋医学

  • 『養性訣』解説 - 江戸の養生書を読む 01

    江戸時代の名医、平野重誠の『養性訣』の翻刻と、内容の解説をしていきます。

  • 『養生大意抄』- 江戸の養生書を読む 02

    多紀元悳(1732~1801)著の養生書で、全2巻。内容は医家向けではなく一般向けで、心、飲食、起居動作、性、鍼灸薬餌などの養生の要点がまとめられている。著者の多紀元悳(もとのり)は官立の医学校である江戸医学館の初代館長で、将軍家斉の侍医であった。

  • イラストで読む養生の古典

  • 續養生やまと歌

    養生やまと歌の続編です。江戸時代の養生書などに収載されている和歌を、自作イラストつきで紹介していきます。

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体・息・食・眠・心の五事から身心を調える - 新著『侍の養生術』

昔の人も現代人と同じで、健康に対する関心は非常に高く、江戸時代にはさまざまな養生書が出版されていました。有名なものですと『養生訓』をご存じの方は多いでしょう。 この他には、『養性訣』『養生一言草』『養生辨』『養生手引き草』『養生大意抄』など、例を挙げるときりがないほどの養生書が現存しています。 物を消費せず、場所や時間を使わず、一人で気軽にできる 人の身体は昔と比べてそれほど変化していません。それゆえ、古い時代の健康法は現代でも通用します。それどころか、養生術は基本とし

    • こころと体を冬モードに!秋の夜長の過ごし方

      天人合一思想という、東洋医学の考え方があります。人と自然は一体ということです。そして、自然の気の流れに合わせるのが、養生の基本になります。 陽気の盛んな夏が終わり、秋冬は静的な気である陰気が強まります。この流れに合わせて、秋からは人も静かに落ち着いて過ごしましょう。 特に夜は、陰気が優位な時間帯になるため、何もせずのんびりしたいところです。 ただ、現代に生きる私たちにとって、何もしない、というのはなかなか難しいことだと思います。 娯楽は無限にあるのに、現代人は自由な時

      • 心を落ち着かせ自律神経を調える、ツボ押し丹田呼吸法

        古来から心身を整えるために重要視されてきた丹田。丹田はお臍の下にあり、呼吸法によって充実すると考えられています。丹田呼吸はリラックス効果があり、緊張や不安感、意欲の減退、自律神経が乱れている時などに大変効果的です。 やり方 大陵に指を乗せたまま、丹田呼吸を10回します。画像を見ながら、左右両方同じ要領でやってみましょう。

        • 秋を元気に過ごすための、夏の終わりの養生

          冷たい物を飲食する機会が多い夏は、胃腸の不調が出やすい季節です。東洋医学では胃の不調は万病のもとと考えられており、冷たい物で胃を冷やすと、秋以降の体調にも大きく影響します。また、意外なことに、胃の冷えは呼吸器の症状とも関係していると考えられています。 冷たいものが呼吸器に影響? 肺の経絡はお腹から始まり、肺を通過して手の親指にめぐります。そのため、おなかを冷やすと、この肺の経絡を通じて、肺の働きも低下してしまいます。また、秋は肺を養うとよい季節であると考えられるため、夏の

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        • 養生やまと歌 - 江戸の養生書を読む 03
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        記事

          自然で深い呼吸のための、ツボ押し深呼吸法

          呼吸の深さが体調に影響する ストレスや疲 労など心身の不調により、いつの間にか浅くなってしまう呼吸。呼吸が浅くなると、集中力が落ちたり、体がだるくなったり、めまい感や頭痛などが現れたり、低気圧に弱い方も、呼吸の浅い状態になっていることがあります。 今回は呼吸の浅さを解消するための、ツボ刺激法をまとめてみました。簡単にできるのでぜひお試しください。 ツボの場所 ツボ押し深呼吸のやり方 (1)ツボ押しの前に、軽く3回深呼吸します。ツボ刺激の前後で効果の判定をするために、

          自然で深い呼吸のための、ツボ押し深呼吸法

          梅雨の体調不良を防ぐための五月の養生

          東洋医学では胃の不調は万病のもとと考えられています。 実はこの胃は湿気に弱く、湿度の高い梅雨が最も苦手。 梅雨に体調を崩しやすい方は、5月から胃の養生をして備えておきましょう。 胃の養生の基本 ・よく噛んで食べる ・腹八分にする ・夕食は少なめに ・時々お粥だけの食事にする ・冷たい飲み物は控える ・果物を食べ過ぎない ・甘い物は少しだけ ・こってりした物はほどほどに ・食後に軽めに動く オススメのツボ3選び 胃を調えるツボを3つ選んでみました。家庭用の台座付き灸

          梅雨の体調不良を防ぐための五月の養生

          春は座り過ぎに注意

          春は体を軽めに動かして気血の調和を促進する 春の初めは自然界の陰気と陽気の偏りが少なく、緩やかに陽気が優勢になっていきます。人の気血も調和する時期なので、適度に体を動かして気血の調和を促進し、長時間の座位など、気が欝滞する行動を控えましょう。 座り過ぎのリスク 『WHO身体活動・座位行動 ガイドライン (日本語版)』では、「座りすぎは心臓病、がん、2型糖尿病のリスクを高める。座りっぱなしの時間を減らし、身体活動を行うことは健康に良い。」とあります。座り過ぎは貼るだけでな

