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家庭の東洋医学

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腰痛によいお灸のツボ

腰痛によいお灸のツボ

今年の春は気温が低い上に、気温差も激しせいか、筋肉が緊張しやすく、ぎっくり腰の方が多い傾向にあります。

自宅でお灸をする場所についてもよくご相談を受けるので、自分でやりやすい足のツボを使った腰痛のセルフ灸をお教えします。

やり方

・市販の台座つきのお灸を使う。
・イスや床などに座った姿勢で片足ずつすえる。

場所

曲泉
膝を曲げるとできるしわの端。

築賓
内くるぶしから曲泉を結んだ線の、

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こころと体を冬モードに!秋の夜長の過ごし方

こころと体を冬モードに!秋の夜長の過ごし方

天人合一思想という、東洋医学の考え方があります。人と自然は一体ということです。そして、自然の気の流れに合わせるのが、養生の基本になります。

陽気の盛んな夏が終わり、秋冬は静的な気である陰気が強まります。この流れに合わせて、秋からは人も静かに落ち着いて過ごしましょう。

特に夜は、陰気が優位な時間帯になるため、何もせずのんびりしたいところです。

ただ、現代に生きる私たちにとって、何もしない、とい

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心を落ち着かせ自律神経を調える、ツボ押し丹田呼吸法

心を落ち着かせ自律神経を調える、ツボ押し丹田呼吸法

古来から心身を整えるために重要視されてきた丹田。丹田はお臍の下にあり、呼吸法によって充実すると考えられています。丹田呼吸はリラックス効果があり、緊張や不安感、意欲の減退、自律神経が乱れている時などに大変効果的です。

やり方

大陵に指を乗せたまま、丹田呼吸を10回します。画像を見ながら、左右両方同じ要領でやってみましょう。

秋を元気に過ごすための、夏の終わりの養生

秋を元気に過ごすための、夏の終わりの養生

冷たい物を飲食する機会が多い夏は、胃腸の不調が出やすい季節です。東洋医学では胃の不調は万病のもとと考えられており、冷たい物で胃を冷やすと、秋以降の体調にも大きく影響します。また、意外なことに、胃の冷えは呼吸器の症状とも関係していると考えられています。

冷たいものが呼吸器に影響?

肺の経絡はお腹から始まり、肺を通過して手の親指にめぐります。そのため、おなかを冷やすと、この肺の経絡を通じて、肺の働

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梅雨の体調不良を防ぐための五月の養生

梅雨の体調不良を防ぐための五月の養生

東洋医学では胃の不調は万病のもとと考えられています。

実はこの胃は湿気に弱く、湿度の高い梅雨が最も苦手。 梅雨に体調を崩しやすい方は、5月から胃の養生をして備えておきましょう。

胃の養生の基本

・よく噛んで食べる
・腹八分にする
・夕食は少なめに
・時々お粥だけの食事にする
・冷たい飲み物は控える
・果物を食べ過ぎない
・甘い物は少しだけ
・こってりした物はほどほどに
・食後に軽めに動く

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春は座り過ぎに注意

春は座り過ぎに注意

春は体を軽めに動かして気血の調和を促進する

春の初めは自然界の陰気と陽気の偏りが少なく、緩やかに陽気が優勢になっていきます。人の気血も調和する時期なので、適度に体を動かして気血の調和を促進し、長時間の座位など、気が欝滞する行動を控えましょう。

座り過ぎのリスク

『WHO身体活動・座位行動 ガイドライン (日本語版)』では、「座りすぎは心臓病、がん、2型糖尿病のリスクを高める。座りっぱなしの時

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目の疲れによい導引術

目の疲れによい導引術

今回は目の疲れによい導引術です。 自分でやってみた体感としては、眼の奥に効く感じでした。 短時間で簡単にできるのでぜひお試しください。首を痛めている方は控えましょう。

春野菜の効果と性質

春野菜の効果と性質

 中国の代表的な本草書の『証類本草』と『本草綱目』を参考に、春が旬の野菜の効果と、温めたり冷やしたりする性質を調べてみました。

 原文が漢文で、古い医学用語が使われているので、できるだけわかりやすく現代語訳しましたが、一部翻訳しづらい用語はそのまま使用し、末尾に注釈をつけてあります。

フキ 温

咳やのどの腫れによく、心肺を潤し、消渇によい。フキノトウは葉柄の部分よりも効果が高いとされる。[1

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『養性訣』本文データPDF

『養性訣』本文データPDF

個人的な学習のために翻刻した『養性訣』のデータをPDFにしました。平野重誠による江戸後期の養生書で、「体」「息」「食」「眠」「心」の五事の調和について書かれています。

翻刻したのは本文のみで、序文と跋文は未翻刻です。序跋は気が向いたら付け加えるかもしれません。また、誤入力など見つけましたらぜひご指摘ください。ご指摘が集まり次第、修正版を更新していきます。

PDFは以下からダウンロードできます。

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肩こりのツボ

肩こりのツボ

肩がこる方へおすすめのツボです。肩から離れたツボなので、即効性はないですが、後からジワジワ効いてきます。

今回ご紹介する2つのツボは、首肩や背中にかけてのめうぐりをよくする効果があります。肩こりでお困りの方は、毎日継続的に刺激してみましょう。

ツボの場所台座つき灸を使う場合

お灸は1日1回程度で、基本は1個ずつ行います。もしお灸の熱を全く感じずに終わった場合は、同じ場所にもう1個すえましょう

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『養生大意抄』の本文翻刻データPDF

『養生大意抄』の本文翻刻データPDF

個人的な学習のために翻刻した『養生大意抄』のデータをPDFにしました。多紀元悳による江戸後期の養生書で、「心」「飲食」「性」「起居」「鍼灸」「薬」などについて書かれています。

古い時代の健康本なので、今の医学的には妥当でない説もあるかもしれませんが、現代人にも役に立つ養生法もあると思いますので、ぜひご参考にしてください。

翻刻したのは本文のみで、序文は未翻刻です。序文は気が向いたら付け加えるか

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風邪のひき始めに喉がイガイガする時のお灸

風邪のひき始めに喉がイガイガする時のお灸

風邪のひき始めの喉のイガイガ感や軽い痛み、咳が出るときのツボをご紹介します。台座つきのワンタッチタイプのお灸で刺激を与えてみて下さい。

お灸には免疫力を上げる(抗体産生能を高めるなど)作用があるということが、様々な基礎研究ですでに解明されていますので、喉が軽くイガイガする程度の時に、免疫力をあげて悪化予防のためにすえることもおすすめします。

お灸のやり方

・台座型のお灸を使います。ひとつのツ

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冷たいものの飲食は肺を冷やす

冷たいものの飲食は肺を冷やす

秋は肺を養う季節です。

肺の養生のために、晩夏からは特に冷たいものの飲食を控えましょう。



東洋医学では、肺の経絡はお腹から始まり、肺につながると考えられています。

そのため、冷たい物の飲食でお腹が冷えると、間接的に肺も冷えてしまいます。

肺は冷えに弱いため、これに外側からの冷えも加わると、呼吸器系の症状につながります。

気温が下がってくると、発汗後に汗が自然乾燥しづらくなり、

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