          春は座り過ぎに注意

          目の疲れによい導引術

          今回は目の疲れによい導引術です。 自分でやってみた体感としては、眼の奥に効く感じでした。 短時間で簡単にできるのでぜひお試しください。首を痛めている方は控えましょう。

          目の疲れによい導引術

          春野菜の効果と性質

           中国の代表的な本草書の『証類本草』と『本草綱目』を参考に、春が旬の野菜の効果と、温めたり冷やしたりする性質を調べてみました。  原文が漢文で、古い医学用語が使われているので、できるだけわかりやすく現代語訳しましたが、一部翻訳しづらい用語はそのまま使用し、末尾に注釈をつけてあります。 フキ 温 咳やのどの腫れによく、心肺を潤し、消渇によい。フキノトウは葉柄の部分よりも効果が高いとされる。[1] タケノコ 冷 消渇によく、気を増し、水道を通利する作用がある。[2][3

          春野菜の効果と性質

          『養性訣』本文データPDF

          個人的な学習のために翻刻した『養性訣』のデータをPDFにしました。平野重誠による江戸後期の養生書で、「体」「息」「食」「眠」「心」の五事の調和について書かれています。 翻刻したのは本文のみで、序文と跋文は未翻刻です。序跋は気が向いたら付け加えるかもしれません。また、誤入力など見つけましたらぜひご指摘ください。ご指摘が集まり次第、修正版を更新していきます。 PDFは以下からダウンロードできます。 内容についてはnoteのマガジンに簡単にまとめてあるので、興味のある方は以下

          『養性訣』本文データPDF

          肩こりのツボ

          肩がこる方へおすすめのツボです。肩から離れたツボなので、即効性はないですが、後からジワジワ効いてきます。 今回ご紹介する2つのツボは、首肩や背中にかけてのめうぐりをよくする効果があります。肩こりでお困りの方は、毎日継続的に刺激してみましょう。 ツボの場所台座つき灸を使う場合 お灸は1日1回程度で、基本は1個ずつ行います。もしお灸の熱を全く感じずに終わった場合は、同じ場所にもう1個すえましょう。 ツボ押しの場合 ツボを指で圧迫していき、軽く痛みや気持ちよさを感じ始める

          『養生大意抄』の本文翻刻データPDF

          個人的な学習のために翻刻した『養生大意抄』のデータをPDFにしました。多紀元悳による江戸後期の養生書で、「心」「飲食」「性」「起居」「鍼灸」「薬」などについて書かれています。 古い時代の健康本なので、今の医学的には妥当でない説もあるかもしれませんが、現代人にも役に立つ養生法もあると思いますので、ぜひご参考にしてください。 翻刻したのは本文のみで、序文は未翻刻です。序文は気が向いたら付け加えるかもしれません。また、誤入力など見つけましたらぜひご指摘ください。ご指摘が集まり次

          『養生大意抄』の本文翻刻データPDF

          足の冷えからくる身体の不調に、湧泉摩擦法

          足の冷えは万病の元 東洋医学では、足などの末梢の循環障害が、全身症状と関係していると考えています。足の冷えの改善法は色々ありますが、今回は『寿親養老新書』という中国宋代の養生書から、湧泉摩擦法をご紹介します。 姿勢と摩擦する場所 ・姿勢 あぐらをかいて楽に座ります。 ・摩擦する場所 土踏まずのあたりから、足の裏中央からやや指よりのくぼみにある湧泉というツボのあたりまでを摩擦します。 やり方1.左手で左足の指先をつかんでおく 摩擦は左右両方しますが、ここでは左側を例

          足の冷えからくる身体の不調に、湧泉摩擦法

          風邪のひき始めに喉がイガイガする時のお灸

          風邪のひき始めの喉のイガイガ感や軽い痛み、咳が出るときのツボをご紹介します。台座つきのワンタッチタイプのお灸で刺激を与えてみて下さい。 お灸には免疫力を上げる(抗体産生能を高めるなど)作用があるということが、様々な基礎研究ですでに解明されていますので、喉が軽くイガイガする程度の時に、免疫力をあげて悪化予防のためにすえることもおすすめします。 お灸のやり方 ・台座型のお灸を使います。ひとつのツボにつき1個。あまり熱を感じずに終わった場合は、続けてもう1個すえましょう。 ・

          風邪のひき始めに喉がイガイガする時のお灸

          ラジオ番組にゲスト出演します。見逃し配信開始!

          FM西東京で放送中の「教えて、なぜ?なに?睡眠先生! 」という番組に、10月から11月にかけてゲスト出演することになりました。 内容は『江戸の快眠法』(晶文社)にからめた、睡眠関係の養生のお話しが中心になります。ネットでも聴くことができますので、ぜひ聴いてみてください。 第1回目の放送は10月1日(土)の7時45分からです。初回は自己紹介的な内容になります。 【放送日時】10月・11月(全9回) 本放送 毎週土曜日 7:45~ 再放送 毎週日曜日 7:45~ 再放

          ラジオ番組にゲスト出演します。見逃し配信開始!

          頻尿の導引術

          頻尿を解消する導引術です。 体の硬い方は無理をせず、痛みを感じない範囲でやってみましょう。 終わった後に膀胱のあたりの循環が良くなる感覚がすると思います。 トイレが近くてお困りの方は、朝晩2回くらいで続けるとよいですよ。